愛犬の気になる「ニオイ」といえば、体・口臭・目やに・耳・おしっこ・便、
または犬のいる部屋など、さまざまなものがあげられます。
大好きな愛犬のニオイは平気という飼い主さんもいらっしゃいますが、
気になるニオイは体調不良のサインである場合も。
今回は、愛犬のニオイの原因と家庭内でできる対策をご紹介します。
これからの愛犬の健康管理にぜひ役立ててください。
1. 犬のニオイはどこからくる?
犬のニオイは大きく「犬まわりのニオイ」と「犬のいる部屋のニオイ」の2つに分けられます。それぞれの発生原因はどこにあるのでしょうか?獣医師にお話を伺いました。
犬まわりのニオイの原因
犬のまわりから出るニオイは、被毛や口臭、耳のニオイなどがありますが、それぞれの部位ごとに原因が考えられます。気になるほどニオイがきつい場合は、病気の可能性もありますので注意が必要です。
犬まわりのニオイの原因
人と同じように犬にも肉球に汗腺があります。体温調節はできませんが、脂肪分を多く含む汗を分泌します。この汗が皮脂や被毛についた汚れと混ざって酸化し、雑菌が繁殖するとニオイを発することがあります。
愛犬の被毛がべたついていたりニオイが強かったりする場合は、脂漏症(しろうしょう)などの皮膚病が関係していることもあります。早めにかかりつけの動物病院で診てもらいましょう。
ほかにも犬のお尻まわりが臭うときは、肛門腺にたまる分泌物のニオイの可能性があります。定期的に絞ってあげてください。自分で行うのが難しい場合は、動物病院やサロンでお願いするとよいでしょう。
犬の口臭の原因
犬の歯についた食べカスをそのままにしておくと、歯垢や歯石ができ、口臭の原因となります。また、口のまわりの被毛に唾液や食べカスをつけたままにしていると、それもニオイや皮膚病の原因になることがあります。定期的に口腔内や口のまわりをチェックし、歯みがきなどのケアを行いましょう。
犬の耳のニオイの原因
湿度が高く、カビや雑菌などが繁殖しやすい耳の中は、ニオイのもとになりやすい場所です。たれ耳の犬は、特に蒸れやすく、ニオイが出やすいので注意が必要です。中には外耳炎などの病気が潜んでいることもあります。
犬の目のまわりのニオイの原因
目のまわりが湿っていたり、涙が臭かったりする場合は、注意が必要です。結膜炎などの目の病気で涙や目やにが増えている場合もあるので、普段より目のまわりが湿っている場合にはかかりつけの動物病院で診てもらいましょう。もともと涙の分泌量が多い犬の場合でも、こまめに拭き取らないと皮膚が蒸れ、雑菌が繁殖することがありますので、目のまわりのお手入れも大切です。
犬のいる部屋のニオイの原因
愛犬の過ごす部屋が臭う場合は、トイレやソファ、カーペットにニオイが染みついている可能性があります。
犬のトイレのニオイの原因
犬の排せつ物に含まれる硫黄化合物やアンモニアが、ニオイの原因です。ニオイのしにくいトイレやトイレシートもありますが、トイレに排せつ物が付着し残ったままになっていると、周囲にもニオイが広がってしまいます。排せつをしたらすぐにトイレシートを交換するのはもちろん、トイレ自体も定期的に洗浄するなどして清潔な状態を保つよう心がけましょう。
犬のいる部屋のニオイの原因
ソファやカーペットなど、愛犬が過ごす場所が臭う場合は、愛犬の被毛についた皮脂や肉球から出る汗のニオイが付着しているかもしれません。また、フローリングや愛犬のハウス、プラスチックのおもちゃなどにも皮脂汚れや犬の唾液などがつきますので、放置したままにするとニオイの原因となります。時々洗ってきれいな状態に戻してあげましょう。
ニオイが多い犬種、少ない犬種
犬のニオイは、犬種やサイズによっても異なるといわれています。サイズの大きい犬種は皮膚の表面積が大きい分、汗や皮脂も多くなるため、ニオイを感じやすいといえるでしょう。また、短毛な犬種は汚れがたまりにくく、お手入れもしやすいためニオイを抑えることができます。もちろん個体差もありますが、下記の犬種は比較的ニオイが少ないといわれています。
☆シングルコートの犬種
犬の被毛には「シングルコート」と「ダブルコート」があります。シングルコートはアンダーコートがないか少ない犬種のことをいい、被毛の通気性がよいので比較的ニオイが少ない傾向にあります。
▶例えば、トイ・プードルやマルチーズ、イタリアン・グレーハウンドなど
☆顔にしわやたるみが少ない犬種
顔のしわやたるみの間は汚れがたまりやすいため、この汚れに細菌が繁殖するとニオイの原因になることがあります。そのため、中頭種や長頭種と呼ばれるようなマズルの長い犬種の方が、顔まわりのニオイが少ない場合が多いでしょう。
▶例えば、パピヨンやミニチュア・ピンシャー、サモエドなど
そうはいっても、自宅でのシャンプーやこまめなトイレ掃除は負担が大きいという方も多いですよね。そこで、ニオイの悩みを一気に解決する最新設備をご紹介します。
2. 犬のニオイ対策
異常を感じるほどニオイがする場合は、病気が疑われますのですぐにかかりつけの動物病院で獣医師に相談してください。
そうならないためには、日頃からできるこまめなお手入れが大切です。特にシャンプーやブラッシングは、犬という毛の多い生き物にとって欠かせないお手入れです。皮膚や被毛を健康的に保つのはもちろん、飼い主さんが日々お手入れをすることで異常に早く気がつき、病気を早期発見できることもあります。そこで自宅でもできる、犬のシャンプーの上手なやり方をご紹介します。
3. 自宅でできる犬のシャンプーの上手なやり方
犬のシャンプーの頻度は、愛犬の皮膚の状況に合わせる必要がありますが、だいたい3〜4週間に1回行うのがよいとされています。シャンプーをすることで、地肌の表面に残った老廃物や皮脂を取り除き、皮膚を清潔に保つことでスキンケアにつながります。
Step1:事前のブラッシングとシャンプー液で下洗い
ブラッシングで表面の汚れを落としたら、ぬるま湯に溶かしたシャンプー液でやさしく下洗いをします。それから表面の汚れを落とすイメージで、シャワーでさっと洗い流しましょう。
Step2:たっぷりの泡で本洗い
しっかり泡立てた泡で、全身を洗います。胴体→しっぽ→足→首→頭→顔の順に進めます。指の腹でなでるように、やさしく洗うのがポイントです。
Step3:しっかりすすぐ
シャワーヘッドを頭に密着させ、顔まわり→背中→お尻の順に全身をすすぎます。すすぎ残しのないようにするのが大切です。最後はリンス液を全身にかけ、もう一度すすぎ仕上げます。
Step4:タオルとドライヤーでしっかり乾燥
体の上から下へ向かって、タオルで全身を押さえながら水分をしっかりと拭き取ります。ドライヤーは必ず体から離してやさしくあてるようにしましょう。
4. 住まいの工夫でニオイを解決する方法
「ペットと暮らす家」は、犬も人も快適な住まいを目指しています。
◎散歩帰りに、玄関ポーチ脇でさっと汚れを落とせる「足洗い場」があれば、泥んこになって遊んで帰ってきてもすぐきれいに。お湯が使えるように設置すれば、寒い冬も快適です。
◎「消臭効果があるクロス」や、愛犬がいるスペースの床を「タイルや化粧シートタイプのフロア材」にすれば汚れのお手入れがしやすくなり、ニオイの原因を断つこともできます。
◎クリーンエアデザイン[全館空調・抗ウイルス]は、空気を循環させるのはもちろん、気になる花粉やハウスダスト、PM2.5のような微粒子までしっかりと除去する「HEPAフィルター」を採用。窓を開けなくても清潔な空気環境を保つことができます。
5. 愛犬のニオイを解決するといいこと
いかがでしたか?犬のニオイの原因や、その対策法についてご紹介しました。ニオイは愛犬の健康を管理するための重要なサインです。日々のお手入れを無理なく続けることで、愛犬の健康管理に役立てましょう。
監修/白山聡子先生(獣医師)
名もなきペット家事~いぬ編~
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