運河に沿ってカラフルな建物が軒を連ねるニューハウン。1673年に完成した港で、北欧を代表する観光スポットとして人気の場所。建築物保護法による保存地区に指定されており、すべての建物は歴史的外観を保持している。
写真提供:www.caecacph.com Jacob Schjørring & Simon Lau
高い環境意識に加え助け合いの心も
幼少期からの環境教育にも力を入れています。例えば、デンマーク発祥の「森の幼稚園」では、子どもたちを森の中へ連れていき、自然との関わりを学ぶ教育が行われています。
また、国内で販売されるプラスチック製ボトルやガラス瓶、缶はデポジット制を採用し、空き容器を販売店や自動回収機などに戻すと返金されるシステム。2014年の全国での回収率は89%(※4)と、 高い回収率です。
子ども服のリサイクルや中古品の売買も盛ん。
写真提供:Ty Stange
食品廃棄物の削減にも熱心で、コペンハーゲンでは、ヨーロッパ初、食品業界で売れなかった食材を使って料理を提供するNPOレストラン“Rub & Stub”が人気を呼んでいます。
このような高い環境意識に加え、昔ながらの人付き合いも大切にされています。日本と同様に一人暮らしの高齢者も多くいますが、近隣の住人が買い物や料理を助け合い、気軽に声を掛け合える関係が同世代だけでなく、多世代で形成されています。
サステナブルな暮らしには、環境への取り組みに加え、私たち一人ひとりの行動や意識の高さも求められているのです。
「森の幼稚園」の様子。子どもたちは、自然のなかでのびのびと学ぶ。
写真提供:ニールセン北村朋子
デンマーク語で家庭菜園は「食事づくりのための庭」という意味。
写真提供:ニールセン北村朋子
蚤の市も、良いものとの新たな出合いを求める人々で賑わう。
写真提供:Ty Stange
※4 出典:Dansk Retursystems A/S Årsrapport 2014
2015年9月発行 冊子「SUSTAINABLE JOURNEY」vol.3(ecomom秋号同封)より転載
ライター:ニールセン北村朋子