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Special Interview スペシャルインタビュー サステナブルな人 一般社団法人エシカル協会 代表理事 末吉里花さん

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サステナブルな人 スペシャルインタビュー

エシカル消費はサステナブルな社会への「はじめの一歩」
~エシカル協会 代表理事 末吉里花さん~

関連:エシカルとは?エシカル消費の押さえておきたい4つのポイント!

2018.03.26

末吉里花(すえよし・りか)

一般社団法人エシカル協会代表理事。TBS系『世界ふしぎ発見!』のミステリーハンターとして世界各地を旅した経験を持つ。フェアトレードやエシカルを中心に活動を展開し、日本全国の企業や自治体、教育機関などで講演、各地のイベントでトークショーを行う。著書に『祈る子どもたち』(太田出版)。新刊『はじめてのエシカル』(山川出版社)。消費者庁「倫理的消費」調査研究会委員(2015.5〜2017.3)、東京都消費生活対策審議会委員、一般社団法人日本エシカル推進協議会理事、一般社団法人日本サステナブル・ラベル協会理事。

私が「エシカル消費の未来は明るい」と思う理由

―― 今後についてお聞きします。エシカル消費の未来は明るいとお考えでしょうか。

はい。私は楽観的に考えています。

物を作っている企業がこのままの勢いで作っていけば、近い将来、資源が枯渇して作れなくなるのは目に見えていますよね。グローバルな企業ほど、エシカルなものづくりにシフトしていかないと今後は厳しい。そう考えると、私たち消費者が意識しなくても、エシカルなものが手にできる世の中になっていくのではないかと考えています。

例えば、ヨーロッパでは現在非常に多くのスーパーでそうした状況になっています。「何の気なしに手に取った商品が、よく見たら『エシカル認証』を受けているものだった」というケースは非常に多いのです。日本も少しずつそうなっていくことを期待しています。

それから、エシカルは学校教育にも取り入れられています。今、一部の中学と高校の教科書には「フェアトレード」というトピックが載っていて、一部の高校の家庭科の教科書にも「エシカルファッション」という項目のコラムが載っているくらいです。

さらに歴史上、初めて中学校の学習指導要領の前文に、学校には「持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが求められる」と記載されました。今後改訂される教科書の中には、「エシカル消費」という単語が出てくるのでは、と私は思っています。

―― つまり、今後は学校教育を通じて「エシカル」について学ぶ若い世代が社会に出て、活躍するようになる。そう考えたら、決して悲観的ではないですね。

実際に今、エシカルなブランドやサービスを立ち上げている人たちの多くが若い人なんですよ。エシカル消費を実践するだけでなく、「働き方もエシカルな方がいいよね」と考える人が今後はさらに増えると期待しています。

それにそもそも、私は日本が世界でいちばんエシカルという考え方を伝えるのにふさわしいと思っています。「お互いさま」「思いやり」「もったいない」「足るを知る」「お天道様が見ている」――どれも古くから、日本で大切にされてきた考え方ですよね。

私は最近、近江商人の「三方よし」に勝手に2つ足して「五方よし」って伝えています。「作り手よし、売り手よし、買い手よし、世間よし、未来よし」。エシカルとは、そういう考え方だと言い換えてもよいのではないでしょうか。元は外来語ですが、日本文化がもともと持っていた精神性を捉え直した言葉でもあると私は考えています。

エシカル消費から始めよう…サステナブルな社会の実現のために

―― 最後に、サステナブルな社会をつくるためにエシカル消費が果たす役割について、お聞かせください。

サステナブルな社会をつくっていくうえで、エシカル消費は最も実践しやすい行動の1つです。毎日の消費行動の中から人や環境、社会に配慮した、「思いやり」を持ったお金の使い方をすれば、誰でもサステナブルな社会の実現に貢献できるのですから。

今、この瞬間にも、世界中のあらゆるところで消費は起きています。その1つをエシカルなものに変えてみる、お店の人と話してみる――それだけでも大きな一歩を踏み出したことになります。自分がいつも行くスーパーで、「フェアトレードのものは買えないんですか」「地産地消の野菜は置かないんですか」と聞くだけで、サステナブルな社会をつくる動きに参画していることになるのです。

私たちはこうした働きかけを「ポジティブなノイズ」と言っています。このポジティブなノイズを一人ひとりが出すのが大切です。「恥ずかしい」「言っても仕方ない」と思うかもしれませんが、口に出すことで世の中は変わります。皆さんにも積極的に、ポジティブなノイズを出してほしいと思います。

なぜならこうした行動の積み重ねが、サステナブルな社会をつくっていくのですから。

サステナブルな社会をつくるうえで、エシカル消費は最も身近な行動の1つだと末吉さんは語る。

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