大和ハウス工業株式会社

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「プレミスト平和台」(東京都練馬区)再生可能エネルギーで「暮らす」分譲マンション

地域の方と行う生物多様性保全活動

当社では、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、ZEH-M(ゼッチ・マンション)の取り組みを積極的に進めています。分譲マンションにおいては、2018年よりZEH-Mの取り組みを開始。2021年1月に竣工した「プレミスト平和台」(東京都・60戸※分譲済)は、大容量の太陽光発電システム(82.65kW)を導入し、再生可能エネルギー電力(以下、再エネ電力)をマンション各戸へ供給する仕組みを実現することで、当社の分譲マンションでは初めて国から低中層ZEH-M促進事業 後年度事業に採択されました。

※マンション全体の電力消費量の一部を、太陽光発電システムで発電した電力で賄っています

そもそもZEH-Mとは?

ZEH-Mとは、高断熱や省エネ設備の導入による省エネ性能の向上と、太陽光発電などによるエネルギーの創出により、快適な室内環境を実現しながら年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指したマンションです。部屋間の温度差が小さくなることで、快適かつ健康に過ごせるなどのメリットが挙げられます。

ZEH-Mは、一次エネルギー消費削減率に応じて4つの区分が定められています。また、ZEH-M Ready以上は太陽光発電パネルなど再生可能エネルギー発電システムの搭載が必須となっています。

当社初の「ZEH-M Ready」分譲マンション

分譲マンションは一般的に、屋根面積が限られており、かつ区分所有であることなどから、ZEH-Mの実現に原則必要な「太陽光発電パネルの搭載」が難しいケースが多く、再生可能エネルギーを必要としないZEH-M Orientedが主流となっています。

「プレミスト平和台」では、外皮性能の強化や省エネ設備機器導入に加え、太陽光発電パネルの搭載により、一次エネルギー消費削減率61%を達成し、分譲マンション事業における当社初のZEH-M Readyに認定、また建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)において、最高位となる☆5を獲得しました。

なお、今後当社のマンション事業では、「プレミスト」ブランドの分譲マンションは、2024 年度以降に着工するすべての新築分譲マンションをZEH-M仕様(ZEH-M Oriented以上)とする方針を掲げています。

■プレミスト平和台(概要)

場所:東京都練馬区
階数:地上4階建
総戸数:60戸
構造:鉄筋コンクリート造
竣工:2021年2月

【特徴1】高断熱仕様の設計により、省エネと快適性を実現

断熱性を向上させることは、エネルギー消費量の削減だけでなく、「冬温かく、夏涼しい」快適な室内環境を保つとともに、冬場のヒートショック対策にもなるなど、安心・安全な暮らしにもつながります。
「プレミスト平和台」では、住宅と屋外との境界(外皮)となる外壁・床・屋根において高性能な断熱材を使用したほか、全住戸の窓に二重サッシを取り入れるなど、年間を通じて外気温の影響を受けにくい設計としました。その結果、UA値※は、全住戸平均値で0.45となり、当該地域の基準値である0.60を大きく上回っています。
省エネ設備については、潜熱回収型ガス給湯器(エコジョーズ)、高効率エアコン、LED照明(共用部含む)等を採用し、住棟全体で約35%の一次エネルギー消費量を削減しました。

※UA値:外皮平均熱貫流率。断熱性を表す指標の1つで、家全体の熱の出入りのしやすさを表す。数値が小さいほど熱の出入りが少なく、断熱性能が高くなる。

二重サッシ
全住戸の窓に採用。外気温の伝播を低減することに加え、防音にも一定の効果あり。

高効率エアコン
リビング・ダイニングに標準搭載。

LEDダウンライト

【特徴2】再エネ電力を各住戸で自家消費できる仕組みを構築

プレミスト平和台では、屋上に大容量の太陽光発電パネル(82.65kW)を搭載しました。また、再エネ電力と当社のスマートマンションサービス「D's エネルギープラン」を組み合わせ、発電した電力を各住戸へ供給し、自家消費を実現するスキームを構築しました。

高圧一括受電サービスの採用

太陽光発電システムで発電した電力を各家庭で使っていただくためには、各住戸にパワーコンディショナー(電流の変換装置)を設置する必要があり、コスト面での課題があったことから、太陽光発電システムを導入するマンションの多くは、エントランスや廊下の照明、エレベーターなど、共用部の電源として利用するにとどまっていました。そこで今回は、発電した再エネを一括して変換し、各住戸へ供給する一括受電の方式を採用することで、導入コストを抑えながら専有部への再エネ電気の供給を可能にしました。

D's エネルギープランとの組み合わせ

さらに、太陽光発電システムと当社のスマートマンションサービス「D's エネルギープラン※」を組み合わせ、高圧一括受電サービスと電力使用量の見える化、インターネット環境の整備を一体で提供するスキームを採用しました。余剰電力の売電によって得られた収益を、インターネットサービスの使用料やエネルギーマネジメントシステムの維持費へ充当することで、入居者さまにとっても、分かりやすく経済メリットを享受いただくことができるようになりました。

※東京電力グループの株式会社ファミリーネット・ジャパンとの共同開発

これらの取り組みによって、電力会社からの電力購入量を約70%に抑制(年間約19,000kgのCO₂排出量削減に貢献)、入居者さまの家計負担を年間約27,000円以上軽減しています。(※株式会社ファミリーネット・ジャパン調べ)

入居者さまの声

全窓が二重サッシになっているおかげで、エアコンを付けていなくても、外気温との差を感じにくく、結露も気になりません 。また、気密性が高いため、冬の朝にエアコンを入れてから部屋が暖まるまでの時間が短くなり、快適さを実感しています。(30代 4人ご家族 )

営業担当者の声

マンションギャラリーでも説明パネルを置くなどして、当社初の分譲マンションZEH-M Readyの訴求を図りました。ZEH-Mだけでなく、環境に対する当社の積極的な企業姿勢もご評価いただけたと感じています。また、太陽光発電によって得られた収益をインターネット料金に充当したことにより、分かりやすく経済メリットを享受いただけているのではないかと思います。今後も、住み心地のよさや、資産価値の維持など、ZEH-Mの魅力をさまざまな面から分かりやすく伝えていきます。

東京本店 統括マンション事業部 東京マンション事業部営業第五課 戸村 真智

東京本店
統括マンション事業部
東京マンション事業部営業第五課
戸村 真智

企画担当者の声

当物件は4階建ての中層物件のため、ZEH-M Readyを実現するためには、屋根にできるだけ多くの太陽光パネルを搭載する必要がありました。この点に最も苦心しましたが、アンテナ基盤や配管計画など、細部まで工夫を施すことで、82.65kWの太陽光パネルを設置できました。昨今、光熱費が上がっているなか、太陽光パネルをはじめ、高圧一括受電やエネルギーマネジメントシステム、二重サッシなどの設備が、再評価されているように思います。今後も、長きにわたりお客さまに価値を感じていただける住まいづくりに貢献していきます。

東京本店 統括マンション事業部 商品企画部第二課(当時) 長井 行徳

東京本店
統括マンション事業部
商品企画部第二課(当時)
長井 行徳

事業本部の声

ZEH-Mの取り組みを開始した当初は年間1~2棟実現できるかといった程度でしたが、全国で着実に実績を積み上げてきたことで、ノウハウが蓄積され、近年、一気に取り組みが加速しています。また、社会のSDGsへの注目度の高まりに加え、社会課題解決の一環としてZEH-Mに取り組むという社内の本気度も実感しています。今後は、グループ会社とも協業を進めながら、当物件で採用した太陽光発電と高圧一括受電を組み合わせたサービスの水平展開のほか、非化石証書を組み合わせた実質再生可能エネルギー100%のマンションにも挑戦したいと考えています。

東京本社 マンション事業本部商品企画統括部 瀬口 和彦

東京本社
マンション事業本部
商品企画統括部
瀬口 和彦

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