「ロイジェントパークス レイクタウン」(埼玉県越谷市)緑を楽しむ賃貸住宅
緑豊かで、街並みの美しい賃貸住宅を実現するため、「一団地認定制度」や「再生可能エネルギー」を活用した「ロイジェントパークス レイクタウン」をご紹介します。
概要
一般的に、賃貸住宅事業は収益物件としての側面が強く、管理費の削減などの観点から、植栽を豊富に取り入れることが難しい場合が多くあります。そこで、複数の建物を一団の土地とみなす「一団地認定制度」を活用することで、自由度の高い建物配置と緑地を確保しました。また、「再生可能エネルギーによる売電収入」を植栽の維持費に充当することで、継続的に豊かな緑と美しい街並みを保つことができる、賃貸住宅事業の仕組みも新たに構築しました。
1. 自然の気配を感じるランドスケープデザイン(景観)
当賃貸住宅では、『花・緑・風・光-自然の気配を映し出す庭』をコンセプトに、一年中敷地内のどこかで花が咲き、緑が香り、風や光がその間を抜け、色々な場所で自然を感じられる仕掛けを施しました。また、大学と共同研究した温熱環境シミュレーションの結果をもとに、季節風の影響を考慮して建物を配置するとともに、植物は周辺調査を行い、シラカシやソヨゴ、アオハダなどの地域自生種を中心に選定しています。
①小型犬用のドッグラン
②シンボルツリー(ケヤキ)
③敷地内道路
④無電柱の街並み
⑤中庭への小路
⑥タウンゲート
⑦エントランスに設置されたプランターとペット用足洗い場
(写真はP棟)
⑧街に設置された防犯カメラ
⑨集会所
2. 緑豊かな賃貸住宅を可能とした「一団地認定制度」
緑豊かな賃貸住宅を可能にした要因の一つが、「一団地認定制度」です。
一団地認定とは、建築基準法上、原則として一敷地一建築物であるのに対し、複数の建築物を同一の敷地内にあるものとみなすことが例外として認められた制度です。
ここでは、この一団地認定制度を活用することで、敷地を分断するような道路を設けることなく、美しい街並みを実現しています。
一般的な大規模賃貸住宅(イメージ)
建物ごとに接道をとりながら分筆し、それぞれに建物と駐車場を設ける※。接道を取るために設けた通路の分、緑化できる面積が小さくなります。
※越谷市では、各建物敷地内に駐車場を設置する義務があります。
一団地認定制度の場合
一団の土地とみなされるため、駐車場をまとめて設けることができます。また、日影規制も緩和されるため、建物配置の自由度が上がり、美しい街並みをつくることができます。さらに、敷地内の車と歩行者の道を分けることが可能となり、歩行者中心の動線とすることで安全性と美観に配慮。無電柱化も実現しています。
3. 豊かな緑を維持する仕組み
植物には日々の適切な手入れが不可欠ですが、賃貸住宅では緑によって癒しや安らぎなどのメリットを受ける人(居住者)と植栽を維持する人(所有者)が異なるため、お手入れの手間や費用負担が妨げとなり、緑が少なくなる傾向があります。
そこで、当賃貸住宅では、豊かな緑を維持するために2つの工夫をしています。
常駐の管理員による丁寧な植栽管理
手入れの様子
常駐の管理員が清掃や管理等の一般的な業務の他に、敷地全体の草取りや散水を行っています。年に数回行う剪定は、造園設計の担当者による景観を配慮した剪定方法のアドバイスを受け、専門業者が作業をしています。
再生可能エネルギーの売電収入による管理費の補填
屋根に設置された太陽光発電システム
建物の屋上には、合計約223?の太陽光発電システムが設置されており、植栽の管理にかかる費用を太陽光発電の売電収入でまかなっています。
4. その他の導入している設備
宅配ボックス
集会所の一角に宅配ボックスを設置。不在時はここに荷物を配達してもらい、受け取る事ができます。
EV充電器
電気自動車の普及に合わせてEV充電スタンドを3機設置しています。
ご入居者の声
ここでの暮らしはとても気に入っています。
ドッグランや歩道ですれ違いに挨拶を交わし、住民同士が顔見知りになりやすい雰囲気があります。そのため、外から帰って来た時も、敷地の中に入ると家についたという安心感があります。
渡辺 様
ご入居者の声
植物の成長や変化を見て、季節や喜びを感じられることも、ここに住む魅力で、さらに植栽がとてもきれいに手入れされているので、自然と大切にしないといけないなという気持ちになります。
伊原 様
管理員の声
緑地が多いので、敷地内の植物に水をやるだけでも、かなりの時間がかかります。雑草を抜くのも、最初はどれが抜いていい雑草なのか分からず、業者の方に聞いたり、インターネットで勉強をしました。雑草は夏だと3~4日でどんどん伸びてくるので、とても手間がかかりますが、ご入居者の方がスマホで植物の写真を撮ってくれている姿を見かけたり、芝生のドッグランを利用されているのを見ると、とても嬉しくなります。
二口 克司 様
担当者の声
今回のように一団地認定制度と再生可能エネルギーを活用することで、歩車分離やフレキシブルな建物配置、継続的な緑豊かなランドスケープなど、多くの魅力を賃貸住宅に付加させることに成功しました。この成功事例を全国に広げ、今後ますます、住み心地の良い賃貸住宅を提供していきたいと思います。
大和ハウス工業(株)埼玉東支社
集合住宅事業部 設計課 課長
間宮 翼