大和ハウス工業株式会社

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環境配慮型商品/事例

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佐田岬風力発電事業(愛媛県 伊方町佐田岬)DREAM Wind 佐田岬

佐田岬風力発電事業(愛媛県 伊方町佐田岬)

佐田岬風力発電所は、愛媛県の最西端にある細長い佐田岬半島に位置しています。北に瀬戸内海、南に宇和海を眼下に、巨大な風車群が自然の風を受け、クリーンなエネルギーを創り出しています。

1. 風車のまち佐田岬へ

佐田岬は、年間平均風速8.3m/sと日本でも有数の風の強い地域です。地元で「まじ」と呼ばれるこの強風は農業をするには大きな壁となっていました。そこで、瀬戸町(現在は伊方町と合併)ではその強い風の活用を目的に平成12年「瀬戸町新エネルギービジョン」を策定し、風力発電を中心としたまちづくりを進めています。
当社では、瀬戸内海と宇和海を見下ろせる風光明媚な別荘地(23.9ha)を佐田岬で開発、その一部を風力発電所とすることで、町が目指す「風車のまち」の一翼を担いながら、事業性にも優れた計画として、建設に着手しました。

2. 環境負荷をかけない施工計画

施工中は、できる限り周辺環境に配慮することをテーマとしました。1つ目の配慮は、風力発電を設置する場所だけでなく、大きな羽やタワーを運ぶ輸送経路上の樹木の伐採を最小限に抑える計画としたことです。2つ目は、風車で創られた電気をふもとまで送る電線を全て地中に埋めたことです。こうすることで、従来の鉄塔を建てて送電線を上空に渡す工法と比べ、樹木の伐採を大幅に削減できるだけでなく、台風などにより倒木が送電線を切断するリスクも回避することができます。また、空に電線のない 「風車のまち」として、景観の美しさにも一役買っています。

風車の大きさ

風車の大きさ

3. 年間約6,500世帯分(※1)の電力を発電

同じ再生可能エネルギーでも風力発電は、太陽光発電と違い、夜でも風が吹いていれば発電が可能です。
通常、風力発電の設備利用率(※2)は20~30%と言われていますが、風の強い佐田岬では38.6%と高い利用率になっています。佐田岬の風力発電所は平成18年から稼働しており、1MWの風力発電機9基の合計で、年間に約6,500世帯分(※1)の電力を発電しています。

※1 稼働時からの平均発電量より算出

※2 設備利用率:定格出力で操業し続けた発電量に対して実際に発電した量の割合

4. 先を見据えた点検と管理

佐田岬風力発電所では、定期的に風力発電機の点検を実施しています。点検をする作業者は、タワーの内側に設置された60mのはしごを5分でのぼり、揺れるナセルの中で作業をします。
不具合が発生した際は、すぐに対応ができるよう、部品は常にストックしています。これは、部品の納品に4カ月から1年と時間がかかるためで、ストックが欠品しないように先を見越して点検し、必要であれば部品を早目に発注することが欠かせません。

タワー内部

タワー内部

ナセル内部

ナセル内部

発電メーター

発電メーター

タワー内側の下部には、変電設備などの機器が収められており、風力発電機の一基一基が発電所になっています。
また、風力発電機には、風速計や風向計がついており、風速25m/s以上になると自動的に羽の向きを変えて、風を逃がし風車が回転しないようにしたり、風向きに合わせて風車の向き自体も自動で回転させ、設備利用率を高めています。

風向きに合わせて、風車の向き自体も風を正面から受けるように自動で回転

風向きに合わせて、風車の向き自体も
風を正面から受けるように自動で回転

風車の構造

また風力発電機では、雨風よりも雷に注意が必要です。山の上に設置された高さが100m近い風車には雷が落ちやすいため、レセプターと呼ばれる雷を地面へ受け流す装置がブレードの先に付けられており、この点検も入念に行われます。

5. 地元とのかかわり(風車祭り)

風車祭りは、たくさんの人で賑わう年に一度のお祭りで、楽しく風力発電について知ることができます。このお祭りでは、当社グループの大和エネルギーを含む、佐田岬で風力発電事業を行う企業や地元の高校生が出展し、地元の方々に風力発電についてお伝えしたり、地元の特産品販売や縁日などで盛り上がります。

6. 電力のネット・ゼロ(電力消費量≦再生可能エネルギーによる発電量)

当社グループでは、「風と太陽と水」の有効活用をテーマに、2020年までに、当社が使用する電力量のおよそ2倍となる発電量(約260GWh)とすることを目指して、再生可能エネルギーによる発電事業を進めています。風力発電事業「DREAM(※) Wind」もその一環で、当社グループが建設から運営管理までをワンストップで手掛けています。

※DREAMとは、「Daiwa House Group(大和ハウスグループ)」、「Renewable(再生可能)」、「Energy(エネルギー)」、「Asset(資産)」、「Management(管理)」の頭文字をつなげた言葉です。

スキーム図

担当者の声

大和エネルギーでは、大和ハウスグループの環境行動計画『エンドレス グリーン プログラム』に則った事業計画を進め、再生可能エネルギーによる発電事業(風力発電・太陽光発電)に積極的に取り組んでいます。その発電量は、大和エネルギーおよび大和ハウス工業の年間購入電力量の合計を上回り『ネット・ゼロ・エネルギー・カンパニー』を実現しています。
風力発電設備は、目視はもちろん、音や振動・においなど五感をフルに使って、少しの違和感も見逃さない慎重な点検と、高度な運転管理技術が求められます。そのため、高い技術力と、あらゆる状況に的確に対応できる人財の育成にも尽力しています。
今後も「風と太陽と水」をはじめ、さまざまな再生可能エネルギーの活用を推進し、サステナブルな社会の構築に貢献してまいります。

大和エネルギー 執行役員 電力事業部 事業部長 島川 知也

大和エネルギー
執行役員
電力事業部 事業部長
島川 知也

担当者の声

以前は太陽光発電事業を担当しており、風力発電は初めての経験でした。太陽光発電は電子部品のかたまりというイメージですが、風力発電は車と似ていると感じています。そのため、電気のことだけでなくメカニックについても知識が必要です。
また、風力発電のメンテナンスには神経を使ううえ、手間もかかりますが、機嫌よく回ってくれていると嬉しく思います。

大和エネルギー 愛媛風力事業所副所長 丸尾 長(左)/大和エネルギー 佐田岬風力発電所 作業所長 木村 榮(右)

大和エネルギー
愛媛風力事業所副所長
丸尾 長(左)

大和エネルギー
佐田岬風力発電所
作業所長
木村 榮(右)

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