「スマ・エコタウン 陽だまりの丘」(三重県桑名市)日本で初めて、街の太陽光発電所の売電収益を
戸建住宅のメンテナンス等に活用する
大規模スマートタウン
当社は公募型プロポーザル方式により、桑名市「陽だまりの丘 先進的都市型スマート住宅供給事業」の事業者に選定され、「SMA×ECO PROJECT(スマ・エコ プロジェクト)」の第5弾となる「SMA×ECO TOWN(スマ・エコ タウン)陽だまりの丘」の街びらきを行いました。この街は、街全体でネット・ゼロ・エネルギー・タウン※1の実現を目指し、街の太陽光発電所の売電収益をタウンマネジメントや戸建住宅のメンテナンスなどに活用する日本初の取り組みを行います。
また、「超小型モビリティを入居者にご利用いただき将来性を検証する」「モデルハウス(2棟)を周辺地域や学校教育の環境学習の場として公開する」といった新たな試みも展開。単に地球環境に優しい街をつくるだけではなく、そのメリットを生活支援サービス等としてお住いの方へ提供します。
さらに、この街では「環境共生住宅認定」を取得(一部)。自然と調和した街づくりも行っています。
※1 住宅の躯体・設備の省エネ性能の向上、再生可能エネルギーの活用等により、年間の一次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロまたは概ねゼロとなる街のこと。
開発規模:16,648.44㎡、戸建住宅用地:66区画(平均181.72㎡、54.97坪)。住民の共有施設として、南側の法面に街の太陽光発電設備、超小型モビリティ車庫としてスマ・エコステーションを設置しました。
(街の完成イメージ、2014年2月現在)
2015年7月に実施した「まちびらき記念式典」の様子。 (右から三重県雇用経済部 部長 廣田恵子様、桑名市長 伊藤徳宇様、当社 大友常務執行役員、桑名市複合施設ぽかぽか 館長 伊藤俊宏様)
日本初 街の太陽光発電所(約100kW)の売電収益を戸建住宅のメンテナンス等に活用
街の共用施設として約100kWの太陽光発電システムを設置。入居者の皆さまによる管理組合が、当社グループの大和エネルギーに同システムを賃貸し、その賃料により管理組合費を徴収することなく住民の生活支援サービス等の充実を図るという、日本初の取り組みを実施します。
具体的にこの生活支援サービス等は、街全体のタウンマネジメントと各戸に対して行うサービスの2つがあります。タウンマネジメントとしてはエネルギーの見える化や超小型モビリティの管理運営、LED防犯灯、防犯カメラ等、各戸へのサービスとしては住宅を長持ちさせ、設備を効率運用させるための住まいのメンテナンスサービスと住宅修繕積立を行います。
街の南側法面に、計約100kWの太陽光発電設備を設置(スマ・エコステーションの屋根等に設置した約10kW分を含む)。まちのネット・ゼロ・エネルギー・タウンの実現や入居者の生活支援サービスの充実に寄与するだけでなく、災害による停電時には桑名市との協定に基づき周辺地域に電力を開放します。
街を将来にわたり、維持向上していくための仕組みづくり
街の太陽光発電所の売電収益は、設備の賃料となって管理組合に還元されます。管理組合が、この賃料をポイント※2として一定期間各住宅に分配し、住民がこのポイントを使ってハウスクリーニングなどのサービスを受けることのできる日本初※3のシステムを採用しています。
※2 ポイントは一定期間後、各戸の住宅修繕として現金で積み立てられます。
※3 「日本初」は、平成26年2月27日時点の当社調べによるものです。
防犯カメラ
街の要所に防犯カメラも設置。「街かど発電所」の収益で運用し、常に街を見守ることで、防犯性の向上を図ります。
各戸へのサービス例(ハウスクリーニング)
キッチンやエアコンなどのハウスクリーニングや、クリーニンググッズなどのレンタルサービスが利用できます。
三重県初 各住戸の省・創・蓄エネと、街の創エネによって
ネット・ゼロ・エネルギータウンを実現
「SMA×ECO TOWN 陽だまりの丘」に建つ66区画すべての戸建住宅に、創エネ・省エネ・蓄エネのための先進設備を導入。さらに、街の太陽光発電所による創エネをプラスすることによって、三重県初となるネット・ゼロ・エネルギー・タウンの実現を目指します。試算では、各戸と共用部を合わせた一次エネルギー創出量が、各戸の一次エネルギー消費量の合計を上回り、ネット・ゼロ・エネルギー・タウン達成度(予測)は、約104.8%。高水準かつ大規模なスマートタウンが誕生する予定です。
全戸がパッシブデザインによるスマートハウス
超小型電動モビリティレンタルシステムによる省CO2対策
全戸に、自然を活かすパッシブデザイン※5を採用。できるだけエアコンなどの空調や照明の使用を抑えます。また、高木による緑陰や芝生、保水性のある舗装によりヒートアイランド現象を抑制。加えて、各戸に雨水タンクを設置し、庭木の散水に利用することで水道代を抑えるなど、太陽・風・水といった自然を最大限活かす工夫により、低炭素タウンを目指します。
※5 自然を最大限利用した建築デザインのこと。
スマートハウスを体感できるモデルハウス(写真の2棟)は、周辺地域や学校教育の環境教育の場として1年間公開します。
全66戸に太陽光発電システムを搭載。わが家のエネルギーとして活用でき、環境面・経済面の両面で暮らしをレベルアップします。
快適性と節電・省エネの一層の両立に向け、高効率給湯システム「エコキュート」、または、お湯とともに電気をつくる「エネファーム」を設置します。
夜間に電力を蓄え昼間に使うことで、ピーク時の発電量の軽減に貢献します。災害による停電など万一の際にも、蓄えた電気を役立てられます。
目前まできていている次世代エコカーの普及に備え、EV(電気自動車)、PHV(プラグインハイブリッド車)のための充電設備を搭載しました。
オリジナルHEMS「D-HEMS3」
- ●街かど太陽光発電所の発電状況
●街の省エネランキング
●共用部のエネルギー使用量
●街全体のガス使用量
住まいのエネルギー使用状況をリアルタイムで把握し、わかりやすく「見える化」するHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)として、当社オリジナルの「D-HEMS3」を搭載。さらにそのデータをテレビでも見られるようにしました。また、街全体のエネルギーの「見える化」も充実。大画面での「見える化」により、家族の、そして街の、省エネ意識の高まりが期待されます。
超小型電動モビリティレンタルシステム
街の南東に超小型電動モビリティの車庫となる共用のスマ・エコステーションを配置。太陽光発電システムと蓄電池を設置して、モビリティの充電や庫内外の照明用の電力をまかないます。モビリティは、一定期間入居者に無料レンタルし、住宅地での移動手段としての将来性を検証します。
カーデザインコンテスト
超小型電動モビリティの導入にあたっては、三重県在住の小学6年生以下のこどもたちを対象に、“ひだまりで走るエコカー”をテーマに「カーデザインコンテスト」を行いました。79作品のご応募をいただき、最優秀賞に選ばれた作品「元気いっぱい青空号」のデザインが車体に彩りを与えています。
超小型電動モビリティとスマ・エコステーション
また、美しい街並みを維持・継承していくために「街づくりガイドライン」を制定。良好な景観づくりに取り組んでいます。
隣家との間隔を2m以上確保したゆとりの配棟計画により、明るくゆとりある街並みを形成。各住宅に1本ずつシンボルツリーを植えて、花や紅葉に彩られる四季の楽しみも大切にしています。
桑名市長の声
桑名市と大和ハウス工業の想いが一致して始まった
“日本初”の取り組みを、全国へ発信していきたいと思います。
“日本初”の取り組みを実現する『スマ・エコタウン陽だまりの丘』は、「エネルギーを大切にするとともに、自給意欲が高い、安全・安心なまち」、「環境にやさしく、循環型社会に貢献できるまち」を目指す桑名市と、環境負荷ゼロを目指し、持続可能な住まいと暮らしを考える大和ハウス工業の想いが一致して始まった事業です。まちの大規模太陽光発電所を活用して、住民の生活サービスの充実を図る仕組みを日本で初めて構築し、多くの方々が、“環境”と“新たな暮らし”を考えていただけるまちとして、一歩進んだ生活スタイルを全国へ発信していきたいと思います。
桑名市長
伊藤 徳宇様
お客さまの声
地球に優しく、しかも快適で低コスト、安全安心なエコタウンのしくみに、期待が募ります。
夫の転勤で持ち家を売り、近隣の賃貸住宅に住んでいましたが、再度家を建てようと探していて、丘の中央部という立地のよさと、ネット・ゼロの考え方、安全安心な街の魅力にひかれました。光熱費正味ゼロの快適な暮らしを思うと、やや高めの価格も、むしろ抑えてあるのだと納得できます。これまでの持ち家は深夜電力でレンガに蓄熱する暖房システムだったため微調節が難しかったのですが、今度はエネファームと床暖房。冬も笑顔で過ごせそうです。
藤倉 純子様
雅(みやび)さん
麗(うらら)さん
お客さまの声
大和ハウスさんだから後々も安心。思ってもみなかったスマートでエコな暮らしがとても楽しみです。
単純に眺望の良さを望んでいたのでスマ・エコの説明を受けて驚きました。街の太陽光発電を街や各戸のメンテナンスに役立てる、住民は管理費を払わず美しく快適な街と住まいを維持できるというアイデアは、本当に画期的ですばらしい。大和ハウスさんは、陽だまりの丘全体でも最も建設実績が多く、アフターサービスの面でも安心感がありました。入居後は電動モビリティにもぜひ乗ってみたいと思います。
山下 純一様
めぐみ様
結世(ゆうせい)さん
支店長の声
スマートハウスの普及に前向きな桑名市で、絶対に手がけたかった事業として、全力を尽くしました。
桑名市は、大和ハウスグループとして力を注ぎ知名度を高めてきた地域です。そのため、No.1の建設実績がある陽だまりの丘での事業は、絶対に手がけたいという思いがありました。この思いを社内外に伝え本社・支社・関係者が一丸となって、日本初の太陽光発電所の収益を住民サービスに活用する仕組みなどを実現することができました。引き続きさまざまな施策で街の価値を一層高め、スマ・エコ タウンの広がりにも貢献したいと考えています。
桑名支店 支店長
阿部 進
担当者の声
この街は、関わった多くの人間の熱意と努力の結晶であり、次に向けての大切なステップです。
今回の取り組みは、当社で先例のないことだったため、大変なことも多々ありました。しかし、当社研究所のメンバーなど多くの人間を巻き込み、懸命に道を拓いていきました。多くの方にご協力頂き、人あってのプロジェクトだったと改めて思います。とはいえ、完成すれば、これも次へのステップです。今後も電力融通など新たなテーマに取り組み、常に新しいチャレンジをし続けていきます。
大阪都市開発部 企画部
情報開発グループ 主任
金野(こんの) 拓也