「スマ・エコ シティ相模原 光が丘エコタウン」“エコ”と“コミュニティ”をテーマとした自然と共生する街
神奈川県相模原市にある「スマ・エコ シティ相模原 光が丘エコタウン」。
この街は、環境やコミュニティ形成に配慮し、これからを見据えた暮らしを実現しています。
戸建住宅と商業施設が一体となった環境にやさしい街
市役所等の公共施設が集まり、丹沢山や高尾山を望める自然と都市機能を併せもつ、住商一体型のスマートコミュニティができました。
街づくりの柱となったのは、戸建住宅だけでなく商業施設も整備することで、生活の基盤になる街として、暮らしやすさを重視した点です。この商業施設には、災害時の地域拠点として利用できる「防災ひろば」がつくられ、停電時にも光を照らすことのできる蓄電池付きソーラー照明灯が設置されるなど、この街に住む方々の安心感にもつながっています。
街全体でエネルギーを見える化
この街は、街全体で先進的な環境設備を導入する、低炭素型のエコタウンとしても注目を集めています。全住戸(127戸)には太陽光発電システム(3 kW以上)と家庭用リチウムイオン蓄電池、電気自動車充電用コンセントが設置されています。さらには、エネルギーの利用状況を見える化するHEMS(※1)が導入され、太陽光で発電した電気や蓄電池に蓄えた電気を、効率よく使えるようになっています。
また、街区に流れる風を効率よく家の中に取り込み、快適な室内環境を実現しています。
加えて、各家庭での省エネ貢献度ランキングを実施。ランキング上位の世帯にプレゼントがもらえるなど、街全体で楽しみながら環境負荷の少ない暮らしが実践されているのです。
- ※1 HEMS(ヘムス): ホーム・エネルギー・マネジメント・システム
全住戸に家庭用リチウムイオン蓄電池を設置
吹抜けを設け、室内を明るく、風が通る工夫がされている。
環境配慮の設計は住宅だけにとどまらず、街区から直結した商業施設にも、創エネ・省エネ設備が集約されています。100kWの太陽光発電システムや高効率の空調システムが導入され、年間54トンものCO2の削減を見込んでいます。また、全館LED照明を採用したり、光ダクトを導入して太陽の光を効率的に店内へ取り込むことで、昼間の照明電力の削減につなげています。
担当者の声
「スマ・エコ シティ相模原 光が丘エコタウン」は、太陽光発電システムとリチウムイオン蓄電池という、今の最先端技術を全戸に搭載した未来の街です。しかし、当社の街づくりはただ新しい機械設備を投入するだけではありません。地域の気候風土を読み解き、季節の風をコントロールする街区計画、夏季の風を住戸内に流し込む通風計画、地域に自生する植物を中心に構成した植栽計画など、古来より先達が培ってきた知恵も取り入れた街づくりを行っています。
また、お客様がご入居後も快適に生活できるよう、管理組合でさまざまなイベントを行っています。街は、住まい手に愛されて成熟していきます。20年後、ここで育ったこども達が戻りたくなる街づくりが我々の目標です。
東京本社 住宅事業推進部
東日本住宅設計室1課 担当課長
井野 善久
分譲地に隣接するスーパーマーケット「ヤオコー」
ヤオコーの屋上に設置された太陽光発電システム
左)屋上に設置された光の取り込み口
右)「光ダクト」を通り、2階の天井から光を放出
商業施設の目立つ位置に設置されたモニターで、街全体の創エネルギー状況を確認することができる
この商業施設にはエネルギー管理システムが導入され、太陽光発電による発電量などがわかるモニターを設置。街全体の創エネルギー状況が表示され、この街に住む人はもちろん、買い物に訪れた周辺に住まれている方も一緒になってエネルギーについて考える、そんな“街ぐるみ”の仕掛けを行っています。
また、商業施設と戸建住宅地の間には、災害時の地域拠点として利用できる「防災ひろば」が設置されており、煮炊き用のかまどやトイレとして使えるベンチがあります。
案内板
かまどベンチ
トイレベンチ
担当者の声
今回は戸建住宅と商業施設の一体開発であったため、災害時に地域の防災拠点としても使っていただける「防災ひろば」を歩行者動線の中心部に配置することができました。これにより、徒歩圏内の住民の方々に環境配慮を含めた親しみやすさを持って頂ける施設となり、その結果として、車よりも徒歩や自転車でお越しくださるお客さまが多く、賑わいのある商業施設になっています。
また、商業施設の屋根には100kWのソーラーパネルを設置しています。アニメーション付きの「見える化」モニターや、見学用に設置した外階段の活用により、近隣の小学校の課外授業にも利用していただき、地域社会にも貢献しています。
厚木支社 流通店舗事業部
設計課 課長
篠塚 恵昭
街のコミュニティを活性化 住まい手のつながりを深める
管理組合(※2)が主導で行う、庭木の手入れや省エネのための講習会では、居住者同士の交流も生まれています。また、既存住宅街と隣接する街の東側に、地域の誰もが利用できる自治会館や、商業施設へとつながる歩行者専用の道路を整備することで、地域住民とのコミュニケーションが自然と生まれるような工夫もしています。
- ※2 「 スマ・エコ シティ相模原 光が丘エコタウン」では全住戸所有者で管理組合を結成しています。
街区内に設置された自治会館は「光が丘ふれあいセンター」として自治会の集まりや高齢者支援の場として利用されている。
管理組合主導で行われた「植木のお手入れ講座」の様子。
街を歩くと、住宅周りの植栽の豊かさが印象的です。広い道路がゆるやかにカーブしているため、緑が目に入りやすく、心地よい街の雰囲気を演出しています。この街では、相模原市初の景観協定を締結し、それを補完する「街づくりガイドライン」を策定。既存樹木の保存や宅地内の緑化、夜間の庭園灯の点灯に関するルールがつくられているほか、街の出入り口に防犯カメラが設置されるなど、美しい景観と安全性を維持・継承していく工夫を行っています。
担当者の声
光が丘エコタウンでの皆さまの生活が始まり、早い方では既に丸1年が経過しました。
タウン内のいたる所で子どもの声が聞こえ、住民の方同士の自然な挨拶や一声が交わされるようになり、「コミュニティ」が成長し始めている光景がエコタウンに生まれています。
今後、既存の地域コミュニティとの連携が必要ですが、まずは住民の方同士が仲間としてコミュニケーションを持つこと、タウンを理解することに理事会と力を合わせ行動を開始しました。今後もグループで連携し、安心・安全・快適にお過ごし頂けるよう、良きパートナーとして務められればと考えております。
大和ライフネクスト株式会社
マンションアメニティ事業部
横浜支社 町田一課 課長
安藤 宏一
大和ライフネクスト株式会社
マンションアメニティ事業部
横浜支社 町田一課
グループリーダー
藤崎 正輝
「スマ・エコ シティ相模原 光が丘エコタウン」は、これらの取り組みが評価され、神奈川県の「環境共生都市づくり事業」として認証されました。また、活気に満ちた地域社会の実現・地域主催の推進を図るため、地域活性化の総合的・効果的な取り組みが進む土地活用の「成功モデル」として「平成26年度土地活用モデル大賞」(一般社団法人都市みらい推進機構主催)において「審査委員長賞」を受賞するなど、サステナブルな街として評価されています。