三沢市寺山修司記念館
詩、短歌、俳句、映画、演劇、スポーツなど多彩な分野で才能を発揮した寺山修司。
青森大空襲で焼け出された昭和20年、小学4年生から4年間過ごした三沢に建つのがShuji Terayama Museumだ。
小川原湖の近く、森の中を進むと突如現れる不思議な空間。デッキを歩いて記念館に向かうと、壁には演劇実験室「天井桟敷」のシンボルだった仮面のモニュメントや、アラーキーなど寺山ゆかりの人から寄せられた言葉が、タイルアートとしてはめ込まれている。
真っ赤な扉を開け、ほの暗い展示室に直行する。そこは寺山が三沢で野外劇をやるとしたら、きっと飛行場だろうと創られた滑走路の舞台。その上には寺山の劇や映画に登場した「聖主人のための機会」や「空気女」が無造作に並ぶ。
舞台の下の奈落には、机がいっぱいだ。椅子に座ると机の上には寺山が映し出され、彼は「演劇で何ができるか」熱く語っている。引き出しを開け懐中電灯で中を照らすと、6000点にも及ぶ資料がぎっしり。彼の使った黒電話からは肉声が聞こえてくる。
ミュージアムには野外劇を行うステージも併設され、別の扉を開けると文学碑へ続く遊歩道。
テラヤマワールドに引き込まれる心地良さが体感できる、魅惑のミュージアムだ。
rakra 2006年9月号掲載
2006年8月頃撮影
三沢市寺山修司記念館
青森県三沢市大字三沢字淋代平116-2955
TEL 0176-59-3434
開館時間/9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)年末年始
※8月の第1、第2、第3月曜は開館予定
入館料/一般300円、高大学生100円、小学生50円
ロイヤルシティ八幡平リゾートより135km
舞台には、寺山が演劇や映画で使った大道具&小道具がオブジェの如く並び、それぞれがゆっくりライトアップされていく。粟津潔氏のデザインによる記念館。
大好きな線路をつたって故郷三沢に帰った寺山をイメージ。
「さらば箱舟」「田園に死す」などのポスター。