青森県立美術館
縄文に触発された迷路のようなアート空間
日本最大級の縄文集落跡・三内丸山遺跡に隣接する青森県立美術館は、遺跡の発掘現場から着想を得て創られたアートな建物。
真っ白なキューブが土色のトレンチ(発掘現場の壕)を覆い、まさに縄文と現代が融合したような空間だ。シャガールの舞台背景画3作品が飾られたアレコホールを中心に、強烈な個性を持つ青森県出身の棟方志功、寺山修司、ウルトラマンのデザインを手がけた成田亨など、1作家1展示室で作品をじっくり愉しむことができる。
なかでも奈良美智の作品は、建物とひとつになった立体アートを体感できる。「あおもり犬」が展示されている野外スペースや、青空の下に惜しげもなく作品が展示されている「八角堂」など、空間そのものがアートな香りに包まれている。
何度訪れても迷ってしまうのは、普段私たちが、いかに目に見えるものだけを頼りに暮らしているかという証拠。ここに来たら自分の直感を信じ、好きな場所から自由に空間を巡って、さまざまなアートにふれて欲しい。
rakra2008年9月号
2008年8月頃撮影
青森県立美術館
青森県青森市安田字近野185
TEL 017-783-3000
開館時間/
6月1日~9月30日 9:00~18:00 (入館は17:30まで)
10月1日~5月31日 9:30~17:00 (入館は16:30まで)
休館日/毎月第2、第4月曜日 (月曜が祝日にあたる場合は翌日),年末 12月27日~12月31日
入館料/一般500円、大学生・高校生300円、中学生小学生100円 ※企画展は別途
ロイヤルシティ八幡平リゾートより約159.6km
地元出身のアーティスト作品はもちろん、建物や空間もアートとして愉しめる青森県立美術館。どこからでも自由に出入りできる7つの入口に立つと、「青い木が集まって森になる」という成長を表したシンボルマークが出迎えてくれる。真っ白な煉瓦の外壁、厚さ20cmもある土の壁、白い床、ホワイトキューブの展示室の隙間、エレベーターにあるベンチ、華やぐトイレ……。これまで存在しなかった空間と出逢うことができる。