須川高原温泉
生まれたては無色透明、湯船では白濁色の湯に変わる
源泉は無色透明。しかし、その湯で満たされた広い湯船は、湯花が多いためだろうか、白濁した色になる。日本随一といわれる強酸性のみょうばん緑ばん泉。特に胃腸病、婦人病、呼吸器病などに優れた効果があるとされ、徳川時代から300年以上もの間、湯治場として親しまれてきた。
源泉は露天風呂のすぐ近く、大日岩の裏手から自然湧出。源泉からそう遠くない場所に設けられた足場は、温度が47度ぐらいと熱めだが、生まれたての湯に足を浸すのは気分がいい。湯量が豊富であることから、内湯の「仙人風呂」や、中庭にある大きな「温泉プール」も、源泉100パーセントである。
また、湯治客に人気があるのは、天然の蒸し風呂「おいらん風呂」。宿から200メートルほど遊歩道を登っていくと、その小屋が建っている。蒸気の噴出孔にゴザを敷いて寝そべり、毛布で全身を覆って汗を流せば、神経痛やストレス解消などに効くという。
栗駒山の中腹、標高1126メートル。徐々に色づく高原の景観と、とうとうと湧き出る評判の湯を、じっくり堪能してほしい。
rakra2007年10月号掲載
2007年9月頃撮影
須川高原温泉
岩手県一関市厳美町マツルベ
TEL 0191-23-9337
・日帰り入浴時間/露天風呂5:00~22:00、内風呂9:00~16:00
※ 営業時間は5月上旬から10月
・日帰り入浴料/500円
・宿泊/平日12,750円~(1泊2食、税・サービス料込、2名利用の際の1名料金)
・ アクセス/東北自動車道一関ICより約50キロ
ロイヤルシティ八幡平リゾートより約165km
温泉へ向かう途中には「ブナの恵」と名付けられた湧き水スポットもある。
源泉に近いため、温度が高めの足湯。
自然に湧出する源泉を見られるのも興味深い。