2020年、新型コロナウイルス感染拡大により緊急事態宣言が発令されました。
人々は自宅待機を余儀なくされ、一つ屋根の下で「仕事」や「育児・教育」、「日々の暮らし」が共存。その結果、自宅内外における「音」の問題が顕在化しました。
その解決策としてダイワハウスがご提案するのが、独自の快適防音室「奏でる家」の技術を使ったテレワークスタイルです。
2006年に誕生した「奏でる家」が時代と共にどう進化していくのか、その変遷を追ってみましょう。
PROBLEM
巣ごもり生活による騒音問題が発生
2019年12月末に中国武漢市で流行が確認された新型コロナウイルスは、現在進行形で私たちの生活に大きな影響を与えています。2020年4月16日には、日本初の「緊急事態宣言」が全国に拡大される前代未聞の事態に。5月25日に緊急事態の解除が宣言されましたが、徐々に元の生活に戻るのではなく、新生活習慣が掲げられ、それに倣った新たな日常生活が始まっています。
2020年3月には全国一斉休校が実施され、4月には不要不急の外出自粛が要請されました。それに伴い、家庭での「音」の問題がクローズアップされ、「巣ごもり騒音」とも呼ばれるようになりました。 これは、多様なバックグラウンドを持つ人たちが、一斉にステイホームを実践したことによる影響です。家で仕事に集中したい人。思いきり遊びたい子ども。静かに療養したい人。ぐっすり眠りたい赤ちゃん。さまざまな人たちが共存するためには「遮音性の高い空間」が必要になります。そこで、2006年に商品化した当社独自の防音室「奏でる家」による解決策をご提案します。
SOLUTION
ダイワハウスの快適防音室「奏でる家」
建物との一体設計で、部屋そのものが防音室になる「奏でる家」には、3つのポイントがあります。
(1)広くて天井が高く明るい防音室
(2)高い防音性能を持つ
3タイプの防音グレード
※ハイグレード防音は防音室の専門メーカーに並ぶ性能
(3)音響設計を可能にしたオリジナル音響アイテム
EVOLVING
進化する「奏でる家」
「奏でる家」は、防音室の販売戸数においてハウスメーカーでは大きなシェアを誇っています。他の大手ハウスメーカーでは防音室を設計する場合、音響専門メーカーに外注するか、過去に経験のある設計担当者の技量に頼るかのどちらかになりがちです。
「奏でる家」の防音グレード3タイプのうち、住まいに採用される割合は約70%がスタンダード防音、約20%がハイグレード防音、約10%がライト防音です。防音室の用途は、音楽室が約70%、オーディオ・ホームシアタールームが約20%、その他の約10%は書斎や寝室、ペットの専用部屋、ゴルフシミュレータールーム、ガラス工房など、さまざまな使われ方をしています。
当初は独立した防音室としてのご利用がメインでしたが、お客さまからの「防音室での様子がわからないのは不安だ」というご意見に応え、当社オリジナルアイテム「サウンド・シャット・スクリーン」を開発。リビングの隣にサウンド・シャット・スクリーンで仕切った防音室を設置し、リビングと一体感のある空間をご提案することが増えました。
サウンド・シャット・スクリーンの実例
TELEWORK
「家で働く」を支える新たな役割
働き方改革実現に向けて、国の重要な施策としてテレワークが推奨されている中、コロナ禍の影響によりテレワーク実施者は急増しました。「家で働く」を支える、これからの住まいを形にしたものが、新提案「テレワークスタイル」です。
テレワークにおいて「集中・情報漏えい防止」「家事・子育て」のどちらを重視するかにより、当社独自のノウハウを採用した2つのテレワークスタイルをご提案。集中型の「快適ワークプレイス」は防音仕様のプライベート空間。家事・子育て対応の「つながりワークピット」はセミクローズドな空間です。
快適ワークプレイス
つながりワークピット
快適ワークプレイスは、「奏でる家」の「ライト防音」と音響アイテム「コーナーチューン」を採用し、より良い環境で仕事ができる工夫を施しています。快適ワークプレイスであれば、室内の音が室外では35dBA減音されるため、一般的な声量なら外に声が漏れることはほとんどありません。また、隣の部屋で子どもがオンライン授業を受けていたり、家族が掃除機をかけていたりするような騒音も気になりにくくなります。さらに、家の外の交通騒音も35dBA減音されるので、通常の部屋よりも静かな環境で仕事に集中できます。
快適ワークプレイスの遮音性能
一方で、防音室は密閉度が高く、声が響きやすい傾向があります。テレワークで重要となるWeb会議などの際、室内で声を出すと声が響き、話しにくさ・伝わりにくさが生じてしまいます。そこで、当社独自の音響アイテム「コーナーチューン」の設置をご提案しています。男性の話し声は低音域に該当しますが、市販の吸音材では低音域をしっかり吸音するモノはあまりありません。コーナーチューンは高音域だけではなく低音域もしっかり吸音。残響時間が2/3程度に短くなることで、クリアな音声のやりとりができ、テレワークしやすい環境をつくることができます。
コーナーチューンの有無による快適ワークプレイスの残響時間
お客さまからは「コロナ禍による新生活習慣により、ホールや練習室を借りて音楽仲間とセッションができなくなってしまったけど、『奏でる家』があるから練習が継続できている」という喜びの声が届いています。また、「今までは気軽に施設で楽しめていたのに三密回避で行きにくくなる」との理由から、ゴルフシミュレータールームのニーズも高まっています。どんな時であっても音を楽しみ、暮らしを楽しむ手段として「奏でる家」を活用していただければと思います。
「奏でる家」による自宅フィットネス空間
TWO-WAYTWO-WAY
総合技術研究所の技術研究開発に対する取り組み、成果についてわかりやすく紹介している情報発信誌です。
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総合技術研究所
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