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2024年12月09日
厚労省・24年度補正予算案
医療・介護分野の賃上げ支援などで1,892億円を計上
厚生労働省は11月29日、2024年度の補正予算案の概要を公表した。一般会計の総額は8,414億円。そのうち医療・介護・障害福祉分野の賃上げ等の支援では1,892億円を計上した。今臨時国会に提出し、年内の成立を目指す。
医療分野では人口減少や医療機関の経営状況の急変に対する緊急的な支援パッケージとして1,311億円を計上し、(1)生産性向上・職場環境整備支援、(2)経営状況の急変等を踏まえた支援―を行う。
(1)は対象を「ベースアップ評価料」算定医療機関に限定。ICT機器(タブレット端末、離床センサー、WEB会議設備等)の導入や医師事務作業補助者・看護補助者の配置によるタスクシフト/シェアの取り組み(新規配置だけでなく、既存職員の人件費への給付金充当も可)に対して経費相当分の給付金を支給し、職場環境の改善を促す。支給額は病院・有床診療所が1病床当たり4万円、無床診療所・訪問看護ステーションが1施設当たり18万円。
(2)では医療需要の減少に対応して病床削減を進める病院・有床診に対し、削減病床1床当たり410万4,000円を支給する。人口構造の変化や医療従事者不足の深刻化によって地域における医療機関の連携・再編・集約化が急務となる中、病床を削減しても経営難に陥ることがないよう支える。物価高騰などにより、地域医療構想の推進や救急医療・周産期医療体制の確保のための施設整備が困難になっている病院等への支援も行う。
人材不足が特に深刻な訪問介護に特化した支援策も盛り込む
介護分野では、(1)介護人材確保・職場環境改善等事業、(2)介護テクノロジー導入・協働化等支援事業、(3)訪問介護の提供体制確保支援―を柱とする総合対策で1,103億円を計上した。
(1)は、▽「介護職員等処遇改善加算」の取得▽職場環境改善等に向けた計画の都道府県への提出―の要件を満たす事業所に補助金を交付。使途については職場環境改善の経費のほか、介護職員等の人件費や介護助手等を募集するための経費などへの充当も可能にする。(3)では、訪問介護における人材とサービス提供体制の確保を目標に、経験が浅いヘルパーが安心して働けるようにするためのベテランヘルパーによる同行支援や、地域特性・事業規模を踏まえた経営支援などを行う。
2024年11月29日時点の情報を基に作成