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2024年09月13日
厚労省・近未来健康活躍社会戦略
医師偏在是正対策の骨子案などを提示
厚生労働省は8月30日、「近未来健康活躍社会戦略」を公表した。同省が近未来に取り組む政策をまとめたもので、国内の主要戦略には医師の偏在是正の総合的な対策パッケージの骨子案や医療・介護DXのさらなる推進などを盛り込んだ。
戦略目標を、▽医療・介護産業の育成▽医療・介護全体としての収入拡大とその成果の国民への還元▽国民1人ひとりが可能な限り長く健康で有意義な生活を送りながら活躍できる「健康活躍社会」の実現―に設定し、その達成のための国際及び国内戦略を書き込んだ。
国内戦略の柱には、(1)医療・介護DXのさらなる推進、(2)提供体制の改革、(医師偏在対策の推進)、(3)後発医薬品の安定供給体制の構築―など6項目を掲げた。
このうち(1)では、▽全国医療情報プラットフォームの構築等(電子カルテ情報共有サービスや電子処方箋の普及、診療報酬改定DXなど)▽医療等情報の二次利用の促進▽社会保険診療報酬支払基金を医療DXに関するシステムの開発・運用主体として抜本的に改組―などの施策を実効的かつ一体的に推進。関係法令の速やかな整備にも取り組む。
医師確保計画の深化、医師の確保・育成、実効的配置を柱に偏在対策を推進
(2)では少子高齢化が進展する中にあっても医療提供体制の持続可能性を担保できるよう、医師の地域間・診療科間偏在の是正対策を総合的に推進する。医師の偏在是正については「骨太の方針2024」に基づき、24年末までに総合的な対策パッケージを策定することになっている。これを踏まえ戦略は、▽医師確保計画の深化▽医師の確保・育成▽実効的な医師配置―を3本柱とする対策パッケージの骨子案を提示。
24年度中の取り組み事項には、▽都道府県における医師配置の是正プランの策定と国における重点的な支援対象区域の選定▽医師少数区域等での勤務経験を求める管理者要件の大幅な拡大の検討(必要に応じて25年度以降に法改正を実施)▽中堅以降医師等が総合的な診療能力等を習得するためのリカレント教育について予算要求(25年度予算概算要求で対応済み)▽医師多数県の臨時定員地域枠の医師少数県への振替の検討―などを挙げた。
2024年8月30日時点の情報に基づき作成