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2023年12月08日

医療経済実態調査

22年度の損益率、一般病院▲6.7%、法人立一般診療所8.3%

厚生労働省が11月24日に公表した医療経済実態調査(実調)の結果によると、医療機関の2022年度の1施設当たり損益率(介護収益・費用含む)は、一般病院▲6.7%、医療法人立一般診療所8.3%、個人立一般診療所32.0%―だった。財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会は、医療法人立一般診療所の経営は極めて良好だとして、診療所の報酬単価引き下げによる診療報酬本体のマイナス改定を要求。実調でも損益の黒字が明らかになったことで、今後の議論で保険者がマイナス改定を求めてくるのは必至とみられる。

一般病院の22年度の開設主体別の損益率は、医療法人▲1.3%(前年度▲0.2%)、国立▲8.7%(▲8.0%)、公立▲19.9%(▲19.6%)、公的▲5.7%(▲3.3%)と、いずれも赤字で前年度から赤字幅がさらに拡大した。介護収益の大幅な減少(前年度比14.6%減)に加え、人材確保のための人材委託費(6.4%増)や紹介手数料(20.1%増)、水道光熱費(32.2%増)の大幅な増加が一般病院の損益悪化を招いた。

一般診療所の病床有無別の損益率は、有床診療所が医療法人4.7%(前年度6.4%)、個人20.1%(23.1%)、無床診療所が医療法人9.2%(7.3%)、個人32.7%(30.3%)。一般病院と同様に医療法人立一般診療所でも医業・介護費用が増加(前年度比2.6%増)したものの、医業収益(4.0%増)と介護収益(0.2%増)がこれを上回る伸びを示した。

なお、個人の一般診療所は院長等の報酬が費用に計上されていないため、医療法人立に比べて見せかけ上、損益率が高い数値になっている点に留意を要する。

23年度の損益率は一般病院、診療所とも悪化の見通し 厚労省推計

一方、厚労省が提出した補足資料によると、実調での収入・費用の推移を前提に新型コロナの5類への移行、物価高騰、賃金上昇の影響などを加味して推計した23年度の損益率は、一般病院▲10.2、一般診療所7.6%となり、いずれも22年度より悪化する見通しだという。

2023年11月24日時点の情報に基づき作成

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