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2023年11月28日
中医協・総会
かかりつけ医機能の評価、「外来管理加算」を巡り議論が紛糾する場面も
中央社会保険医療協議会・総会は11月10日、かかりつけ医機能の評価などについて議論した。かかりつけ医機能に関連した既存報酬の併算定関係の整理などが論点となり、「外来管理加算」の廃止を求める支払側と反対する診療側が激しく対立する場面があった。
総会では、(1)主治医と介護支援専門員の連携の強化、(2)文書交付等による患者への適切な説明を推進する方策、(3)生活習慣病患者における「特定疾患療養管理料」算定の妥当性、(4)かかりつけ医機能関連報酬の併算定関係の整理―などが論点となった。
(1)では、支払側がサービス担当者会議への参加を「地域包括診療料・加算」などの算定要件にすることを提案。診療側は医師の多忙さや、患者の状態によっては会議開催が不要な場合もあることなどから、算定要件として一律に課すことに反対姿勢を示した。(2)は、かかりつけ医機能が発揮される制度整備の一環として、2025年4月からかかりつけ医機能を有する医療機関に書面交付等による患者への説明の努力義務が課されるのを見据えた提案。
(3)では厚生労働省が、生活習慣病患者への療養指導において「生活習慣病管理料」よりも「特定疾患療養管理料」の算定割合のほうが顕著に高いことを問題視。「特定疾患療養管理料」の算定施設について、「時間外対応加算」や「在宅療養支援診療所」等の届出がない施設が3~4割あることなどから、「かかりつけ医機能が高いとは言えない」との認識を示している。
生活習慣病の管理に着目した、かかりつけ医機能関連報酬の整理が課題に
(4)では「地域包括診療料・加算」、「生活習慣病管理料」、「特定疾患療養管理料」はいずれも生活習慣病が対象疾患に含まれる上に、「特定疾患療養管理料」と「外来管理加算」、「地域包括診療加算」のように併算が可能な組み合わせも複数存在する。このため厚労省は、かかりつけ医機能関連報酬の併算定ルールの整理を総会に求めた。
議論で支払側は、算定要件があいまいで安易に算定できる「外来管理加算」は廃止すべきだと主張した。これに対して診療側は暴論だと反発。併算定ルールについては、医師が個々の患者の状態に応じて最も適した報酬を選択できる現在の仕組みは優れているとし、現状維持を訴えた。
2023年11月10日時点の情報に基づき作成