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2023年04月28日
同時改定意見交換会
特定機能病院を協力先にしている高齢者施設の存在が明らかに
中央社会保険医療協議会・総会と社会保障審議会・介護給付費分科会は4月19日、2024年度の診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬の同時改定について、2回目の意見交換会を開いた。高齢者施設などと医療機関の連携では、一部施設が特定機能病院を協力医療機関としている実態が明らかになり、複数の委員が強い問題意識を示した。
この日は「高齢者施設・障害者施設等における医療」などをテーマに意見を交わした。高齢者施設では入所者の高齢化や平均要介護度の上昇に伴い、年々医療ニーズが増加。入所者が住み慣れた施設での生活を継続できるようにする観点から、施設の医師などによる対応力の向上や協力医療機関等による相談体制の充実などが急務となっている。
しかしながらその実現には、▽介護医療院と老人保健施設は施設によって対応可能な医療ニーズに差がある▽特別養護老人ホームは配置医師が不在の際に急変時や看取りの対応が困難な場合があるーなどといった課題がある。また、医療機関との連携では、本来は高度な医療の提供を担うはずの特定機能病院などを協力医療機関としている高齢者施設が一定数存在。これらのケースでは医療機関の医療機能と、施設側が求める医療の内容(緊急時の相談対応や往診など)との間に不一致が生じていることが推察された。
外部医師が介入しやすい環境整備や特定行為研修修了看護師の活用求める声も
こうした現状に委員からは、特養における医療ニーズが高まっているなか、特養の配置医師の対応だけに頼るのには限界があるとして、外部の医師が介入しやすい環境の整備を求める意見や、医師の包括的な指示に基づく医療の提供が可能な特定行為研修修了看護師の活用を提案する意見があった。
特定機能病院などを協力医療機関としている高齢者施設を問題視する声も多く、「医療機能の分化の観点から疑問を感じざるを得ない」、「地域包括ケア病棟や在宅療養支援病院、有床診療所などと日頃から連携体制を構築することが重要だ」といった指摘があった。
2023年4月19日時点の情報を基に作成