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2020年11月05日
社障審・介護給付費分科会
2021年度介護報酬改定、個別報酬の議論進む
2021年度介護報酬改定について、社会保障審議会・介護給付費分科会における2巡目の議論が進み、個別報酬の見直しの方向性が徐々に明らかになってきた。厚生労働省がこれまでの分科会に提示した論点を踏まえて、ポイントを整理する。
通所系のサービスをみると、通所介護と短期入所生活介護では、外部のリハビリテーション専門職との連携を評価する「生活機能向上連携加算」の算定率向上を目指し、▽連携先を見つけやすくするための方策▽訪問介護と同様にICTを利用した連携に対する評価区分を新設―などが検討課題に挙がっている。療養通所介護は、柔軟かつ安定的なサービス提供が可能になるように、包括報酬にすることを検討する。
通所リハビリは大規模事業所減算の見直しが焦点に
通所リハビリテーションは、大規模事業所減算の扱いが焦点のひとつ。通所リハの基本報酬は経営規模によるスケールメリットを考慮し、事業所規模が大きいほど報酬単価は低くしながらも(=大規模事業所減算)、事業所全体としては収益を確保できるように設定されている。だが、月の利用延人員が751〜900人の事業所の収支差率が901人以上を上回る逆転が起きているため、経営実態を踏まえたきめ細かな報酬への見直しを検討する。また、「社会参加支援加算」は、本来の趣旨に反して、リハビリから他のサービスへの移行を促す側面が強くなっていることから、要件の見直しを検討する。
訪問系サービスのうち、訪問介護では、質の高いサービスを提供する事業所を評価する「特定事業所加算」について、通所介護などの「サービス提供体制強化加算」と同様、区分支給限度基準額の対象外とすることを検討するほか、看取り期の評価を充実させる。訪問リハビリテーションは、週6回までとされている上限を退院・退所直後は診療報酬での取り扱い(週12回まで可)を参考に見直す。訪問看護は、在宅における療養環境が早期に整うよう、現在は「特別管理加算」の対象に該当する者に限られる退院当日の訪問看護の算定を、一定の条件を設定した上で、拡大する方向で検討を進める。
(10月22日時点の情報を基に作成)