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2020年03月09日

国立がん研究センター

AIによる手術支援システム開発が始動

国立研究開発法人国立がん研究センター東病院は、人工知能(AI)を用いた手術支援システムの導入に向けた開発基盤を整備するため、産業利用可能な高品質の手術動画データベースを構築するプロジェクト「S-access Japan(サクセスジャパン)」を開始した。

同プロジェクトは、全国の医療機関や日本内視鏡外科学会と連携。3,000例の手術動画を収集する国内初の試みとなる。集められた手術動画は、1コマの画像ごとにアノテーションを行い、人工知能に深層学習させることで、「手術工程」や「術具」などのタグ情報を付与する。また、熟練した技術を持つ外科医が、どのように安全かつ効率的に手術を進めているか意味付け。これらの質の高い教師データを含む大規模なデータベース構築を目指していく。

従来の手術は、術者の経験・知識に基づく技量や判断により行われてきた。そのため、高度な技能が要求される内視鏡外科手術では、施設間・術者間の治療成績の格差が報告されている。同プロジェクトでは「暗黙知」とされてきた外科手技を分析したデータを、医療機関・アカデミア・企業と共有。AI機能を備えた手術支援機器や手術評価システムなどの導入をオールジャパンで目指す。また、日本の外科技術力を世界に広めるため、産業利用可能な質の高いデータベース構築を持続的に運用する体制や、先進的な医療機器開発の基盤となる環境整備に向け、この「S-access Japan」を推進していくという。

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