CASE7
モノづくりを支えるディスペンサ
その性能と魅力を伝え、感動と安心を与える新施設
建設地 | 大阪府守口市 |
---|---|
建物用途 | 事務所・ショールーム・テストルーム |
敷地面積 | 563.40m2(170.42坪) |
延床面積 | 659.84m2(199.60坪) |
竣工 | 2019年9月 |
建物概要 | 2階建て |
1970年に自社製のディスペンサ(液体定量吐出装置)を開発し、数多くの日本のものづくりを支え続けているのが、株式会社ナカリキッドコントロール様です。ディスペンサとは、液体を一定量供給するための装置。接着剤や樹脂を部品に注入する作業に使われ、現在では多くの製造現場で非常に重要な役割を担っています。同社の製品は、電子部品をはじめ、建築、自動車、航空機から、スポーツ用品、化粧品などに至るまで、さまざまな分野の生産工程に幅広く応用されています。
ナカリキッドコントロール様では、『製品を通してユーザー様に、満足を超える感動・驚きを実感していただく』ことを追求、実際にお客様の製品を使ってディスペンサの性能を確認できるテストルームを各営業所に設置。2017年9月の名古屋営業所の移転・新築計画時にも、このテストルームを備えた社屋を建設されました。同社では、“お客様とともに課題を解決しながら製品を作り上げていく”スタイルの強化充実を図る為に、本社に新たな形の施設として、同社製品の展示ショールームとテストルームを備えたカスタマーイノベーションセンター(CIC)の建設を計画されました。
2019年11月、大阪府守口市の本社隣地に完成したCICは、1階に各種ディスペンサ製品が展示されたショールーム、商談室とテストルームが一体となったスペース(2ヶ所)、2階に事務スペースを配した施設構成となっています。「製品の魅力向上と自社施設にも美しさや先進性を追求したい」という仲社長の思いをコンセプトに、外観・内装の細部に至るまでデザイン性にこだわりました。
“お客様とのさらなるイノベーション(発展・技術革新)の場”が完成しました。
株式会社ナカリキッドコントロール 代表取締役社長 仲 昌男 様
産業の発展に伴い、ディスペンサの利用分野も拡大。お客様のニーズも多様化し、生産工程での省力化やコストダウン化、多品種・少量化など、求められる機能と精度は日増しに高くなっています。特に、当社が力を入れている2液型ディスペンサは、より高精度の吐出量が求められる電子部品や電装部品の製造、航空機やロケット、スポーツ用品など、重要なCFRP(炭素繊維強化プラスチック)パーツの成型にも活用されています。
たとえるなら、『口紅からスペースシャトルまで』。ディスペンサの可能性は、産業・技術の発展に伴い、今後も拡大していくことが見込まれます。
当社では、「つくったものの付加価値を高め、売るための仕組みを作る(造る、創ること、工夫を加えること、ビジョンを掲げること」に取り組んでおり、これを『ことづくり』という言葉で表現しています。ディスペンサの性能を確認できるテストルームを各営業所に設置しているのも、『ことづくり』を実現するための活動の一つ。実際に多くの方が来社され、目と手とデータで納得いくまで試し、確認されるなど好評を得ています。
新たに完成したカスタマーイノベーションセンターは“お客様とのさらなるイノベーション(発展・技術革新)の場”として躍進していくことを期待しています。
今回、私たちが建物のデザインにこだわったのは、訪れる方に「いいなあ」と感じていただくことが、企業のブランド化につながると考えたからです。名古屋営業所の建設に引き続き、大和ハウス工業さんにお願いしましたが、細部にわたり工夫を凝らした設えをご提案いただき、非常に満足のいく建物ができたと喜んでおります。