上郷ネオポリス
神奈川県横浜市
神奈川県横浜市栄区にある上郷ネオポリスは、首都圏近郊の住環境が整ったベッドタウンというコンセプトのもと1973年より入居が始まった郊外型住宅団地です。時間の経過とともに人々の住まいに対する考え方は変化し、勾配が多く主要駅まで距離がある環境からは多くの人が離れる傾向にあります。
地元自治会や団体、大学と「まちづくり協議会」を組成した 2016 年以降、高齢化によって生じるさまざまな問題について意見交換を行い持続可能なまちづくりについて協議してきました。一人ひとりに寄り添うまちであるために実施した全戸調査で「交通・買い物の不便性」「高齢者の見守り」「住まい手同士の交流減」などの課題・ニーズを的確に把握し、多世代が健康な暮らしを持続できるまちを目指しています。
開発当時、それぞれの夢を持った人々が集まり賑わっていた頃の思い出として人々の記憶に残っている商店街。日々の生活に必要なものは自分たちのまちで揃えていく。開発当時から上郷ネオポリスには地産地消やSDGsの考えが備わっていたと考えられます。「ちょっと買いもの」から知り合いに出会い始まる井戸端会議のように、特別な意識を伴わずとも自然に人が集まるような場所をもう一度まちに持つことができたなら。都市計画や用途地域などさまざまな問題を行政や住まい手と力を合わせて乗り越え、新しい夢を実現させました。
野七里テラス 施設概要
- 構造:
- 鉄骨造
- 階数:
- 平屋建
- 竣工:
- 2019 年 10 月
- 建物用途:
- 店舗(コミュニティスペース併設)
「野七里テラス」は、第一種低層住居専用地域という商業施設の建設ができない場所に、上郷ネオポリスの新たなまちづくりを象徴する施設として建設されました。時間をかけて住まい手の賛同を得て、行政との協議を経て2019年10月のオープンには多くの人が集まりました。コンビニエンスストアで働く住まい手が、買い物に訪れる高齢者を見守り、コンビニエンスストアに併設するコミュニティスペースでは買い物客同士が腰をおろして会話を弾ませるなど、さまざまな役割を持っています。
施設で活躍するのは住まい手の方々で、訪れる高齢者の買物サポートや子どもたちへの声掛けによる見守り、地域で収穫した野菜やお菓子の販売の手伝い等も行っています。また、当施設はまちの情報発信基地にもなっており、様々なまちづくり情報やイベント案内が発信されています。更には、この地で育んできた和太鼓の演奏などを披露する舞台としても利用され、多世代の方々に愛される施設となっています。
「絆」を大切にする住まい手の方々は、まちの未来を輝かせたいというリブネスタウンが目指すビジョンと深い繋がりがあります。まちづくりの活動には常に対話があり、すべての原点となっています。現在も、高齢の方々をはじめとした移動をサポートする近距離モビリティの実証や、離れて暮らす家族・知人とのテレビ電話を用いた生活支援の実証など、産官学民と連携して積極的に新たなチャレンジを続けています。
上郷ネオポリス
について
- 入居開始時期:1973年~
- 開発面積:約46万m2(東京ドーム約10個分)
- 総区画数:約850区画
- 高齢化率:約49%(2020年現在)
- 人口:4,930人(桂台南2丁目含)(2020年現在)
※2020年国勢調査より
2018 年度国土交通省スマートウェルネス住宅等推進モデル事業に選定されました。
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