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特集:料理家 細川亜衣さん

心をつなぐ料理

熊本に拠点を置いて活動する料理家・細川亜衣さん。
豊かな自然の恵みを感じながら、料理を通じて人とつながり、
地域と人を結ぶ日々を送っています。

料理に魅せられたきっかけ

素材をしっかり味わえるシンプルな料理のレシピや、食に対する日々の想いをつづったエッセイ本などの著作を持つ、料理家の細川亜衣さん。日本各地でのイベント出演や出張料理、料理教室などを通じて、その独特の世界観で多くのファンを魅了しています。

「幼い頃は食が細くて、どちらかというと食べることは苦手な方だったんです」という細川さん。料理に興味を持ったのは、中学時代、何かの節目に母や同級生らと訪れたイタリア料理店のコースメニューがきっかけでした。

お母さんが毎日手間暇をかけて作ってくれる和食はおいしかったし、特別な日にお父さんの好物である焼肉を食べに一家で出かけるのも好きでした。しかし、次々と供されるおしゃれで色鮮やかな料理、家庭では見たことのない種類のパスタの美味しさ、そして美しさに、細川さんはすっかり心を奪われてしまいました。「あれが初めての、“よそ行き”の食体験でしたね」。

そんな娘に、母はお店のシェフが書いたレシピ本を1冊買い与えてくれました。学校から帰るとレシピ本を手に取り、美しい料理のビジュアルを眺めて過ごした細川さん。やがて、そこに記されたイタリア料理のフルコースを作ってみるなど、“普段食べられないもの”を自分の手で作る楽しさにも目覚め、料理の世界への興味を膨らませていきました。

そしていつしか料理を仕事にすることを夢見るようになると、大学時代から飲食店でアルバイトをするかたわら、さまざまな料理教室に通い始めます。そこで出会った料理家の先生―3人の子どもを育てつつ自分の仕事を持ち、本や雑誌で活躍するなどいきいきと働いている女性―への憧れの気持ちも、夢へ向かって進む後押しとなりました。

大学卒業後は料理の勉強のために、単身イタリアへ。その後、先生のアシスタントをしたり、自宅のキッチンで教室を開いたりしながら、料理家の道を一歩一歩、着実に歩んでいきました。

食材を刻む細川さんの顔は真剣そのもの。使いやすさにこだわったキッチンには、心地良い緊張感が漂います

異国の料理に学んだこと

イタリアでは料理学校に通ったり、地元のお母さんたちに料理を教わったりしながら料理の腕を磨いた細川さん。異国の地で驚いたのは、乾いた砂に水が染み込むように、体に食べ物が染み込んでいく感覚を味わったことでした。

かねてより「食材にはそれぞれ味があるのに、なぜ強い旨味を加えるんだろう」と考えていた細川さんは、ほとんど塩と良質な油を使うだけというイタリアのシンプルな料理法に共感しました。国によって料理への考え方や文化は異なり、正解はありません。しかし、イタリア料理のあり方に細川さんは深く納得し、今では和食を作る時も、中華料理を作る時も、イタリアで学んだことがベースになっていると言います。

料理に使う食材は、地元の産品を中心に新鮮なものを選びます

「塩とおいしい油があれば、素材本来の味を最大限に引き出すことができます」。世界各国のさまざまな塩が売られている中で、粒の大きさや塩気の強さ、風味を試し、いろいろな使い方を試みてほしいと細川さんは言います。

また、塩に加えて重要なのが風味の良い油です。日本のスーパーではオリーブオイルやごま油などさまざまな油が売られていますが、質の良い油はどれもおいしいと、細川さん。最近では熊本特産のなたね油も気に入っているそうです。

油と言えばカロリーが気になりがちですが、「良質な油は、むしろ私たちの体に必要なものです。それよりも、添加物に気をつけることの方がより大切だと思います」とアドバイス。「どの料理にどの油を使うという決まりはありません。自分好みの油を見つけてください」

オリーブオイルは上質なものをたっぷりと

古いものを大切にして暮らす

結婚を機に、夫の故郷熊本に移り住んで約8年の歳月が過ぎました。娘も生まれ、親子3人で暮らしているのは、もともと肥後熊本藩主・細川家の菩提寺である泰勝寺があった場所。広大な敷地の中には緑が生い茂り、市民の憩いの場になっている公園もあります。

夫妻が住居としたのは、江戸時代後期に建てられ僧房として使われていた建物で、とても丈夫な建材が用いられていました。一度は建築家の道も考えたというほど建築が好きな細川さんは、この家に暮らすことになって、できるだけ古い材料も生かしながらリフォームをしたいと考えました。そこで建築家や地元工務店と相談しながら計画を進めていったそうです。

使い込んだ料理道具は、アンティークの壺に立てて収納

床に貼られていた木材はキッチンやダイニングの扉に再利用。和室の大広間は襖を外して開放的に。家具は古今東西の古いもの、新しいものを混在させることで、江戸時代から今日まで脈脈と続く時間を感じ取れるような空間になりました。

北と南の掃き出し窓を開け放つと、両側に庭の緑をのぞみ、森の中に暮らしているよう。お客さまがいらした時、季節や天気が良ければ細川さんはテーブルを庭に持ち出して手料理を並べます。時折吹くそよ風や葉擦れの音、虫の声、月明かり。身近な自然を感じながらいただく料理やお酒は、テーブルを囲む人たちの気持ちをぐっと近づけてくれるようです。

トップライトからの自然光と庭の景色を楽しめるテラス。テーブルを外に運べばそこがおもてなしのダイニングに

料理がつないでくれるもの

細川さんは陶芸家である夫とともに、泰勝寺の敷地内で料理教室やお茶会などのイベントを不定期に開催しています。地元の食材を使った料理や採れたての農産物、おいしいパンやお菓子、焼き物などの暮らしの道具。衣食住にまつわるさまざまな産品や体験を求めて、県内外から多くの人が訪れます。細川さんの胸には、東京から来たからこそ分かる熊本の魅力を、県内外の人にもっと伝えていきたいという思いがあります。

熊本を大地震が襲ったのは、まだ記憶に新しい2016年のこと。泰勝寺近辺では建物の倒壊など大きな被害はほとんどなかったものの、長い間ガスと水道が使えず不便を強いられる人がたくさんいました。細川さんの自宅もその例に漏れませんでした。

しかし、菓子パンやインスタント食品で避難所生活を送る人々の疲れ切った姿を見て、何かできないかと考えた細川さんは、友人宅のキッチンを借り、友人とともに野菜のポタージュや炊き込みご飯のおにぎりなどを届けるボランティア活動を行いました。町内会の会長さんを通じて配った食事の数は、一日60食分にもなりました。

「温かく栄養があり、ホッとできるものを1日1食でも口にできれば、今日も頑張って乗り越えようという気持ちになってもらえるんじゃないかと思ったんです」

また、地震によって販路が途絶えた農産物を、料理家ならではのネットワークで東京の飲食店に紹介し、生産者を助ける活動も行いました。当初は善意で引き受けた飲食店オーナーのみなさま、熊本の食材の良さを知り、震災後も仕入れが続いているのだとか。地震は辛い出来事でしたが、図らずも人の団結力や思いやりに触れることができ、貴重な体験だったと細川さんは振り返ります。 

細川さんにとって料理とは、「幸せを分かち合える一番シンプルな方法」。自分が作っても、誰かに作ってもらっても、幸せ。誰かを幸福にする料理をこれからも作っていきたいと、静かに語ってくれました。

テラスに腰かける細川さん。「いつもきれいに家の中を整えて、自分が心地良くいられる場所にしておくこと。
その積み重ねがとても大切だと感じます」

細川亜衣さんに教わる 冬のごちそうレシピ

かぶのクリスマス風

緑のソースと赤いソースが、まるでリースのよう。簡単なのに豪華で美しい前菜です。

〈 材料 〉4-8人分

  • かぶ中4個
  • かぶの1%
  • 赤ワインビネガー適量

●緑のソース

  • 柔らかいかぶの葉1-2個分
  • ハーブ(イタリアンパセリ、ミント、コリアンダー、ディルなど)ひとつかみ
  • オリーブ油大さじ2

●赤いソース

  • 松の実大さじ2
  • レーズン大さじ2
  • ケッパー(塩漬け)小さじ1
  • ドライトマト(オイル漬け)大さじ1
  • プチトマト4個
  • にんにく1かけ
  • 唐辛子1本
  • バルサミコ大さじ1
  • オリーブ油大さじ1

〈 作り方 〉

  • (1) かぶは葉を落とし、皮ごと2mm厚さの輪切りにする。塩をまぶして1時間ほどおき、水分が出てきたら盆ざるに上げて水気をしっかりと切る。赤ワインビネガーをまぶして冷やしておく。
  • (2) 緑のソースを作る。かぶの葉とハーブは細かいみじん切りにし、オリーブ油を混ぜておく。
  • (3) 赤いソースを作る。松の実はパイ皿などに広げ、170℃に設定したオーブンで10分ほど、うっすら色づくまで焼く。レーズンは、ひたひたの水で柔らかく戻してから水気を軽く絞る。ドライトマト(オイル漬け)、プチトマトは小さく切る。にんにくは、皮と芯をのぞいてつぶす。塩漬けのケッパーと種をのぞいた唐辛子はみじん切りにする。ボウルにレーズン、ケッパー、ドライトマト、プチトマト、にんにく、唐辛子を入れる。オリーブ油、バルサミコであえておく。供する前に松の実を入れて軽くあえる。
  • (4) かぶを皿に少しずつ重ねながら盛り、緑のソースを回しかけ、赤いソースをさらにまんべんなくかける。

カリフラワーのパスタミスタ

多彩なパスタの食感が楽しめるパスタミスタ。野菜のうま味をシンプルに味わいます。

〈 材料 〉4人分

  • カリフラワー中1個
  • いろいろなパスタ(今回はスパゲッティ、マッケローニ)120g
  • 800g
  • 適量
  • こしょう適量
  • オリーブ油適量

〈 作り方 〉

  • (1) カリフラワーは洗い、使うまでたっぷりの冷水につけておく。硬い葉と芯のまわりの硬い皮を落とし、別にしておく。
  • (2) パスタは、ロングパスタのみ食べやすい長さに折り、ゆで時間がそれぞれ違う場合は別々にしておく。
  • (3) 鍋に水を注ぎ、カリフラワーの硬い葉や芯のまわりを入れて強火にかける。
    煮立ったら塩を加え、カリフラワーを丸のまま入れて、ふたをして芯まで柔らかくなるまでゆでる。
  • (4) へらで簡単にくずれるくらいになったら食べやすい大きさにくずし、パスタを入れて煮る(ゆで時間が異なる場合は時間差で入れる)。
  • (5) 全てのパスタがほどよい硬さになったら塩味をととのえ、器に汁ごと盛る。こしょうを引き、オリーブ油を回しかける。

レモンオリーブのアリスタ

アリスタは、ギリシャ語で「最高」という意味。イタリア・トスカーナ地方で作られる肉料理です。

〈 材料 〉8人分(約16切れ分)

  • 豚ロース肉1000g
  • 粗塩肉の2%
  • レモン2個
  • にんにく2かけ
  • ハーブ(セージ、ローズマリー、タイムなど)適量
  • こしょう適量
  • オリーブ油 大さじ1

    仕上げ

  • レモン1個
  • オリーブ適量
  • イタリアンパセリひとつかみ

〈 作り方 〉

  • (1) 豚ロース肉は粗塩、にんにくつぶしでつぶしたにんにく、レモンの皮のすりおろしとレモン汁、みじん切りのハーブ、挽いたこしょう、オリーブ油をまぶし、室温に戻しておく。焼き皿に網をのせたところに脂身を上にしてのせる。
  • (2) 250℃に熱したオーブンで5分、140℃で50-60分焼く。
  • (3) 中心に金串を刺して熱くなっていたら取り出し、ボウルなどをかぶせ、温かいところで30分ほど休ませる。
  • (4) 供する前に薄切りにし、皿に盛る。
  • (5) オリーブの果肉の粗みじん切りとイタリアンパセリのみじん切りを散らし、仕上げ用のレモンの皮をすりおろす。オリーブ油を少々かける。

PROFILE

細川 亜衣さん(ほそかわ あい)

1972年生まれ。大学卒業後、イタリアに渡る。帰国後は東京で料理教室を主宰するかたわら、料理家として書籍・雑誌などのメディアで活動。結婚を機に2009年より熊本在住。国内外で料理教室や料理会を行っている。著書に『食記帖』『スープ』『野菜』(いずれもリトルモア)、『パスタの本』(アノニマ・スタジオ)など。

2017年11月現在の情報となります。

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