リビング・ダイニング・キッチンを一体化した大空間の間取りは、開放感があり心地良いもの。ただ、上手にアクセントをつけないと大味な空間になりがちです。今回は床や天井の高さをうまく調節して、生活シーンを適度に区切れるようなリズムのある空間づくりをご紹介します。
立って使う場所、座って使う場所、あるいは寝転んで使う場所など、各々の使い方に応じて重心をどこに置けば全体のバランスが良くなるか考えましょう。例えば家族団らんを楽しむリビングは、自然と人が集まり、ゆっくりと座ってくつろげるような工夫が必要です。そこで床を周囲より低くして重心を下げると、包まれるような安心感が得られます。ソファや窓際のベンチに腰かけたり床に寝そべったりと、自由な過ごし方が可能に。窓から外を眺めると、床レベルを下げているため庭の緑との距離も近く感じ、居心地の良い空間が実現できます。
また、階段と吹き抜けを組み合わせて中2階を設けると、1階と2階をゆるやかに繋げられます。上下移動のための通路だった階段がギャラリーやくつろぎのスペースに変わり、まるで第二のリビングに。1階や2階にいる家族と目線の高さが異なる場所で、それぞれの時間を過ごしながらも同じ空間を共有できます。
住まいづくりを検討する際は、使い方やどんな印象を持たせたいかを考え、縦・横の両方向を意識しながら空間をイメージしてみてください。
バーカウンターなど落ち着き感を演出したい場所は、折り下げ天井を採用するのもおすすめです。アクセントになる上、周囲との天井高の差を利用して間接照明を入れると、部屋全体が柔らかい光で満たされ天井面がすっきりとした印象に。
寝室も天井が低い方が居心地良く、安心して休めます。
あえて一部分だけ天井高を下げることで、落ち着いた空間を演出
階段下のスペースを土間として活用し、趣味に打ち込める空間にしてはいかがでしょうか。天井高を1m90㎝に抑え重心を低くすることで、コンパクトで落ち着いた雰囲気になります。
思い出の品やお気に入りのインテリアを置くなど、趣向を凝らした「隠れ家」にこもって自分だけの時間を過ごすのもおすすめです。
床レベルを下げ、階段下に土間スペースを確保。
居心地の良い「安心感」が得られます
2016年5月現在の情報となります。