寒いからと、熱めのお湯に長時間つかっていても、体の表面温度が上がるだけで、体全体は温まりません。また、熱いお湯は皮膚から皮脂を奪いやすく、乾燥が進みます。38~40℃ぐらいのぬるめのお湯にゆったりとつかると、体の芯から温まり、血行が促進されます。また、副交感神経が刺激されてリラックスでき、眠りやすくなります。
寒い脱衣室で服を脱ぎ、熱い湯船につかると、急激な温度差によって、血圧の変動が大きくなり、心筋梗塞、脳梗塞などを起こすことがあります。これをヒートショックといいます。飲酒後の入浴もさらに心拍数が上がり大変危険です。また、入浴後は発汗によって失われた水分をしっかり補給することも大切です。
湯上がりは、すぐにパジャマに着替えると汗でまた体が冷えてしまいます。体を拭いたらバスローブを羽織り、保湿クリームを塗って肌をケア。水分補給も忘れずに。
体がぽかぽかと温まる半身浴ですが、上半身をぬらすと冷えを感じやすくなります。かけ湯は湯船につかる部分だけにし、肩に乾いたバスタオルをかけておきましょう。
急激な温度差で起こるヒートショックを防ぐためには、脱衣室や浴室をあらかじめ暖めておくこと。暖房機能付浴室換気乾燥機の暖房機能を使うか、入浴前に衣服を着た状態で、熱めのシャワーを浴室の壁全体にかけておきます。
冬至(2016年は12月21日)の柚子湯には厄払いするための禊(みそぎ)の意味がありました。柚子湯には血行の促進や風邪予防、また芳香によるリラックス効果が期待されます。柚子はカットしてガーゼなどで作った袋に入れると、香りや成分が出やすくなります。ただし、肌がピリピリと刺激を感じる場合があるので、入れる量は調節してください。
バスルームの設備もどんどん進化しています。ゆっくりくつろぎたい、掃除を楽にしたいなどの希望を、環境にも家計にもやさしく、かなえることが可能です。最新バス機器の内容をご紹介します。
※メーカーによって機能が異なりますので、事前に確認ください。
時間が経っても温度があまり下がらない「高断熱浴槽」なら、家族の入浴時間が異なる家庭でも追い焚き機能を使う回数が減らせて経済的。また、形状により節水の効果を高めたり、子どもと一緒にゆったりと入浴するスペースを確保できるなど、家族のライフスタイルによって選べるよう、多彩な浴槽が登場しています。
冷めにくい、高断熱浴槽
浴槽断熱材と軽量断熱ふろフタによる断熱構造で、高い保温力を発揮。4時間後の温度差がわずか2.5℃以内。
※実験値であり、保証値ではありません。
入浴スタイルに合わせて選べる浴槽
高い節水効果を持ちながら、ゆったりとお湯につかれる浴槽(左)や洗い場側にゆったりと張り出したゆとりある浴槽(右)など、形状もさまざま。
足が触れたときにヒヤッと感じさせない床は、冬場の不快感をやわらげます。同時に水はけがよく乾きやすいうえ、汚れがつきにくく掃除しやすい特長も備えています。また、暖房機能付浴室換気乾燥機を設置すれば、浴室を暖めるのはもちろん、夜間 や雨の日の洗濯物の乾燥にも役立ちます。
ヒヤッとしない&汚れがつきにくい床
断熱層により足が床に触れたときに足裏にヒヤッと感じさせず、水はけがよく、滑りにくい溝パターン。表面には皮脂汚れがつきにくく落としやすい処理が施されている。
清潔に保つためには、掃除のしやすさがポイントです。皮脂汚れなどがつきにくく落としやすい素材やコーティングを施した浴槽もあります。排水口もゴミ捨てがラクなだけではなく、凹凸をなくして掃除しやすくなっているタイプも。また、カウンターやドアまわりなども、汚れがたまりにくいように工夫されています。
お手入れが簡単な排水口
髪の毛がまとまりやすい配慮と、汚れがつきにくく清掃しやすい工夫がされている。
バスタイムをもっとくつろぎ空間にするために、そのときの気分やシーンで明るさを変えられる照明も登場しています。また、湯水に空気を含ませることで、高い節水効果と心地よいシャワー感を実現したシャワーヘッドや、ミクロの泡が心地よいお湯をつくる装置など、さらにリラックス感を高めるアイテムもあります。
あかりでリラックス
明るさを維持しながら、昼白色と電球色を切り替えられる、LED照明。
高機能シャワーヘッド
きめ細かな気泡を含んだシャワーで、肌の表面の皮脂汚れをすっきり除去できるなどの機能を持ったシャワーヘッドも。
2016年10月現在の情報となります。