収納空間は仕切れば仕切るほど使いやすくなります。例えばカトラリー類は、引き出しを細かく仕切って、大きさや用途別に分類して収納すれば探す手間が省けます。食器も取り出しやすいよう、種類の違う物はなるべく重ねず収納。冷蔵庫の野菜室なども、かごなどを使って、食品を立てて収納すれば、一目でわかり、ムダが減らせます。
収納は、食品、食器、調理器具など種類別に分類するのが基本ですが、使用頻度を考慮するとさらに使いやすくなります。例えば、調味料はすべて同じ引き出しに入れず、よく使う物だけを「一軍」として取り出しやすい場所に収納することで調理効率がアップ。また、朝食専用にカトラリーや食器をまとめておくだけで、朝の忙しい時間にさっと支度ができます。
朝食に使う箸、ヨーグルト用やコーヒー用スプーンは、ほかのカトラリーとは別に、マグカップやランチョンマットと一緒に食器棚に収納。ちょっとしたことで朝の時間に余裕が生まれます。
例えばよく使う「しょうゆ、みりん、お酒、サラダ油」は、ほかの調味料とは別に、コンロの近くに収納。調理中にさっと取り出せて便利。
食器棚の棚板が足りなければ、ホームセンターで木材をカットしてもらってプラス。食器類はなるべく重ねないように収納することで、出し入れがスムーズにでき、ストレスがありません。
引き出しはできるだけ仕切り、カトラリー類も、大きさ別、種類別に収納。毎度探す手間が省けます。
マスキングテープに日付を書き込んで、食品に貼る、メモを書く…、こうしておくことで整理ができます。引き出しの手前に入れておきましょう。
充実した収納や作業がしやすいカウンター、掃除がラクな換気扇など、家事の負担を減らし、調理効率がアップできるよう、キッチン設備は、どんどん進化しています。
最近主流のスライド式収納は、たっぷり収納できて、奥にしまった物もよく見え、出し入れが簡単。さらに、手前には包丁を入れるポケットや小物を入れる引き出しが付いたタイプもあり、調理中にもさっと取り出せます。また、足下のデッドスペースにホットプレートやカセットコンロなど大きな道具やストック品が収まる引き出しが付いたタイプもあり、スペースがムダなく使えます。
●スライド式収納
扉裏にまな板や包丁が入れられるポケット、上部に小物用のインナー引き出し、そして鍋などが入るストッカーと3つに分かれた使いやすい収納。
●ステンレス底板
引き出しの底板が、ステンレスで掃除しやすいタイプも。
ワークトップに人工大理石を使い、カウンターとシンクに継ぎ目がないタイプや、水流で汚れやゴミが排水口にたまるタイプなども登場。シンクのお手入れがぐんとラクになります。また、大きな鍋やフライパンなどがすっぽり入り、洗いやすい大きなシンクも人気。シンクの一部を調理スペースとして使えるタイプも。
●トリプルステップシンク
シンクの一部が調理スペースとして使え、手入れもラクな人造大理石のシンク。
●汚れがつきにくいシンク
ゴミや汚れが、水流で排水口に集まり、自然とシンクがきれいに。
掃除がおっくうな油汚れも手入れが簡単に。コンロは、フラットなガラストップが主流になり、拭き掃除もぐんとラクに。また、換気扇も汚れがつきにくいコーティングやデザイン、自動洗浄機能付きのものが増えています。
●自動洗浄機能付き換気扇
電源をオフにすると、自動で残置運転となり、ゆっくり回転しながら、ファンについたオイルを飛ばし、プレートに集める。
(左)普段はさっと拭くだけ。
(右)プレートは年に1回取り外して、食器洗浄乾燥機で洗うだけでOK。
収納スペシャルアドバイザー 一級建築士
大和ハウス工業株式会社
多田綾子
「ライフスタイルに合わせて収納を工夫することで、毎日の暮らしが便利に、楽しくなります。まずは身近なキッチンから始めてみましょう」
2017年2月現在の情報となります。