犬と暮らす家がつくりたい!
プランをじっくり検証
前回は図面を公開したが、細かい部分までは紹介しきれなかった。そこで今回の前半は「ライフミーティング」から盛り込まれたアイデアの数々を紹介しつつ、後半では3D映像を見せていただきながら、プランを見てみたい。
犬と暮らす家の全貌が、少しずつ明らかに。
3D映像:まちなかジーヴォ東川口
素晴らしい提案を受けているが、図面だけではイメージしにくい部分も多そうだ。
プロの視点にビックリ
Team-xevoの池田京子さん(写真左)、間宮裕二さん(写真左から2番目)にふだんの家の様子を見せる私。
チームジーヴォの皆さんをわが家にお招きして実際の暮らしぶりを見てもらう「ライフミーティング」を行った様子は4回目でご紹介をした。そのときにプロの視点で不便そうだと感じた点がプランで見事に解決されていたのだが、そのひとつひとつを見ていこう。
- ※掲載の間取り・外構・植栽図は設計図書を基に描き起こしたもので実際とは多少異なる場合があります。
- ※車・家具・家電・備品等は価格に含まれません。
❶ 玄関・勝手口周り
わが家の勝手口のドアクローザーはレインコートや上着が掛かっていたりと、本来の使い方とはかけ離れた状態で、さらに洗面台の扉には市販のフックを追加してあったり、プランには、それらをすっきりまとめるため玄関に広めの収納スペースが設けられている。
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Team-xevo 池田京子さんコート掛けが無いために、ドアクローザーやドアのレバーハンドルに散歩着やレインコートが…また洗面化粧台の扉にかけてあった鍵も、ここにあるべきものでしょうか?
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歩着や犬用のレインコートが掛けられるコートクロークを設置
❷ 洗面室周り
人間用のバスタオルのほかに犬用バスタオルなどがあり、わが家の洗面室はバスタオルだらけ。入りきらない分は1階のウォークインクローゼットに入れているのだが、それらを解消するために洗面室にも大きめの収納を設置。見られてるなぁ。
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Team-xevo 池田京子さん人が使うタオルやバスタオルに加えて犬用のタオルもあり、洗面室に入りきらないものはウォークインクローゼットの中にしまってありました。
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人間用のタオル収納と犬専用のタオル収納を洗面室に配置。
❸ 犬用グッズの収納
リード類は玄関脇に後から追加した棚に丸めて入れているのだが、それではかさばるし、リードもからみやすいとのことで、玄関脇にはリード類を引っかけられるフックを追加。たしかにこれはありがたい。
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Team-xevo 池田京子さんお散歩の時に使うリードは長さもあり結構かさばるもの…丸めてしまっておくとからまりやすく使いづらいですね。玄関にお散歩用品収納をプラス。「バーフック」※写真は現地写真ではありませんが現地と同一です。備品等は価格に含まれません。
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リードは引っ掛けてしまえると便利ですね。
❹ モップなどお掃除道具の収納
多くのいぬ飼いの家庭もそうだと思うが、床に落ちた抜け毛を掃除するので、モップ類がいたるところに放置されている。それらを見えないところに収納して、いつでもさっと取り出せるちょっとしたお掃除グッズ専用の収納スペース。
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Team-xevo 池田京子さんお部屋の至る所に置かれていたモップ類…気がついた時にすぐ手に取って掃除が出来るような収納があれば便利ですね。
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ちょっとした隙間を利用した、お掃除グッズ専用の収納スペースをご提案します。
❺ 大吉・福ちゃんの写真、犬アイテムの飾りもの
好みの問題もあるかもしれないが、わが家では犬たちの写真をベタベタと壁に貼っている。犬の写真でなくても、リビングに画や写真を貼るギャラリースペースがあるのはうれしい(何も考えられていないと貼る場所がなくて困ったりするので)。
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Team-xevo 池田京子さんかわいいペットの写真はどんどん増えていきますね。また犬好きな方は、犬アイテムの飾りものもたくさん飾りたくなりますね。
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専門のギャラリーやピクチャーレールなどで思う存分、飾ってください。
❻ キッチン周り
キッチンには広めのパントリーを設置。わが家の換気扇の上にはキッチンペーパーやティッシュなどが無造作に置かれていたが、そういうところをしっかりチェックされていた。さすが。いずれにしてもキッチンに収納が多いのは助かる。
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Team-xevo 池田京子さんキッチン周りには細かなものがたくさんあって収納に困りますよね…ペットグッズをはじめ、いろいろな収納に対応。…「フロートストッカー」※写真は現地写真ではありませんが現地と同一です。備品等は価格に含まれません。
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パントリーには食材や備品のストック収納も設置。
❼ 犬用水飲みスペース
ライフミーティングのときも足を引っかけてこぼしていた犬用の水飲みスペースだが、こうして廊下の一角をへこませれば引っかけてこぼすこともない。しかも部屋側は小物の専用棚になっているというスグレモノ。これは便利。
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Team-xevo 池田京子さん廊下の一角にあった水飲み場…我々がお邪魔した際も2回ぶつかって水をこぼしてしまいました。
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廊下の一角を掘り込んで専用の水飲みスペースを設置。(部屋側は小物の専用棚として利用)
❽ お掃除小物などの専用棚
モップ類と同じく、わが家には粘着テープクリーナー(いわゆる:コロコロ®)もいたるところに置かれている。その他ブラッシンググッズなども出しっぱなしになりがちなので、それらを収納できる収納スペースが提案されている。取り出しやすくしまいやすいうえに、階段ホールにあるので場所もとらない。
※「コロコロ®」は(株)ニトムズの所有する登録商標です。
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Team-xevo 池田京子さんコロコロ®やハンディモップなどもお部屋の至るところに準備…。また消臭スプレーなどは犬たちの届きづらい高さのスピーカーの上に置いてありました。取り出しやすく、しまいよい位置に収納を。…「階段ホール収納」※写真は現地写真ではありませんが現地と同一です。備品等は価格に含まれません。
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取り出しやすくしまいやすい位置の小物収納や高さのある小物棚を設置。
これらが、チームジーヴォの皆さんがわが家での「ライフミーティング」を踏まえて提案したいポイントだという。たしかにあると便利なものばかり。そして、犬と暮らす人なら取り入れたいアイデアではないかと思う。ふだんの生活そのままをチェックするライフミーティングは、こういうために行うのかと今更ながら実感した。
3Dでバーチャルに家づくりを体験
図面はだいたい頭に入ったところで、次は3Dでプランが見られるという。仮想空間をゲームのコントローラーのようなものを使って自由自在に見ることができるらしい。ちなみにこの過程もダイワハウスで家を建てる際には行われる行程とのこと。ではさっそく、犬と暮らす家の中へ入ってみよう。
Team-xevoの池田京子さんの操作で、バーチャル空間に犬と暮らす家の完成予想図が現れた!
まずは玄関を入ったところから。スクリーンに注目していただくと、右にシューズボックスがあり、上には光が入る窓が見える。こうして図面だけではなく立体的に見られると、実際に建った家をイメージしやすい。
決められた角度からだけではなく、まるで本当に家の中にいるかのように右を見たり、左を見たり自由にできる。
立体的に見ることで、家の全体像が現実的に見えてくる。そうすると、「ここはもうちょっとこうしたほうがいいかも」という部分がわかってくる。
要望どおり、犬用トイレスペースの上には収納スペースが。これも平面図ではピンとこなかったところだ。立体映像ならば、空間を無駄にしなくて済んでいるのがよくわかる。
写真だけを見るとゲームで遊んでいるようですが、真剣にプランを検討しています。
土地と建物の位置関係から日の当たり具合なども計算されているので、家の中の明るい場所も実感できる。すごい時代になったものだ。
プランをさらにブラッシュアップしていく
ひと通り家の中を見せていただき、今回のプランがかなりイメージできた。同時に、もう少し改善したい点もいくつか見つかった。それにこのプランはあくまでも家の間取りを決めるもので、ようするに骨格的なもの。外装や内装はもちろん、ずっとポイントとしてあげている床材もまだ決まっていない。
Team-xevoの内田眞里江さん(写真右)より、床材の提案をいただく。
床と階段の材質を何にするかについては、何度もチームジーヴォの皆さんと検討しているが、まだ決めかねている。それらを相談しつつ、プランも同時にブラッシュアップしていく必要がある。
いろいろなカタログのサンプルを触るが、床材がなかなか決まらない。
和やかな雰囲気の中にも、家づくりへの真摯な情熱を感じたプラン提案だった。
いぬのきもち編集室eyes
3D映像の中に太陽光が入る様子までシミュレーションされていたが、ペットと暮らす中でも日当りはとても大切です。『いぬのきもち』でも季節の暑さ・寒さ対策の特集は定番ですが、熱中症や泌尿器疾患を予防するためには水分補給がとても大切。今回の「犬と暮らす家」のように人の導線を邪魔しない水飲みスペースがあることは、犬にとっても人にとっても安心です。
その頃の大吉と福ちゃんは…
ところで、このプランを動物の専門家である獣医師さんが見たらどう思うのだろう。もしかしたら、我々が見落としているようなポイントが見つかるかもしれない。そんなわけで、次回は獣医師さんのところへ行き、犬と暮らす家づくりの注意点や今回のプランを検証してもらいます。どうぞお楽しみに。
- ※「まちなかジーヴォ」とは
全国の“まちなか”に建つ、地域密着型のオープンハウス。近隣の街並みや、現実的な大きさの土地にあわせて設計を行っているので、実際の住まい作りの工夫や考えが注ぎ込まれている。 - ※「いぬのきもち」とは
愛犬との毎日をもっと楽しく、ステキに過ごす為の、雑誌とふろくのセットの生活総合誌です。毎月、直接ご自宅にお届けいたします。
作者プロフィール
穴澤賢(あなざわまさる)
1971年大阪生まれ。犬猫と酒と音楽と釣りこよなく愛するフリーランスのライター。著書に「ひとりと一匹(小学館文庫)」、「またね、富士丸。(集英社文庫)」、絵本「明日もいっしょにおきようねー捨て猫でかおのはなし(草思社)」、CDブック「Another Side Of Music(ワーナー・ミュージック・ジャパン)」などがある。
連載:いぬのきもちねこのきもちWEB「穴澤賢の犬のはなし」
大吉(オス・3才)
2011年8月17日生まれ。茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれたミックス。「いつでも里親募集中」というWebサイトを経て穴澤家へ。雷と花火と暴走族が苦手。海も特別好きではない。
福助(オス・1才)
2014年1月11日生まれ(推定)。千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。保護される前の経歴は不明のミックス。やんちゃで暴れん坊。大吉のことが大好きで、いつもくっついては大吉にうざがられている。
犬と暮らす家がつくりたい!
はじめに
家を建てる準備
プランや仕様を決める
- vol.5 チームジーヴォからのプラン提案 ~その1
- vol.6 チームジーヴォからのプラン提案 ~その2
- vol.7 獣医師の視点でプランをチェックしてもらおう
- vol.8 内装(インテリア)を決めよう!
建設中
完成
まとめ