vol.3 Team-xevo(チーム・ジーヴォ)からのプラン提案
猫と暮らす理想の家の設計図ができた
写真左から、石黒、チーム・ジーヴォのナビゲーター:小坂健太朗さん、デザイナー:田中琢也さん、ナビゲーター:山﨑千尋さん
愛猫コウハイはお留守番中
この連載も3回目となりました。第1回で展示場を見学して夢を膨らませ、第2回ではTeam-xevo(チーム・ジーヴォ ※以下、チーム・ジーヴォ)の皆さんがわが家を訪問したライフミーティング。実際の暮らしを振り返り、新居に活かせるように問題点を確認しました。
そして今回は、設計図を見せていただくことに。
「猫と暮らす理想の家」が現実的になってくるのです。いったい、どのようなプランになっているのでしょうか。
ドキドキで少々緊張しながらお邪魔したのは大和ハウス工業東京本社。こちらでチーム・ジーヴォの小坂健太朗さんと田中琢也さん、山﨑千尋さんと待ち合わせです。
3人と合うのも3回目。和やかムードでしたが…
おや?ひとり汗をかいていらっしゃる方が。設計を担当してくださった田中琢也さんです。
今回は田中さんが中心となって、私にプランを説明してくださることになっているのです。
どんな家が建つのか楽しみ。
さっそく、プランをお伺いすることにしましょう。
猫に優しい住宅プラン登場!
「まずは、ひと通り説明をしますね。プランをご覧ください」と田中さん。
「まず、玄関は西向きになっています。ひとつの空間にリビングとダイニング、キッチンと続きますが、キッチンは半透明の引き戸を閉めると完全に独立します。
食事の準備中など、猫に入ってきてほしくないときには、戸を閉められます。リビングを南側に配置したので、猫のひなたぼっこに最適です」と田中さん。
- ※掲載の間取り・外構・植栽図は設計図書を基に描き起こしたもので実際とは多少異なる場合があります。
- ※車・家具・家電・備品等は価格に含まれません。
- ※提案時の手書き図面から反転しました。
至る所に「ねこ」の文字!! ワクワク感が高まります
キャットウォークは2階までつながっていました
細かく見ていくとソファの後ろには窓との間に幅があったので「ここ、コウハイが好きそうな場所だな~」とつぶやいたところ、小坂さんが「石黒さんちにお邪魔したとき、コウハイちゃんがソファの上に座っていたので」。ニャンと心憎い!
そしてソファに座って正面を見ると……。おぉ、憧れの猫階段! 猫が登れるように短めの板を埋め込み、2階までつながっています。
図面を眺めながら、想像するのは、コウハイが得意げに階段を登る姿。「これで念願の猫見酒が楽しめる~」。
日当りのよいリビングで気持ちよさそうに過ごすセンパイの様子が目に浮かぶよう
ライフミーティング中のコウハイ。こんなシーンを覚えていてくれているとは感激です!
気になるところは、とことん話し合う!
私が気に入ったのは、人間用のトイレと猫用トイレが近くにあること。ですが、ここでちょっと迷いが出ました。図面では人間用トイレのドアを開けた正面にネコ用トイレを設置することになっています。
もう一案として、玄関を入って左側にトイレのドアを設置するプランを考えました。トイレスペースが広くなって、人間用と猫用トイレがひとつの空間に置けるんです。
そう提案する私に田中さんは「なるほど。それもおもしろいですね。ただ、そうすると窓の前にドアができるので、玄関が昼間でも暗くなりますが、気になりませんか?」
マンション住まいの人は玄関の薄暗さはあまり気にならないそう。でも、一戸建てに住んでいる人は気になってしまうみたい。なるほど~。
現状のプランでは、トイレの正面に猫用トイレを設置。猫用トイレの上にはトイレ砂などを入れられるフロートストッカーが設置されています
もう一案も設計図に書き込んでみます
手応えのある話し合いとなり「猫と暮らす理想の家をチーム・ジーヴォのみなさんといっしょに家づくりをしている」という実感が湧いてきます。あとは、キッチンから洗面スペースに入るドアを今の位置より南に付けてもらうことにしました。
そして私の懸案だった件。そうです、網戸。「コウハイが網戸を破るため、何度張り替えたことか」と涙の訴え(?)を、チーム・ジーヴォは忘れてはいませんでした。
あちこち探していただき「これなら!」という網を見つけてくださったのです。爪で引っかかれても破けないくらい丈夫で外の景色もきれいに見えるもの。手にとってみて、納得しました。
こんなふうに、リクエストをしっかりキャッチしてくださり、確実に答えてくれることが本当に嬉しいです。
チーム・ジーヴォからのサプライズ!不思議なバーチャル空間へ
『TRY家Lab』とはダイワハウスの住まいの体験施設だそう。どんな体験が待っているのでしょう
満足いく話し合いが進み「この図面がカタチになるのが楽しみです!」そう言う私に、もうひとつ、驚きのプレゼントが用意されていました。
小坂さんが「これから『TRY家Lab(トライエラボ)』にご案内しますよ」。TRY家Lab…それって何!?
「設計図をそのまま3D化して実際の住まいのように体験できる、注文住宅の試住を実現するのが『TRY家Lab』です」と小坂さん。
緑の空間に戸惑う私とTRY家Lab館長の高瀬愉理さん(写真左)。ヘッドギアを装着すると、そこに広がっていたのは…!?
服を買うときに試着をするように、家も作る前に試住するということですか?バーチャル技術を駆使して、さっき見せていただいた設計図の家を体感することができるというのです。
でも、どうやって体験するの??
半信半疑な私を、TRY家Lab館長の高瀬愉理さんがある部屋に連れてきてくれました。扉を開けると、そこには緑一色の不思議な空間が広がっています。
わぁ、私が装着している画面にはちゃんと「猫と暮らす理想の家」が広がっています。リビングにはセンパイもいましたよ!
「ソファに座るとこんな感じで家の中が見渡せるんだなぁ」と体感できたり、部屋の広さや、玄関からリビングへの動線、キッチンと浴室の距離などを実感することができました。
こうしたバーチャル体験は、頭の中で完成図を予想するよりも地に足がついた視点で想像を膨らませることができます。
体験後は山﨑さんに家のミニチュアも見せていただき、立体的に把握することもできました。設計図を五感で体感できるなんて驚きです。
私の目の前には、写真のような光景が見えています
リビングでくつろぐ猫をなでてみようとするの図
キャットウォークには、歩いている猫の姿も。左の画面が私の視線で、右側は部屋全体を映しているそう。私がキャットウォークを見上げているのわかりますか?
あらゆる角度から見て感じ、自分で選んでの家作り。この記事が公開されるときには建築中のはず。完成が楽しみでなりません。でも困ったことがひとつだけ。この家に住んだら、もっと猫を飼いたくなると思う。センパイ、コウハイ、新しいコを迎えてもいいですか?
ねこのきもち編集室eye's
石黒さんの意見を取り入れた、猫と暮らす理想の家の設計プランができあがりました!
『ねこのきもち』2016年3月号の特集『7つのシーン別最低限必要な「猫モノ」はこう選ぶ』では、「上下運動ができれば、猫は室内暮らしでもハッピー」と猫にとって心地よい空間づくりの提案をしています。猫は高い場所が大好き!
今回の猫と暮らす理想の家も、吹き抜けのリビングに上下移動できるキャットウォークが設置されています。家という限られた広さの中でも、高さが満たされて猫にとっては楽園です。
その頃のコウハイ 理想の家を想像中!!
筆者プロフィール
石黒由紀子
エッセイスト
栃木県生まれ。日々の暮らしの中にある小さなしあわせを綴るほか、女性誌や愛犬誌、Webに、犬猫グッズ、本のリコメンドを執筆。楽しみは、散歩、旅、おいしいお酒とごはん、音楽。著書に『GOOD DOG BOOK ーゆるゆる犬暮らしー』(文藝春秋)、『なにせ好きなモノですから』(学研)、『さんぽ、しあわせ。』(マイナビ)など。
愛犬センパイ(メス・11才/柴)と愛猫コウハイ(オス・6才)、夫との2人と1頭、1匹暮らし。
※2017年3月現在の情報となります。
猫と暮らす家もつくりたい!