生活用品に洋服など…住まいのモノは捨てなければ増えていきますが、「収納」スペースは限りあるもの。
だからこそ、うまく活用したいと考える方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、快適な収納をかなえる上でおさえておきたい要素を探るべく、
収納方法や設備に関するアンケートを実施しました。
調査時期 | 2024年4月11日~4月21日 |
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調査対象 | My House Palette メールマガジン会員 |
有効回答数 | 393件 |
調査方法 | My House Palette メールマガジンでのアンケート |
Q1. ご自宅に備え付けられている収納設備を教えてください(複数回答)
まずは収納の実態を探るべく、ご自宅に備え付けられている収納設備についてお聞きしました。最多は「押し入れ」(73%)。最近は和室を設けない住まいが増えているものの、回答者の7割は押し入れがあると回答しました。次に「玄関土間収納(シューズボックスなど)」(67%)、「洗面所の収納棚」(65%)、「クローゼット」(61%)と続きました。
住まいの種別に見ると、「階段下収納」「ウォークインクローゼット」「納戸」は戸建住宅で所有率が高く、「クローゼット」や「洗面所の収納棚・トイレ収納」などの水回りの収納は分譲マンションが充実している傾向がみられました。
どんな使い方をしているのか聞いてみると、「適材適所に、その空間で使うものをしまっている」という意見が大多数でしたが、「なんとなくしまっているだけなのでモノが把握できていない」「奥行きをうまく生かせていない」という声も散見され、何かしらの問題を抱えている様子がうかがえます。
Q2. 収納しやすくするためにご自身で購入・設置した収納家具や便利グッズがあれば教えてください(複数回答)
最多は「既製の収納家具(たんすやチェスト、本棚など)」(51%)で、既製の収納家具を導入して、収納力アップをはかっている方が半数を超えました。使い方としては、「備え付けの収納に入り切らない衣類や本を入れている」「キッチンに設置してパントリー棚として使っている」という意見もみられました。
次に多かったのが「手軽に収納スペースを増やすためのボックス・ケース(衣装ケースやカラーボックス、バスケット、キャスター付きワゴンなど)」(47%)。押し入れやクローゼットの内部を、衣装ケースを使って人別、季節別に分けて使いやすく整理しているようです。バスケットやワゴンには、文具など日常で使うこまごまとしたモノを入れて整理しているようです。
「手軽に収納量を増やすための収納グッズ(小物入れや収納仕切り、クリアケース、ウォールポケット、圧縮袋など)」(30%)の意見も多くみられましたが、こちらは既製の収納家具やカラーボックス・ワゴンなどと併用している方が多数でした。
Q3. ご自宅の収納設備には満足していますか?
ここで、収納設備の満足度を聞いてみると「不満がある」(53%)と「満足している」(47%)がきっこうしましたが、「不満がある」がやや上回る結果に。しかし、住まいの種別で見るとその割合は変わります。
「満足している」と答えた方の割合は、戸建住宅53%、分譲マンション41%、賃貸マンション・アパート30%と、住まいの種別の変化に応じて満足度が下がっていく傾向がありました。戸建住宅は物理的に収納面積を多く確保できること、さらに注文住宅の場合、よりライフスタイルに合わせて収納を設計できることが満足度に影響していると推測されます。詳細を見てみましょう。
「満足している」と回答した方
- 部屋の一角につくったリビング収納は、扉付きで隠せるのがいい。すぐに使いたいものがリビングにあるのは便利(戸建住宅)
- 収納スペースは備え付けのみ。オープン収納にしたことで片付けの習慣がついた(戸建住宅)
- 階段下の収納スペースに収納するものを決め、棚にはサイズの合ったものをそれぞれ収納し、長いもの(掃除機など)は仕切り板で収納スペースを確保した。より快適に使うために既製品で補い、不便を解決した(戸建住宅)
- 廊下収納が便利で使い勝手がいい(分譲マンション)
- 賃貸だが収納設備は豊富にある(賃貸マンション・アパート)
「不満がある」と回答した方
- 階段下収納は奥行きがあるが幅が狭く、かえって使い勝手が悪い(戸建住宅)
- すでに本棚を持っていたので備え付けの本棚は設置しなかったが、書籍が増えてきたのでつくればよかったと後悔している(戸建住宅)
- パントリーの容量が足りず、買いだめがあまりできない。玄関にクロークがあればよかった(戸建住宅)
- 布団や季節家電をしまう大きな収納スペースが不足している(分譲マンション)
- クローゼットが狭く、子どもが成長したら足りなくなってしまう。今後のことを見通したサイズ感を想定できればよかった(分譲マンション)
- 賃貸マンションではあまり見ないが、リビングに壁面収納があればよかった。(賃貸マンション・アパート)
- 押し入れが湿気でカビが発生しやすい(賃貸マンション・アパート)
家族が増えたり、長く住んでいたりするとどうしてもモノは増えてしまう傾向があるようです。それでは一体、どんなモノの収納に困っているのでしょうか? 次の回答で見ていきましょう。
Q4. 収納するのに困っているモノはなんですか?
(複数回答)
ダントツの1位は「洋服」(50%)。「洋服が増えてしまい収納できるスペースを超えている。本当になんとかしたい」といった切実な悩みが目立ちました。衣類は流行や好みの変化によって増えやすく、思い切って捨てられなければすぐに収納スペースを圧迫してしまうでしょう。出し入れしやすい収納設備がないと、衣替えもストレスになりそうです。
続いて、スペースを取りやすい「寝具」(32%)、形状がさまざまで増えやすい「キッチン用品(食器、調理道具など)」(31%)、かさばりやすく使用シーズンも異なる「イベント・季節用品(クリスマスツリーやひな人形、暖房・冷房器具など)」(同)と続きました。
「パントリーが欲しかった」との声も多くみられた「保存食品」(29%)も上位にランクイン。「趣味のグッズ」(同)、「本」(25%)に関しては、必要収納量は人それぞれですが、将来増える分まで見通しを立ててから収納計画を行う必要がありそうです。
Q5. 収納を使いやすくするために、今後実践したい・興味がある解決方法を教えてください。(複数回答)
それでは快適に住まいの収納空間を使うには、どのような解決策があるのでしょうか。今後実践したい・興味がある解決方法について伺ったところ、「無駄なものを捨てる」(73%)が7割を超える結果に。まず不要なものを処分し、定期的に取捨選択することは、快適な収納スペースの維持に欠かせません。
次に多かったのが「収納の仕方を工夫する(畳まない収納や、見せる収納など)」(35%)でした。例えば、引き出しにしまっていた衣類を畳まずにハンガー収納にすれば、収納スペースに余裕が生まれるかもしれません。ハンガーで干す→ハンガーのまましまうだけなので家事の時短につながり、持っている洋服を把握しやすいメリットもあるでしょう。
現状の収納スペースに限界を感じている方からは「収納家具を買う」(20%)という回答も。ただし、収納グッズを置けば新たなモノが増殖する恐れがあり、使える床面積も狭くなるため、しっかり検討してから導入を決めたいものです。
また、「収納スペースを増やすDIYをする」(10%)、「収納スペースを増やすリフォームをする」(9%)、「より収納スペースの多い戸建住宅・マンションなどに住み替えをする」(7%)を足し合わせると、26%が抜本的な収納設備の見直しを希望していました。
Q6. 今後家づくりをするとしたら、収納設備を充実させたい場所はどこですか?(複数回答)
収納設備を充実させたい場所をたずねてみると、収納で困っているモノ1位だった洋服の収納場所とは異なり、「キッチン」「リビング」(いずれも37%)の収納設備に多くの回答が集まりました。洋服の場合、押し入れやクローゼットなど、すでに収納スペースが設けられているケースも多く、「洋服を減らす」といった手近な対策が立てやすいからかもしれません。
なお「キッチン」の回答者からは「パントリーをつくりたい」との声が目立ちました。保存食品やドリンクなどのストック品、調理における消耗品、使用頻度の低い調理家電など、キッチンは生活用品がどうしても多く集まってしまう場所のため、キッチンにおける収納設備が満足度を左右するといってもいいかもしれません。
一方「リビング」の回答者からは「長く過ごす場所だからすっきりさせたい」等のコメントが寄せられました。リビングは団らんだけでなく、子どもの遊び場や勉強場所、家族のテレワークなど多様な過ごし方が想定される場所。さまざまなモノを柔軟にしまえる収納スペースがあることで、きれいなリビングを保ちやすく、心地よさにもつながるのでしょう。いずれも家づくりのタイミングでないと導入しにくい場所のため、検討時の計画が重要です。
以下に場所ごとの要望などをまとめましたので、参考にしてみてください。
キッチン
- ごちゃつきがちな食品をすっきりしまえる、パントリーが欲しい
- 来客用やお正月用の食器、電気圧力鍋やミキサーなどたくさんの調理家電があるが、収納スペースが足りない
- 箱買いでストックしているものがたまって見た目がイマイチになってしまっている
リビング
- 趣味のものは長い時間を過ごす場所におきたいので、リビング収納を充実させたい
- 子どもがリビング学習で使うものを収納できるスペースが欲しい
- 生活感のないすっきりした部屋に憧れているが、実際にはモノがあふれていてゴチャゴチャしているので生活感が丸出しになっている
玄関
- シューズクロークやアウターをしまえる場所をつくって、すっきりとした玄関を目指したい
- 玄関先に収納がないため、屋外で使うものはベランダに置きがち
- 家族が増えると靴の量も必然的に増える。ブーツなどもしまえる高さのある靴置き場があるといい
寝室・子ども部屋
- 子どもの成長とともに子ども部屋にモノがあふれてしまっている
- 量が多いのと、湿気や虫食いの問題もあり、洋服の収納がうまくできない
- 布団をしまう場所がなく、和室の一角に畳んで置いたままにしているので来客時に困る
その他
- 洗面所に下着や衣類まで一括で収納できるスペースがあると時短になると感じる
- 洗面所は掃除がしやすいよう、モノをなるべくしまいたい
- 階段下収納をつくったがスペースが狭過ぎて使い勝手が悪いので改善したい
まとめ
さまざまな場所の収納の課題が浮かび上がりましたが、今回のアンケートで出た回答は、どのご家庭にも当てはまる可能性のある「不満の種」ともいえます。こういったリアルな意見を知っておくことで、ご自身が家を建てる・家を選ぶ際に、より快適な家づくりをかなえる参考となるのではないでしょうか。
また、ダイワハウスのWebサイトではオーナーさまの建築事例や暮らしぶりもご紹介しています。本コラムとあわせてご覧いただくことで、「この場所にこんな収納があると便利そうだな」といった、より具体的なイメージを膨らませるのに役立つでしょう。ぜひ家づくりの参考にしてみてください。