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「寒い家」は住む人の命を縮める!?心身の不調を予防する
暖かい住まいづくりのヒント

国内には約5,000万戸の住宅がありますが、
十分な断熱基準を満たしているのはそのうちのたった約1割といわれています
約9割の住宅は断熱性能が低い「寒い家」なのが日本の実態です。

「住宅の断熱性能」といえば、省エネとの関係が語られることが多いですが、
実は寒い家に住み続けると体やメンタルに悪影響を及ぼし、
健康寿命を縮めてしまうことが数多くの研究データから明らかになってきました。

そこで今回は、「住宅の室温と健康との関係性」について研究を行っている伊香賀俊治さんに、
寒い家に住むことのリスクや暖かい家を建てるためのヒントについてお話を伺います。

※国土交通省調査によるストックの性能別分布を基に、住宅土地統計調査による改修件数及び事業者アンケート等による新築住宅の省エネ基準適合率を反映して国土交通省が推計(令和1年度)

Profile

慶應義塾大学名誉教授

伊香賀 俊治さん

早稲田大学理工学部建築学科卒業、同大学院修了。(株)日建設計 環境計画室長、東京大学助教授、慶應義塾大学理工学部教授を経て、2024年より現職。一般財団法人住宅・建築 SDGs 推進センター理事長。専門は建築・都市環境工学。博士(工学)。日本建築学会副会長、日本LCA学会副会長などを歴任。

日本の住まいは、世界的に見ても寒すぎる?

夏に高温多湿となる日本では、風通しを良くして暑さをしのぐことに重きが置かれ、長らく住宅の断熱性能は重視されてきませんでした。一方欧米では、「住宅」は健康を左右する要素として重要視され、昔から住宅の高断熱化に取り組んできました。特に住環境と健康に対する意識が高いイギリスでは、健康政策に「住環境」が含まれるほか、冬場における室内の推奨温度を21℃、許容温度を18℃と基準として定めるなど、国を挙げて健康被害の予防に努めています。

また、WHO(世界保健機関)でも、2018年には「住まいと健康ガイドライン」が公表され、各国に対して「冬の室内温度は18℃以上にすること」を強く勧告しました。さらに「子どもや高齢者などの場合は、さらに暖かい環境を推奨する」と述べています。これは「冬の室内温度が18℃以上であれば心血管疾患や呼吸器疾患のリスクが低減できる」という研究結果に基づくものです。

しかし、2019年に国土交通省が行った調査によると日本でWHOの基準を満たす住宅はわずか1割程度。いかに日本の住宅の高断熱化が遅れているかがわかるでしょう。

※国土交通省調査によるストックの性能別分布を基に、住宅土地統計調査による改修件数及び事業者アンケート等による新築住宅の省エネ基準適合率を反映して国土交通省が推計(令和1年度)

寒冷地よりも関東の方が、冬の死亡者数が多い?

もう少し日本に目を向けてみると、「断熱性能への意識」は国内においても差が見られます。比較的暖かいと思われている地域ほど、住宅の室温が低いのです。

下記のグラフは冬の死亡率が他の季節に比べてどれくらい増加するのかを都道府県別に調べたものです。最も増加率が低いのが北海道、最も高いのが栃木県でした。ワースト5には栃木県の他にも、茨城県や愛媛県などがランクインし、これらの地域では北海道や東北地方よりも、冬に死亡者が増えているのです。

「心疾患(心筋梗塞)+脳血管疾患(脳卒中)+呼吸器系疾患(肺炎)」が冬季超過死亡原因の6割(全都道府県共通の傾向)

出典:厚生労働省「人口動態統計2014年」都道府県別・死因別・月別から伊香賀が分析・グラフ化したものをもとに一部内容を改変し再作成

一方で、断熱住宅普及率のグラフを見てみましょう。北海道では断熱住宅の普及率が8割を超えますが、先ほどの調査でワースト1位だった栃木県では2割程度にとどまります。つまり冬に大勢の人が亡くなる地域は、断熱住宅の普及率が低い地域とほぼ一致するのです。

縦軸に4月から11月の月平均死亡者数に対する12月から3月の月平均死亡者数の増加割合(%)。横軸に「居住世帯のある住宅総数」に対する「一部または全てに二重サッシまたは複層ガラス窓のある住宅数」の割合(%)を取っている

出典:総務省「住宅・土地統計調査2008年」、厚生労働省「人口動態統計2014年」都道府県別・月別から伊香賀が分析・グラフ化したものをもとに一部内容を改変し再作成

海外でも同様の調査が行われており、日本の傾向と同じく、寒さの厳しいフィンランドでは冬の超過死亡率はそれほど高くなく、逆に温暖なポルトガルやスペインでは死亡率が高まっています。

このように、温暖地ほど断熱性能への意識の低さが目立ち、その油断が冬季の死亡率を引き上げているということがデータとしてあるのです。たとえ温暖な地域であっても、家の断熱性能が低いと外気温の影響を受けやすくなります。その結果、室温が下がることによって、冬季において6割を占める死因とされている心疾患(心筋梗塞)、脳血管疾患(脳卒中)、呼吸器系疾患(肺炎)を引き起こしてしまっているのです。

体の不調をもたらす「寒い家」の特徴とは

もはや住環境の温度管理は、快・不快度に影響するだけでなく、先述の3疾患をはじめとして、さまざまな健康被害や、命に関わる重要事項だということがおわかりになると思います。 では「寒い家」に住んでいると、どのような体の不調が起きるのでしょうか? 寒い家の特徴と、関連する不調について解説いたします。

室温が低すぎる

WHOが「冬の室内温度は18℃以上にすること」と強く勧告するように、室温と健康は密接な関係でつながっています。つまり室内の寒さそのものが健康被害をもたらす原因となるため、冬に18℃を下回るような断熱性能の低い住まいでは下記のような傷病を引き起こす可能性がある状態といえます。

例えば、生理的な反応として、体は寒いと血管が収縮し血圧が上昇します。そうして高血圧症となると、脳卒中・心筋梗塞などといった高血圧性疾患のリスクを引き起こしやすくなるといわれています。なお一般的には高齢者や女性ほど室温が低いことによる血圧上昇が大きいとされています。さらに、家の寒さにより呼吸を介して肺が冷えると、肺の抵抗力が低下して肺炎などのリスクが増えるほか、血液が濃化して血栓リスクを増加させます。

影響があるのは内臓だけでなく、体を動かす「筋肉」も同様です。 家庭内事故死で2番目に多いのが「転倒・転落死」(2,740人/2022年)となっているように、家の中が寒いと筋肉がこわばるため、足が上がりにくくなりちょっとした段差につまずきやすくなったり、とっさに手すりをつかめなかったりと転倒・転落を誘発してしまいます。寒さ対策で厚着になることでとっさの動きに対応できず転倒につながるケースもあるようです。

※厚生労働省「人口動態統計 2022年」

また直接的な原因ではないものの、家が寒いことが起因して引き起こるとされているのが浴槽での溺死です。家が寒い人ほど「熱め・長め」の危険な入浴法になる傾向があり、特に冬は熱めの湯船に長時間つかって1日の疲れを癒す…のが日課となっている方もいるのではないでしょうか。しかし、熱めの湯船に気持ちよくつかっているうちに高体温になって意識もうろうとなり、自力で湯船から出られずに溺死してしまうケースが特に高齢者に多く見られます。

温度差が激しい

室温そのものではなく、「温度差」がある住まいも体に悪影響を及ぼしてしまう住環境といえます。例えば、朝晩の気温差を受けやすい家や暖房の効いた部屋とトイレや廊下、脱衣所などの非居室間を移動する際に温度変化が大きい家などがあたります。

室内での急激な温度差は、血圧の乱高下や脈拍の変動を招くヒートショックの原因になり、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などの重篤な疾患につながることがあります。さらに居室間で温度差がある家に住んでいる人は身体活動量が減ることもわかっています。身体活動量が減ると筋力の低下を引き起こし生活習慣病の原因となります。

さらに、屋内外の気温差による結露でカビ・ダニが発生しやすくなり、アレルギー疾患のリスクが高まることもわかっています。

寒い家ではガスストーブや石油ストーブのような強力な暖房器具を使う傾向がありますが、これらは排ガス中に水分と二酸化炭素を放出するので結露が発生しやすく、カビやダニが発生することでアレルギー疾患の要因となるのです。

このように「寒い家」では多くの健康被害を引き起こすことが、さまざまな研究を経て判明してきています。近年では、日本でもようやく高断熱住宅の重要性が問われるようになり、国を挙げて住宅の断熱強化を義務付ける住宅政策・健康政策が進められています。

さらに国内を対象とした住宅の断熱改修前後の調査によると、これらの健康被害については高断熱住宅へと改修することで、さまざまな健康改善効果が確認されています。さらに女性のPMS(月経前症候群)や肩こり・腰痛・手足の冷えも、足元が暖かい家では抑制されることが示されました。子どもの病気に関しても、室温が18℃以上の家では風邪が約4割、病欠が約2割少ないというデータもあります。

寒い家が人体に悪影響を及ぼし、暖かい家が良い影響を及ぼすことは、さまざまなデータにより、はっきりと言えるようになってきたのです。

住まいの寒さはメンタルとも関係が。
足元が暖かいと知的生産性は向上

加えて寒い家はメンタルや、知的生産性(作業効率)にも影響を及ぼすことがわかってきました。

住環境とQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)との関連を身体的、精神的に調査したところ、室温が高い住環境の人ほどQOLが高いことが判明。寒い家に住み続けるとQOL が下がり、精神状態の悪化からうつなどの精神疾患を引き起こす可能性も考えられるでしょう。

また、室温と知的生産性の関連を調査した被験者実験もあります。40・50・60代の男女2人ずつに断熱等級2・4・6の家でそれぞれ2回ずつ過ごしてもらい、血圧や脳波、知的生産性(計算問題やマインドマップに回答)を測定しました。

出典:河本紗弥,伊香賀俊治ほか:住宅断熱性能の違いが生理学的反応及び在宅作業成績に及ぼす影響に関する被験者実験、日本建築学会環境系論文集Vol.87, No.798, 2022.8から伊香賀が分析・グラフ化したものをもとに一部内容を改変し再作成

その環境下で計算問題やマインドマップ(連想ゲームのようなもの)に取り組んでもらうと、断熱等級が高い家ほど高いスコアを獲得するという結果に。一方「断熱等級2」の被験者は脳波や心電図も乱れていました。これは末端の足元が冷えると体が緊張状態になり、集中力が低下して作業効率が低下した結果と考えられます。

コロナ禍以降、在宅ワークは働き方の一つとして定着しましたが、足元まで均一に暖かくないと、知的生産性が低下してしまいます。子どもなら、暖かい家ほど勉強効率の良さに関わってくるでしょう。つまり暖かい家は心身の健康に良いだけでなく、仕事や勉強がはかどる家ともいえるのではないでしょうか。

寒さによる不調を予防する住まいの設備とは?

それでは足元まで均一な暖かい住まいにするためには、どのような設備を取り入れると良いのでしょうか。WHOが示す「冬の室内温度18℃以上」を保つには、家の断熱性能を高めることが不可欠ですが、それ以外にもできることがいくつかあります。

全館空調で家じゅうどこでも暖かく

家全体の室温を一定に管理する全館空調は、廊下・脱衣所・トイレなども格段に暖かく、ヒートショックのリスクを減らせます。

部屋ごとに暖房器具を設置する個別空調の場合、部屋に設置された給気口から外の冷たい空気が直接入り込むので、暖房で部屋を暖めていても足元には冷たい空気がたまり、暖房をつけていない部屋は冷え切ってしまいます。つまり、たとえ「断熱等級5」の高断熱住宅でも、暖房がない部屋や空間はWHOの勧告室温18℃を下回ってしまう可能性があるということです。 一方、全館空調は外から取り込む空気を、排出する室内の空気の熱を利用して暖めるので、換気による室温ムラができません。住まいづくりの際は断熱等級だけでなく、空調や換気にも気をつけると良いでしょう。

全館空調のイメージ

床暖房で足元から暖かく

寒い環境下では手足の血管を収縮させて末端の血流を減らすことで体幹の体温を維持しようとします。寒い家では手足の冷えはさらに加速します。そのため、足元から温める床暖房はおすすめです。

大きな窓から日差しを取り込む

家の中で熱の出入りが最も大きいのが窓です。だからといって窓を小さくして省エネ基準をクリアするのは本末転倒です。窓が大きければその分太陽エネルギーを取り込め、冬は室内を暖めてくれます。断熱性に優れたガラスやサッシなどで窓周りの断熱性を高めて、窓を大きく取りましょう。

パッシブデザインを取り入れる

自然の力をうまく利用した「パッシブデザイン」という考え方があります。太陽高度が高い夏は、深い軒やバルコニーで夏の直射日光を取り込み過ぎない設計に。シャッターや落葉樹・つる性の植物で日差しをコントロールするのも良いでしょう。一方、冬は太陽高度の低い日差しをふんだんに取り入れて暖かく。1年中快適に過ごせる設計の工夫も必要です。

高断熱な家を建てるには初期費用がかかりますが、生涯その住まいに住み、さまざまな健康リスクを減らせると考えれば、決して高くないどころか、十分元が取れる先行投資といえるでしょう。冷暖房効率が高まるので光熱費が削減でき、高齢期の医療費や介護費の削減にもつながります。住まいの断熱性能を高めるとたくさんのメリットがあるので、ぜひ検討していただきたいです。

まとめ

断熱性能の低い家に住み続けることのリスクは、健康被害やメンタル不調、知的生産性の低下など多岐にわたることがわかりました。住まいを建てるときは、つい間取りなどに気が向いてしまいがちですが、断熱性という見えない部分こそ、実はとても大事。大切な家族の健康を守るためにも、住まいの断熱化はもちろん、今回ご紹介した設備についても前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

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