ついつい雑多になってしまうキッチン回り。
ほしいものがすぐに取り出せて無駄のない
使いやすいキッチンの
整理収納術を伺いました。
面倒さを減らしてきれいを維持
住まいの中でもキッチンは、どうしても生活感が出て雑然とした印象になりがちな部分です。美しく使いやすい収納にするためには、出し入れの面倒さを減らすための「グルーピング」が重要です。鍋と一緒に使うお玉を近い場所に収納する、炊飯器の近くに米を収納する、など一つの作業で使うものをグルーピングし、それに合わせて収納場所を決めると作業効率がアップします。お手本はコンビニエンスストアの商品レイアウト。「調理器具コーナー」「調味料コーナー」というように収納場所をまとめるのがポイントです。
また、片付けが面倒だったり、使いにくいと感じたりするのは、動線と収納のレイアウトが合っていないことが考えられます。新築やリフォームの際は、日常の作業に照らし合わせてキッチン空間全体を見直してみましょう。調理や片付けの際に少しの動きで作業できるよう、シンクの後ろに食器棚を置いたり、冷蔵庫の隣に食材のストック棚を設置したりと、収納場所を動線に合わせてみてください。無駄な動きを少なくすることで、家事のストレスがぐっと減ります。
まとめて・そろえる生活感を見せないコツ
キッチンをすっきり見せるためには、見せたいものと見せたくないものをきちんと分けて配置するのがコツです。どうしても外に出しておきたい小物類は、色を合わせたトレーにしまって空間になじませましょう。調理家電やキッチン小物も同じ色で統一するとすっきりと洗練された印象になります。
棚やカウンター内にしまうものは、どこに何があるか一目で分かるよう可視化するのもポイント。調味料や袋入りの食品などは中身の見える透明な容器に移し、ラベルを貼って収納。中身が確認しやすいので探す面倒を減らせ、無駄な買い足しを防げます。
作業効率の良いキッチンはすっきりと片付いた状態を維持しやすく、家事のモチベーションも上がります。料理や洗い物もきっと楽しくなりますよ。
01作業動線に合わせたレイアウトに
キッチンの使いやすさのカギは、作業動線と収納場所が合っているか。動線を意識して、何をどこに置くのか決めるのがポイントです。西口さん宅のキッチンは、シンクで食器を洗って乾かした後、振り向くだけで食器棚に片付けられるレイアウト。歩き回る歩数が少ないほど、調理や片付けの過程での無駄な動きを減らせ、使いやすいのです。
02冷蔵庫内をグルーピング
雑然としがちな冷蔵庫内も、グルーピングですっきりと見せることができます。こまごまとした調味料は中身の見える透明なトレーにまとめラベリングをすると、どこに何があるか一目瞭然に。トレーに入っているため取り出す際も楽々です。ふりかけなど小袋のものは、外袋から取り出してトレーにまとめましょう。毎回袋から出すというアクション数を減らすと、片付けが面倒でなくなり、整理された状態を持続できるようになります。
03引き出しの中は立てて収納
鍋やフライパン、ボウルなどの調理器具は重ねず、立てて収納するのがおすすめです。キッチン用の仕切りやファイルボックスなどを活用してスペースを区切り、一つずつ立ててしまうことで取り出しやすくなります。
04棚の高さや奥行きと食器を合わせる
食器棚は棚板を増やし、食器の高さをそろえて重ねすぎない収納を心がけましょう。特によく使うものは、手の届きやすい目の高さから膝の高さに。西口さんはカップ&ソーサーを1客ずつセットして取り出しやすく収納しています。来客用の食器を使わずに棚の奥に眠らせておくのは、食器自体も収納スペースももったいないと、普段から積極的に使っているそうです。
アドバイス
株式会社 インテリアR
西口 理恵子先生
整理収納アドバイザー、インテリアコーディネーターとして多数のメディアで活躍中。不動産会社にて新築マンションの営業・企画に携わった後、独立。著書に『捨てなくてもすっきり暮らせる50の智恵(宝島社)』などがある。
https://interior-r.com
2020年8月現在の情報となります。