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連載:5分でわかる!サステナブルニュース「脱炭素エキデン365」
2024.07.31
物価高に円安など、昨今の私たちを取り巻く経済的な状況は厳しくなる一方です。それとともに注目されているのが「賢く」「楽しく」「豊かに」なるポイ活(※1)です。
矢野経済研究所の調査によると、ポイ活の市場規模は2.6兆円(2023年度)ともいわれ、年々拡大傾向にあります。実際、生活者の8割以上がポイ活を積極的に実施しているという調査もあり(NTTドコモ調べ)、今やおまけの域を越え、経済を動かす存在になりつつあります。
そんなポイ活ブームの最中、「エコな行動」で生活をちょっと豊かにする新たなポイ活が始まっています。それが「脱炭素エキデン365」です。一体どういう取り組みなのでしょうか。
※1:「さまざまな方法でポイントを貯めたり、貯めたポイントを活用したりしてお得に生活すること」の略称。
「脱炭素エキデン365」はEXPOグリーンチャレンジの一環として、大阪・関西万博をきっかけに脱炭素アクションを広げていく取り組みです。
この取り組みは、自治体に住む「市民」もしくは、取り組みに賛同している「民間企業の従業員」として参加します。廃食油のリサイクルを行ったり(※2)、通勤を車から自転車や徒歩に変えたり、リモートワークやマイボトルを利用したり、日常でできるさまざまな脱炭素アクションに取り組みます(※3)。企業従業員・市民一人ひとりが力を合わせて、2024年4月14日から2025年4月13日の365日間で1000tのCO2の排出抑制を目指します。
日常の中で、自身の行動がどのくらい脱炭素(CO2排出量の削減)に貢献しているのか。意識する機会はなかなかありません。それを可視化してくれるのが、エコライフアプリ「SPOBY(スポビー)」です。
スポビー内では、GPSが連動しており、ユーザーのその日の移動がすべて記録に残ります。どのくらい歩き、自転車に乗ったのか、記録されるのは「横の移動」だけではありません。建物内でエレベーターを使わずに階段に切り替えた、といった「縦の移動」もアプリ内で判別され、記録されます。
こうした日頃の脱炭素アクションが「ライフスタイルポイント」というポイントに変換され、そのポイントを使って、さまざまな特典に応募できるようになります。現在、大阪府と100社以上の企業がスポビーを通じて「脱炭素エキデン365」に参加しています。
これまでも、CO2削減に貢献できる"環境系ポイ活アプリ"や脱炭素のための取り組みはいくつかありましたが、今回のエコライフアプリ「スポビー」や「脱炭素エキデン365」は何が違うのでしょうか? スポビー開発者の夏目恭行さんは「意識や行動の変容を生むための仕掛けを、かなり意識して作っています」と話します。
ある調査によると、脱炭素という言葉を知っている人は約9割に達しています。ですが、何らかのアクションを起こしている人は3割程度。つまり6割の人は「知っていても何もしていない」状態なのです。
「国は、2050年にカーボンニュートラルの実現を掲げていますが、遠い未来だと突きつけられた形です。意識を変え、行動を変えていかないと、地球は疲弊していくばかりで不毛の大地になってしまいます」(夏目さん)
意識・行動の変容を生み出すため、スポビーでは一つひとつの行動に対して、どれくらいCO2の排出抑制ができているのか。エビデンスを基に緻密に算出していることに加えて、徹底的に「楽しさ」を重要視していると言います。
「例えばコミュニティ機能では、自分が住んでいる地域やよく行く地域のコミュニティに登録することができ、そのコミュニティならではの特典に申し込むことができます。他にも、勤務先のコミュニティに登録すれば会社独自の脱炭素アクションを実行したり、チームや部署ごとで脱炭素への取り組みを競い合ったりすることもできる。意図的にゲーミフィケーションの要素を取り入れることでユーザーが続けたくなる仕組みをつくりました」(夏目さん)
ユニークな取り組みは特典の面でも。飲食店などで使えるクーポンだけではなく、参加企業からも協賛を募り「プロの指導で調理体験できる権利」や「プロ野球の始球式に登板できる権利」、「名城の1日城主になれる権利」など、ここならではの特典も企画されています。
写真はイメージです。
「『時に堅苦しさもある脱炭素のイメージを笑顔で包もう』と、協賛企業各社が一丸となって地域における脱炭素を推進しようとする連帯感がうかがえます」と話す夏目さん。「脱炭素エキデン365」は、個人だけではなく"企業"として参加していることも特徴だと続けます。
「温室効果ガスの排出量を算定し、国に報告することが義務付けられている企業もあるように、全社をあげて脱炭素に取り組む企業が増えています。ですが、実際に企業内で脱炭素事業に関わっている人たちは1割未満といわれています。すべての企業従業員は事業活動の過程でCO2を排出していますから、残りの9割の人たちの"行動変容"が重要になります。私たちの中では、"ポイ活"の域を超えた取り組みなんです」(夏目さん)
人の意識や行動を変えていくために。ポイ活の最前線は、"自分や家計のため"を超えて、"地球にも還元できる"取り組みに進化していました。
今後は大阪だけではなく関西他府県、南は九州から、中部、関東、東北、北海道まで、全国への拡大が計画されています。脱炭素の運動が、文字通り「駅伝」のように日本を縦断していく日は近くに来ているのかもしれません。
大和ハウス工業も「個人と企業双方の意識・行動の変容」に共感し、「脱炭素エキデン365」に参加する企業の1社です。
脱炭素社会の実現は企業に課せられた責務と考え、事業を通じて温室効果ガス排出量ゼロを目指します。
当社ではこれまでに、従業員の環境リテラシー向上に取り組んできました。例えば、2015年から「eco検定」の受験を推進し、グループにおける取得者は2万8134人(2024年3月時点)となりました。2026年度までに3万8000人に増やすことを目指すなど、複雑化する環境や社会課題への理解を深め、事業に活用しています。また年に一度、環境活動事例を顕彰する「Challenge! We Build ECOコンテスト」を開催。事業所での環境に関する改善事例を評価し、1年間で最も顕著な成果をあげた事例を表彰しています。
商品・サービスにおいては、「エネルギーゼロ」の住宅・建築・まちづくりと太陽光発電搭載のご提案を強化しています。さらに再生可能エネルギー(以下、再エネ)による発電事業を実施し、国内の家庭・業務部門における温室効果ガス排出量の削減に貢献しています。
事業活動では、自社・グループで使用する建物において省エネ改修や設備機器を更新するなどエネルギーの効率化を進め、事業活動に要する電力を自ら創った再生エネ由来の電力で100%まかなう「再エネ電力の自給自足」を目指しています。また社用車と従業員が業務で使用するマイカーについて、クリーンエネルギー自動車の導入を推進するなど取り組みを加速させています。
冒頭にあるように、企業従業員・市民問わず力を合わせて脱炭素社会を実現していくために、一人ひとりの行動変容が求められています。
大和ハウスグループも「生きる歓びを、分かち合える世界」の実現に向け、様々な取り組みを進めていきます。
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