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第15回:二度目の移住 私たちが以前に住んでいた掛川市は静岡県の中でも大きな街ではありません。掛川自体が田舎暮らしの移住者を募るようなのどかな場所です。妻は静岡県の出身ですが、私は実家が埼玉県のベットタウンで、学生時代は東京に通っていましたので、それなりに騒々しい環境の中で生活してきました。そのような生活を続けていくのが嫌だったのと、その時から今も続く趣味のロードバイクに乗るのに適した場所で生活したかったので、海も山もある静岡県に就職先を求めたのが私の掛川に来たきっかけでした。もう25年前の話ですが、今で言う地方移住やIターンの走りだったのかもしれません。そういう意味では、今回の八幡平への移住は自分にとっては二度目の移住ということになります。
思い返すに、「地方に移住する」ということに対する環境も25年前とはずいぶんと変わりました。25年前に掛川に行ったときは、やっぱり東京で手に入るものが手に入らないことに色々と不便さがありました。それはモノでもあるし、情報でもありました。当時はインターネットもありませんでしたから、例えば何かを調べようとすると、東京に通っていた時は大きな書店に本を見に行って情報を得ることができました。でも、掛川には小さな本屋しかないですから、得られる情報は限られます(もしくは、何も得られない)。本を買うにしても、本屋に置いてあれば手に取って中身を確認してから買うかどうか判断ができますが、小さい本屋では注文して買うしかありません。掛川に移住してからしばらくは、実家に帰ったついでに東京に買い物に行くのが定番でした。
今は本屋に行かなくてもインターネットで情報でも本でも入手できますし、ほとんどのモノがネットで購入できる時代です。インターネットのおかげで、モノでも情報でも都会と田舎との間の格差はだいぶ埋まったと思います。我々も、インターネットがなかったら、八幡平に来るような移住はできなかったと思います。そもそも八幡平リゾートを知ったのもインターネットで調べた結果ですし、今の自分の仕事もインターネット無しでは成り立ちません。
最近は「働き方改革」でテレワークの導入なんかも言われていますが、ふと考えると、ずいぶんと「最先端な生き方」でもしているのかなと勘違いしてしまいます。わがままに生きてきただけな気がするんですが。ただし、インターネットが電気や水道並みに自分にとって八幡平での生活上不可欠のインフラなのは間違いありません。八幡平のような地方の自然に囲まれている場所だからこそ、テクノロジーの恩恵を享受できてるというのも皮肉なものですが、やっぱりこういう生き方を選択できる時代に生きれたのはある意味ラッキーだったと思います。「田舎には農業しか仕事がない」というのは昔も今もあまり変わらないかもしれません。でも今は農業じゃない仕事を田舎に持って行ける「手段」を手に入れたことに、大きな進歩があると思います。
<二度目の移住で手に入れたものは・・・この風景の中での仕事場も含めた生活です(7月13日撮影)>
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osaka
令和5年4月より八幡平に赴任いたしました。八幡平の良さをお届けできましたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
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