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2013/06/07

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大阪マルビル緑化プロジェクト「都市の大樹」始動

 大和ハウスグループと建築家 安藤忠雄氏は、協働で日本初の円筒形超高層ビル“大阪マルビル”の1階から6階(地上約30m)までの壁面緑化工事を2013年1月5日より進めてきましたが、6月6日、工事が完成し、大阪マルビル緑化プロジェクト「都市の大樹(たいじゅ)」を始動することとなりました。

「都市の大樹」は、大阪マルビルを大木に見立て、ツルや蔦などで壁面を覆い、大阪の新たなシンボルにしようと企画されたプロジェクトです。当社グループが安藤忠雄氏の呼びかけに賛同し、実施することになりました。

これまで大阪の情報発信基地として人々に親しまれてきた大阪マルビルに、壁面緑化という新たな魅力を加え、一般のお客さまが「都市のなかの自然を楽しむ場所」として利用していただけるスペースとしました。

1階屋外スペースは、「大阪マルビル 緑のテラス」として大和リースが「日本野(にっぽんの)」(※1)をキーワードに、四季を彩る様々な植物を植樹しました。また、1階から6階のビル壁面は、ツルや蔦で覆いました。

本プロジェクトは、大阪府が進める「みどりの風を感じる大都市・大阪」(※2)実現のための企業協力に加え、当社グループの環境緑化のシンボルとして、また環境技術のショールームとして活用するとともに、さらに、当社グループ全役職員の“成長と夢”を感じさせるシンボルタワーとしても位置付けています。「都市の大樹」は、大和ハウスグループの壮大な夢をのせて、これからも進化・成長し続けていきます。

1.失われつつある日本らしい都市の景観を緑によりリ・デザインすることを目的に、大和リース等が進めるプロジェクト。

2.みどりを増やすことを通じて、都市の魅力を高めるとともに、ヒートアイランド現象の緩和など都市環境の改善を図るために大阪府が取り組んでいる事業。

 

 ●ポイント

1.大阪マルビルの1階から6階の壁面(1,000㎡)を緑化する壮大なプロジェクト

2.1階には巨大な緑の壁(全長16m・高さ2.5m・40㎡)を設置

3.巨大な緑の壁の裏面には、左官・挾土秀平氏による土壁の設え

1.プロジェクトの経緯

2012年6月、大和ハウス工業株式会社代表取締役会長兼CEOの樋口武男と大阪出身の建築家安藤忠雄氏との会合の中で、安藤忠雄氏が取り組む大阪の街を緑でつなぐ「緑の回廊プロジェクト」のシンボルとして、大阪マルビルの壁面を緑化したいという提案を当社が受け、そのプロジェクトに賛同し、「都市の大樹」の工事に着手しました。その後、大和ハウス工業を中心に、グループ会社の大阪マルビル、ビルを設計・施工したフジタ、環境緑化事業を推進している大和リースの4社協働で工事を進めることになりました。

 

2.植栽計画

(1)1階(「大阪マルビル 緑のテラス」)

大阪マルビルのエントランス前の広場である「大阪マルビル 緑のテラス」は、創業当時より、市民の憩いの場として利用されてきました。

今回大和リースは、大阪の中心地「梅田」の貴重な空間である当広場を改修し、限られた都市空間の中でも自然を楽しむことができる緑化空間を創出しました。

同社が推進するプロジェクト「日本野」をキーワードに、伝統的な日本文化の深層に流れる自然との関わりを探求し、現代都市に沿った日本らしい「緑」のデザインを創造しました。

広場内には、大和リースとライセンス契約を締結しているフランスの緑化会社 カネヴァフロール社製の壁面緑化システムに、アイビーをはじめ、オタフクナンテン、カポックなど約20種類・約2,600ポット(鉢)の植物を用いて、全長16m・高さ2.5m・40㎡と全長10.5 m・高さ2.85 m・30㎡の巨大な緑の壁に配置し、意匠性の高い壁面を演出。緑あふれるオープンな空間を創りました。

また、テラス部分にも30種類の草花でアレンジしたベンチスペースを用意しました。訪れるお客さまがゆったりとくつろげ、草花の成長を楽しむことができます。

さらに、夏場にはクールダウン・ヒートアイランド現象の緩和に役立つ、ミストシャワーも設置します。なお、1階部分の総緑化面積は約180㎡です。

また、巨大な緑の壁の裏面には、岐阜県飛騨高山を拠点に活動されている左官・挾土秀平氏による土壁を設えました。

土壁には、天然の色土を使い、表面の植物を育む土を表現し、「自然」を再現しました。

大阪マルビル大阪第一ホテル1階フロントロビーより、作品がご覧頂けます。

 

 

(2)1階~6階(ビル壁面の緑化)

大阪マルビルの1階から3階までの柱部分および4階から6階までの壁面緑化工事は、当ビルを設計・施工したフジタが担当しました。高層部の総緑化面積は約1,000㎡です。

1階から3階までの柱部分には、自動灌水装置付きのGRC製(※3)のプランターを22個設置しました。また、4階にも33個設置し、プランター内に人工地盤を設け、常緑の「へデラ・カナリエンシス(ツル)」と「サネカズラ(蔦)」を約7,500本植樹しました。

さらに、1階から3階までの柱部分および4階から6階まで、ステンレス製のワイヤーメッシュを壁面に設置し、ツルと蔦の蔓を巻きつけました。

3.耐アルカリ性ガラス繊維で補強したセメント製品。

3.メンテナンスについて

大和ハウスグループでは、「都市の大樹」の良好な景観を維持するため、1階の「大阪マルビル 緑のテラス」については、月2~3回メンテナンスを行います。また、季節ごとに植物を植え替えます。

1階から6階までのビル壁面の緑化については、年4回の定期巡回を行い、剪定や整枝、除草や追肥、消毒などを行います。

 

4.大阪マルビルの歴史

大阪マルビルは、1976年4月、当時の最新鋭の技術を結集した日本初の円形超高層ビルとして誕生しました。

オープン当初、大阪・梅田周辺のどの場所でもその姿を見ることができるランドマークでした。

開業当時から話題性のある商業施設も入居し、バブル時代には、ディスコブームの火付け役である「マハラジャ」などで賑わいました。

また、大阪マルビルの屋上には、創業時より電光掲示板が設置され、「回る掲示板」の愛称で親しまれてきました。一時、撤去されていましたが、2005年10月、新たにLEDを採用した新型電光掲示板が復活し、現在も天気予報、時刻、気温、地震、津波などの情報を発信しています。

これまで大阪の情報発信基地として、様々な流行を取り入れてきた大阪マルビルは、今後は、自然環境の発信基地としての役割を果たしていきます。

●工事概要

プロジェクト名称

大阪マルビル緑化プロジェクト「都市の大樹(としのたいじゅ)」

緑化場所

大阪マルビル1階から6階(地上約30mまで)

緑化内容

1階公開空地での緑化。(フランス・カネヴァフロール社製)

4階壁面に人工地盤を設置し、4階から6階まで窓以外の部分にワイヤーメッシュを設置し、ツルや蔦などを這わせたもの。

施工期間

201315日(着工)~66日(竣工)

設計・施工

株式会社フジタ・大和リース株式会社

植栽物名

へデラ(ツル)、サネカズラ(蔦)など

総事業費

2億円

●大阪マルビルについて

事業内容 

ホテル事業および商業施設賃貸事業、駐車場経営

ホテル名:「大阪マルビル大阪第一ホテル」

所 在 地

大阪府大阪市北区梅田1丁目920

ホテル客室数

453室(宴会室6室、レストラン1) ※客室は10階から29階

テナント数

42店舗

開業年月日

1976年(昭和51年)416

建物工期

1973年(昭和48年)10月16日~1976年(昭和51年)3月31日

敷地面積

3,244.62㎡(981.498坪)

延べ面積

41,069.4㎡(12,423.4坪)

階  数

地下4階 地上30階 塔屋3階 (一部地上6階)

高  さ

124m(塔屋部分含む)

直  径

30mの円筒形ビル

竣  工

1976年(昭和51年)3月31日

主要構造

S造(鉄骨造)、一部SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)

以上

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