- 阿波踊りについてもお話を伺いたいのですが、 阿波踊りのシーズンになると街の雰囲気は変わりますか?
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- Oさん
- 夏の風物詩とでも言うんでしょうか、公園などで阿波踊りの練習をしている人の姿をよく目にするようになりますね。あとはこのシーズンになると駅の発車ベルの音が阿波踊りのメロディに変わるんです。この音を聞くと「あー今年もきたな!」って思いますね。
- Mさん
- 商店街でも、阿波踊りが開催される2週間くらい前から提灯が飾られたり、写真のタペストリーを吊り下げたりしますね。
- Sさん
- やっぱり阿波踊りのシーズンは浮き足立ちます。なんとなくそわそわしますね(笑)
- 阿波踊りに参加される方は、高円寺にお住まいの方が中心ですか?
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- Oさん
- 全然そんなことないです。約1万2000人が踊るのですが、7割くらいが高円寺以外に住んでいる方ですね。
ここ数年で阿波踊りが全国的に有名になってきているので、「高円寺の阿波踊りをやってみたい!」といって、高円寺以外に住んでいる方が、高円寺まで練習に通ってくるケースもすごく増えていますね。 - Sさん
- 月2~3回の練習なんですが、中には仙台から通ってくる方もいるんですよ!
- 参加される方の年齢層はどれくらいでしょうか。
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- Yさん
- 連によっても違いますが、私が所属する連は18歳未満は入れないので26~60歳くらいです。
- Oさん
- うちの連は子どもも入れるので、下は3歳から上は65歳までいます。
- 連によっては小さなお子さんも入られているとのことですが、 阿波踊りを始めてから「成長したなぁ」と思われることはありましたか?
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- Mさん
- ものすごくあります!我が家の4歳の娘は結構引っ込み思案な所があって、人の前に立って話すことが苦手だったり大きな声で挨拶することが出来なかったりしたんです。それがその子の個性であり、性格であるというのも分かってはいるんですが、親としてはちょっとだけ心配だったりもしたんですよね。
でもその娘が、自分からパパに「阿波踊りをやりたい」って言い始めたんです。やっぱり最初のうちは練習場所でも隅っこの方にいたりしたんですが、ちょっとしたきっかけで練習の輪の中に入ることが出来るようになってからは、もうイキイキとしだして。人の前に立って話すことも大きな声で挨拶することも出来るようになりましたねって保育士の方からも褒めてもらえるようになりました。 - Oさん
- うちの連は挨拶とか子どもの教育を理念に掲げているんです。僕自身子どもの頃から阿波踊りをやっていて、周りの連の大人に育てられた部分も多いので、子どもには厳しく接しています。よく怒鳴っていますね(笑)まぁ10年後、20年後に分かってもらえたらいいかなという気持ちでやっています。人とのつながりの大切さとか、人の痛みがわかる人間になれる要素が養われていると信じています。
イベントなどを通じて、街のたくさんの人と仲良くなれる。
人の温かみや利便性、いろんな魅力が溶けあう街。
- 近年、地域の結びつきが重要と言われてますが、 高円寺エリアはいかがでしょうか。
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- Oさん
- そうですね。高円寺には東京高円寺阿波おどり以外にも「高円寺フェス」「びっくり大道芸」という年間を通じて3大イベントがあるんですよ。で、こういったイベントのお手伝いやボランティアなどでいろんな人と知り合うことができます。他の街に比べると街の色々な方と仲良くなれる機会が多いんでしょうね。この街はおしゃれっていうよりも親しみのある下町っぽい雰囲気っていうほうが近いかな。
- Kさん
- 僕は埼玉から引っ越してきたのですが、阿波踊りをはじめたことで、自分の所属する連、他の連の方々と交流する機会が生まれました。僕にとっては、おしゃれな街というより帰ってきたらホッとするような街ですね。人の温かみや利便性、色んな魅力が融合されてうまい具合に溶け合っている街だと思います。
- Oさん
- 中学校を卒業するとみんな会わなくなってしまうんですが、東京高円寺阿波おどりで1年に1回は必ずみんなに会えるのは嬉しいですね。あと小さかった子どもが年々大きくなっていく姿を見られたり。そういう街の一体感が感じられるのがいいですね。
- Sさん
- 以前、私の会社の友達が高円寺の阿波踊りを見に来てくれたんですが、阿波踊りにとても感動してくれて。その友達がまた別の友達を誘ってくれたりして、阿波踊りが中心になって繋がりが広がっていったこともありました。
蚕糸の森公園 JR中央本線「高円寺」駅より約1.4㎞ 徒歩18分
- 夏は東京高円寺阿波おどりがメインという感じですが、 他の季節の休日の過ごし方を教えてください。
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- Kさん
- 僕は、夏はもちろんですが、それ以外の季節も阿波踊りばかりやっていますね。練習回数は減りますが、なんだかんだで1年中阿波踊りです。
- Oさん
- 僕も年がら年中阿波踊り人間ですね(笑)。出かけるなら、行動範囲は大体新宿から吉祥寺ですね。地元高円寺にいることも多く、僕の好きなセレクトショップ「LAMPA」に買い物に行ったり。あとその店の隣に「ラ・レーヌ」っていうケーキ屋さんがあるんですけどそこが美味しくて有名なんですよ。
- Sさん
- 我が家の場合、秋冬は、高円寺のカフェに主人と子どもと3人で行ってお茶したりランチしたりしていますね。週末には子どもを連れて蚕糸の森公園(さんしのもりこうえん)に遊びに行ったりもします。公園でも色んなイベントがやっているので楽しめますね。地元で休日を過ごすことが多いです。
- Oさん
- 公園といえば、高円寺中央公園があるんですが、その公園でお笑い芸人さんが漫才の練習をしていたりもしますね。その中で普通に子どもが遊んでいたり、いろんな文化がある街です。
高円寺の魅力は、交通の利便性と暮らしやすさ。
温かい街で、声を掛け合える雰囲気がある街の1つ
- 最後に、高円寺の魅力を一言で教えてください。
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- Kさん
- 生活に必要なものが全て揃うところですかね。そして安いです。利便性もよく、住んでいてほっとできる街ですね。
- Sさん
- ママ目線になってしまいますが、ちょっと行けば自然もあるし、物価も安いので、小さなお子様がいて引越しを考えているご家庭の方にはお勧めします。
- Mさん
- 私もママ目線になってしまいますが、子育てに向いている街だと思います。高円寺は個性的な人たちがたくさんいる街なので、自分の好きな格好でブラブラできますし、縛られずに伸び伸びと子育てができる環境だと思います。
- Oさん
- 一言で言うと、「温かい街」なんだと思います。都会にも関わらず、声を掛け合える雰囲気がまだある数少ない街の1つだと思っているし、それをここに住んでいるみんなが今後も残していきたいって思っています。最近ようやくファミリー向けのマンションが増えてきているので、お子さんがいるご家庭の方にとっても、住みやすい環境の街だと思います。
阿波踊りに惚れ込んで移り住む人もいるほど人々を惹きつける街、高円寺。
人と人の繋がりや、この街に暮らす人の温かさを感じられることが、
その魅力の理由なのかもしれません。
(本インタビューは2012年11月に行われたものです。)
阿波踊りについて東京高円寺阿波おどり
※天翔連からのご提供
8月下旬(最終の土曜・日曜日)に開催される東京高円寺阿波おどり。
高円寺の商店街振興組合の青年部が、商店街に人を集めるイベントとして阿波踊りが始まったが、昭和32年に開催された第1回阿波踊り(当時の名称は「高円寺ばか踊り」)は、徳島県で行われているものとは違ったスタイルのものだったという。やがて徳島県出身者から阿波踊りの指導を受けることで、現在の高円寺阿波踊りのスタイルが確立され、昭和38年に正式に「高円寺阿波踊り」へ名称を変更した。現在は、地元商店街・町会が中心となって発足したNPO法人東京高円寺阿波おどり振興協会の主催で開催されており、「徳島市阿波踊り」に次ぐ規模、東京近郊では最大規模の阿波踊りとして知られる。
(掲載の情報は2015年9月時点のものです。)