子どもの運動能力向上に大きく影響する、
「ゴールデンエイジ」の基礎知識や適切な運動について、
株式会社アークアスリートの樋口さんにお話を伺いました。
学校や家庭で体を動かす機会が減り、子どもの体力・運動能力は年々低下しています。身長や骨格が影響する「体力」は遺伝に左右される部分もありますが、体を上手に動かすスキルを指す「運動能力」は、トレーニングによって伸ばすことが可能です。
人の運動能力は、6~12歳頃の運動量・運動習慣によって決まるとされ、この時期をゴールデンエイジと言います。アメリカの医学者・スキャモンが発表した「発育・発達曲線」によると、運動能力に関係する「神経型」は、12歳頃までにほぼ100%発達するとされています。つまり、この期間にさまざまな運動を経験して神経を刺激することで、運動能力を高められるのです。
スキャモンの発育・発達曲線※
誕生から成熟期までの発育量を100%とした割合
※出典:SCAMMON R.E.(1930)
The measurement of the body in childhood.
ゴールデンエイジには前後の期間を含めて3つの段階があります。体と脳の発達段階に応じて、適切なトレーニングを行いましょう。さまざまなスポーツに応用できる基礎的な運動能力を、バランスよく養うことが大切です。
リズムに合わせてジャンプするなど、遊びの要素を交えた運動がお勧めです。楽しみながら多様な動作を体験し、体の動かし方の基本を身につけます。
素早く動く「敏捷性(びんしょうせい)」、瞬間的に強い力を出す「瞬発力」、体のバランスをコントロールする「バランス能力」を総合的に向上させ、どのスポーツにも応用できる基礎力を養いましょう。
脳と心肺機能が十分に発達してくるこの時期は、複雑な動きのトレーニングや、走り込みなどスタミナをつけるトレーニングを行いましょう。
株式会社アークアスリート
代表取締役/フィジカルコーチ 樋口 彰美さん
幅広い世代に対してトレーニング・コンディショニングサポートを行う、株式会社アークアスリート代表取締役。スポーツで活躍できる子どもを育てる運動教室「キッズアスリート」を2002年に開設。スポーツ科学とトップアスリートへの指導経験をもとに、子どもの運動能力を高めるトレーニング法の指導に取り組んでいる。
キッズアスリート ホームページ
http://www.kids-athlete.com/
2018年7月現在の情報となります。