収納力で考えれば、ウォークインクローゼットも通常のクローゼットもそれぞれ魅力がありますが、
ウォークインクローゼットには「間取り」を検討する上でメリットがあります。
前回に引き続き、Team-xevoの一級建築士・富田綾子が、ウォークインクローゼットのメリットと、おススメの使い方について答えます。
ウォークインクローゼットが「間取りが検討しやすい」理由
通常のクローゼットと比較すると、ウォークインクローゼットは出入口が1か所。なので、壁面が多く取れるので「間取りが検討しやすい」というメリットがあります。 通常のクローゼットは扉が多い分、壁面を多く必要とします。扉を全開すれば中身が一目で分かりますが、壁面の多くをクローゼットで占めるため、お部屋のレイアウトに制限が生まれます。
ウォークインクローゼットのススメ①
廊下から直接入る動線を設ける
ウォークインクローゼットの間取りを検討する際、ウォークインクローゼットの出入口を居室だけでなく、廊下から通り抜けできるよう出入りを設けることをおススメします。実は、ウォークインクローゼットは使用頻度が多い空間。朝の着替え・帰宅後の着替え・就寝前の着替えに加え、洗濯ものを仕舞ったりと1日に何度も利用します。その都度、居室とウォークインクローゼットの扉を開ける二度手間を考えると、廊下から出入りできれば動線がスッキリします。チョットしたことですが毎日のことなので気を配るポイントです。
ウォークインクローゼットのススメ②
鏡と照明を設ける
皆さんは、家のどこで着替えますか?ウォークインクローゼットを設けた場合、ウォークインクローゼットの中で着替えられるようスペースを確保することをおススメします。合わせて、鏡と照明を設けるのもポイント。アクセサリーを入れるボックスを置くスペースも設ければ、ウォークインクローゼットの中でトータルコーディネートが可能です。収納力だけでなく、ウォークインクローゼットも空間として使い切れるよう配慮しましょう。
ウォークインクローゼットのススメ③
子ども部屋もプチウォークイン
子ども部屋にもウォークインクローゼットを設けたい。でも、そんなスペース確保できない。とお思いの方におススメしたいのが、ダイワハウスオリジナルの「イージークローク」です。
1帖でもプチウォークインクローゼットとしてお使いいただけるクローゼットタイプは、収納中央の通路を挟んで両サイドに洋服が掛けられます。左右に振り分けて収納できるので、洋服とおもちゃといった収納にも便利です。
また、お子さまの手の届く高さにハンガーパイプを設置すると、自分のものは自分で収納したり、コーディネートを楽しんだりと、自然と収納力が身に付きます。合わせて、収納の中だけお子さまが好みそうなカワイイ壁紙にすると、より収納に興味が湧きます。
提案された収納の使い方を確認しましょう
先日、手持ちの洋服が多いとお悩みのご夫婦がいらっしゃいました。今のお住まいは6帖間を「衣裳部屋」としてお使いになられているそうです。なので、新築時も6帖の納戸がないと不安だ、というお話しでした。
とあるメーカーでは、希望通りの6帖の納戸があるプランを提出されたそうです。それに対しダイワハウスは3帖の収納提案でした。それぞれプランの説明を聞くと、どうやって3帖を使いきるのか考えた上での提案に対し、6帖の納戸は希望通り広さだけ確保されたプランで、使い方について説明がなかったそうです。
収納が狭くても、空間を使い切ることで収納力は確保できることがほとんど。このお客さまの場合、収納を3帖で済ませ、残り3帖を居室空間として使うプランをご採用いただきました。皆様もプランを提案された時は、設計士に「使い方」を確認してください。
最近のおススメの収納は? 「シューズクローク」です。
定番になりつつある「シューズクローク」ですが、最近、あらためてお客さまにおススメしています。シューズクロークとは、玄関内部の土間部分に設けた収納。アウトドア用品や、お子さまのベビーカー、外遊び用のおもちゃなど収納し、室内に汚れを持ち込まないようにする便利な収納です。
以前は、アウトドア用品は家の外に収納するケースが多かったと思いますが、最近は室内に「シューズクローク」を設けるケースが増えました。室内なので出し入れしやすい、室内なので埃がつきにくいメリットがあります。
「アウトドア興味ないので」と思っていても、お子さまの運動会にテントが必要な時代です。その他、シューズクロークは女性用のブーツを収納するにも便利な空間です。今いらないかな?と思っても、「シューズクローク」のある住まいをおススメします。
PROFILE
富田綾子
一級建築士、インテリアコーディネーター、整理収納アドバイザー2級
大和ハウス工業株式会社住宅事業推進部営業統括部所属
設計現場での経験を経て、現在は収納商品の企画から開発、暮らし全般を担当。社員の勉強会やお客様へのセミナーを全国で実施。趣味:ショッピング(洋服が増えてしまい、自分自身も収納の工夫が必要)。増えたものとの上手な向き合い方の提案を得意とする。