年末が近づくと気になる大掃除。
毎日のように使う水まわりは、特に汚れが気になりやすく、
徹底的に掃除をしようと気合が入る方も多いでしょう。
一方で、「普段からもっと掃除をしていれば楽だったのかも…」
「効率よく、時短で掃除をする方法が知りたい」などのお悩みも。
今回は、水まわりの大掃除のコツや普段の掃除で気を付けるべきポイントについて
オールアバウトの家事・掃除・子育てガイドの藤原千秋さんにお話をお伺いしました。
正解は人それぞれ。
「わが家にぴったり」の水まわり掃除の方法を見つけよう
最近はSNSなどで、さまざまな掃除テクニックが紹介されていますが、どんな方でもそのまま使えるというわけではありません。なぜなら、ご家族や住宅設備によって、ベストな掃除方法は変化していくものだから。家の状態を見ながら、常にアップデートさせていくことが大切です。
ご家族の状態や住まいによって掃除方法は変わっていく
ご家族の変化に合わせて汚れも変化する
ご家族の年齢や人数によって、汚れの質は異なります。小さなお子さまがいるご家族は、泥や砂などの汚れが持ち込まれることが多いでしょう。成長すると皮脂の分泌量が増えて浴室の汚れが目立ったり、化粧品や整髪料などの汚れが洗面台に付くことが増えてきたり、といったことが起こるようになります。
さらに年齢を重ねて夫婦2人だけの暮らしになると、ご家族の人数も皮脂の分泌量も減るため、以前ほど掃除を頑張らなくても汚れが気にならなくなります。ですが、腰をかがめて掃除をするのはつらくなるため、道具選びを工夫する必要が出てきます。
このように、ずっと同じ家に暮らしていたとしても、掃除方法は変えていく必要があるのです。
素材や設備の形に合った
適切な掃除方法を
水まわり用洗剤や掃除グッズは、住まいに合ったものを選ぶことが大切です。特に、水まわりスペースに使われている設備の形や素材は違いが出やすいところ。住み替えた方は、引っ越し前の家と同じ掃除方法ではなぜかキレイにならない、ということもあるため、今住んでいる家にはどんな素材が使われているかをしっかり確認しましょう。
入居時などに渡される説明書を読むことがまずは必要です。掃除の頻度や注意点、簡単に掃除できない場所のお手入れ方法などが書いてあります。説明書が見つからない方は、浴室の扉や洗面台まわりなどをよく見て、シールを探してみましょう。書かれている型番をインターネットで検索すれば、説明書を見られることが多いです。
掃除の注意点:
洗剤の使い方や換気に気を付ける
どの場所を掃除する場合にも共通しているのは、汚れを落とすためにゴシゴシとこすりすぎると、素材の表面を削ってしまい、傷つけてしまうこともあるということ。とはいえ、汚れが落ちないのも困りますから、バランスを見極めることが大切です。特に汚れやすい部分はこまめな掃除を心がけ、汚れがこびり付いてしまわないうちにサッと拭き取るとよいでしょう。
そして、掃除の際に重要なのは換気!塩素系のカビ取り剤や漂白剤を使うことも多いため、換気を忘れないことが大切です。換気扇を回すのはもちろん、扉や窓を開けてしっかり空気を入れ替えましょう。寒くても健康のために大切なことです。さらに、正しい使い方を確認するために、洗剤や掃除用品の説明も必読といえるでしょう。
場所ごとに解説!見落としがちな掃除のポイント
浴室
浴槽内は水あかや皮脂汚れが付きやすい箇所なので、普段の掃除を楽にしたいですよね。液剤をスプレーで吹き付けるだけで掃除ができる便利グッズなどを、ご家庭の汚れの質に合わせて取り入れると効率よく掃除ができます。柄の付いたブラシなど、洗いやすい道具を探してみるのもよいでしょう。また、入浴するたびに水気を拭き取ってカビを防ぐという方法もあります。
大掃除の際に浴室内のカビ汚れを気にされる方が多いですが、赤みのあるバクテリアや石けん汚れなど、カビ以外にもさまざまな汚れがあります。それぞれ落としやすい洗剤が異なるため、「しっかり洗剤を使っているのに、汚れがなかなか落ちない」と感じたら、洗剤を変えてみましょう。
洗面室
普段の掃除では、汚れやほこりが気になりがちな洗面台と周囲を掃除しましょう。たとえば、タオルを洗濯する前にサッと周囲を拭いてから洗濯機に入れることを習慣化しておくと、汚れが気になりません。
鏡や人造大理石のカウンターは、窓ガラス用洗剤を転用できる場合が多く、汚れをしっかり落とせるのでおすすめです。
大掃除では、目につきにくく普段掃除しにくい場所をお手入れしましょう。三面鏡裏の収納は扉を閉じていると気にならないかもしれませんが、歯ブラシ立てのまわりや化粧品のまわりなどが、案外汚れているものです。
また、見落としがちなのが、洗面ボウルの上部や側面に開いているオーバーフロー穴。専用洗剤を使うと簡単に掃除できますが、たまに掃除するとびっくりするほど汚れている、ということも。普段は掃除のついでに、塩素系のカビ対策洗剤をシュッと一吹きしておくとよいでしょう。
トイレ
トイレ掃除には、消臭・抗菌効果のある介護用トイレシートを使うのがおすすめです。床は気を付けていても汚れてしまいがちなので、薄手で洗いやすいトイレマットを敷くのも一つの解決策です。洗濯機で他の衣類と洗うのは抵抗がある、という方もいらっしゃいますが、実は雑菌などの量は下着などより少ないといわれています。気にせずジャブジャブ洗って清潔感を保ちましょう。
尿などの汚れは実は広範囲に飛び散っていることがあるため、大掃除では壁や天井、ペーパーホルダー、換気扇までしっかり拭くことをおすすめします。「毎日掃除しているのに、なんだか臭う…」という方はこの飛び散りが原因かもしれません。便座とふたの細かい隙間なども、ぜひ掃除してみてくださいね!
シンプルなデザインの水まわりで、掃除の手間を軽減
「掃除の手間を極力減らしたい」という方は、住まいづくりの際に、シンプルな形状の設備を選ぶとよいでしょう。凸凹や装飾があると、そこにどうしても汚れが付きやすいためです。たとえば、浴室の天井照明はフラットなLED照明、洗面台は継ぎ目のないボウル一体型のカウンターなどを選ぶと、見た目はスッキリ洗練された印象となりますし、お手入れもしやすいです。
浴槽まわりなど水が流れる場所は直線ではなく、滑らかなアーチ状になっているなど、水切れをよくする工夫がされていると理想的ですね。また、水あかや汚れが付きにくい「有機ガラス系新素材」を使用したカウンターや水栓、軽くこするだけでも汚れが落ちやすい床材など、さまざまな設備が開発されているので検討してみましょう。
実際に家を建てて暮らしてみないと、水まわりの汚れやすさや掃除のしやすさは実感しにくいもの。家事シェアなど、生活者の目線を取り入れた商品設計をしているハウスメーカーを選ぶことをおすすめします。
水まわりだけでなく、
目に見えない「空気の汚れ」にも配慮を
水まわりの汚れは目立ちやすいので、長く住んで使っていれば多くの方が掃除の必要性を感じると思います。しかし、見た目の汚れ具合と掃除の必要性は、イコールではありません。
浴室のカビはしっかり掃除する方が多いですが、それ以外のお部屋、たとえば寝室のカビについてはどうでしょうか。近年は、気密性が高い住まいで暮らす方が増えていることもあり、布団やマットレスに潜むカビに悩まされている方が少なくありません。個人差はありますが、1日の浴室の滞在時間30分程度と比較して、寝室で過ごす時間は6時間〜8時間程度と、何倍もの差があります。
お部屋のカビ対策としては、目に見えない空気の汚れをキレイにする必要があるため、普段から定期的な換気を行いましょう。24時間換気のシステムがあるうちは、「節約」という名のもとにスイッチを切るなんてことは絶対にしないでくださいね!
また、定期的なエアコンのフィルター掃除をお忘れなく。ほとんどのエアコンは、室内の空気を取り入れて温度を調節していますので、フィルターの掃除をしなければ、どんどん空気が汚れていきます。奥のカビまでしっかり掃除したいという場合は、素人が行うと故障の原因になりやすいので、プロの手を借りましょう。
しかし、空気の汚れは目に見えないものなので、掃除すべきタイミングや、しっかり掃除ができているかどうかわかりにくい、という問題があります。掃除しなければと思っていても、ついつい忘れてしまう、というご家庭も多いようです。普段から美しい空気をキープしてくれる家があれば理想的ですよね。
ご家族の健康や日々の掃除のしやすさ、快適さを考えた時にダイワハウスが提案する「あんしん空気の家クリーンエアデザイン」は、とても理にかなっているといえるでしょう。というのも、24時間空調システムにより、外からの空気を取り入れながら、クリーンで心地よい空気を住まいの中にしっかり循環させていってくれるからです。全館空調のエアヒーリング※1なら、洗面室などの水まわりの空気までコントロールしてくれるといううれしい機能付き!
さらに、HEPAフィルターが、花粉やハウスダスト、カビのほか、PM2.5などの微粒子までしっかり除去してくれます。※2 また、ウイルスを効果的に吸着・分解する独自の吸着性光触媒コーティングで、床や壁、天井はもちろん、収納スペースやカーテン、家具やラグといったインテリアまで抗ウイルス化できるそうです。安心してキレイな空気の中で暮らせそうですね。
- ※1対象商品:xevoΣ系1・2階建て全商品
対象地域:4~7地域のみ - ※20.3µm未満の微粒子については除去の確認ができていません。また、空気中のすべての有害物質を除去できるものではありません。
まとめ
掃除というと、家を美しく保つもの、というイメージがあって面倒だなと思うかもしれません。そこで、健康に生きるためにするものと視点を変えてみてはいかがでしょうか。そして、住まいの設計で解決できること、それぞれの家庭に合わせて掃除で気を配るべきこと、楽をしても大丈夫なことは何かを見直してみると、もっと肩の力を抜いて掃除と向き合えることでしょう。この機会に、健康、掃除、住まいづくりの関係について考えてみてはいかがでしょうか。
Profile
家事・掃除・子育てガイド
藤原 千秋さん
家の事・子どもの事・仕事の三つ巴を楽しむずぼら掃除を提唱。大手住宅メーカー営業職を経て主に住まい、暮らしまわりの記事を専門に執筆し21年目。現在はライティングの傍ら監修、企画、広告、アドバイザリー等の業務に携わる。プライベートでは三女の母。『この一冊ですべてがわかる!家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など著書監修書、マスコミ出演多数。