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北広島町、浜田市、江津市、大田市

“暮らす森”を知ろう

SLOWNER WEB MAGAZINE

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自然・風土

時の流れを映す風景、芸北の山から日本海まで

ロイヤルシティ芸北聖湖畔リゾート/2023.02.22

北広島町、浜田市、江津市、大田市

広島県、島根県、山口県にまたがる山岳公園、西中国山地国定公園。標高1,200〜1,300m級の山々の間には、いくつもの深い谷が直線上に走り、三段峡、匹見峡(ひきみきょう)、寂地峡(じゃくちきょう)など全国にも知られる美しい渓谷がいくつもあります。ロイヤルシティ芸北聖湖畔(げいほくひじりこはん)リゾートが広がるのは、この西中国山地国定公園第3種特別地域内にあたる広島県北広島町。周囲は、ブナの原生林が広がる臥龍山(がりゅうざん/標高1,223m)や、西日本有数の秘境といわれる名勝・三段峡、八幡(やわた)湿原など、清らかな水に恵まれた豊かな自然に包まれています。

紅葉の原生林に包まれて美しさを増す、三段峡上流にある三ツ滝

西中国山地国定公園の特徴のひとつが渓谷美です。国の特別名勝「三段峡」は、総延長約16kmの渓谷。三段峡の中でも壮観といわれる五大景観のひとつが、芸北聖湖畔リゾートに近い、聖湖(樽床ダム)のすぐ南を流れる「三ツ滝」です。ダムの駐車場から階段を下っていくと、激しい水音とともに、荒々しい大岩が散らばる渓谷が広がり、その左手に三ツ滝が姿を現します。畳岩と呼ばれる巨岩に挟まれた三段峡最大のこの滝は、全体の高さ約31m、深さ3.5m。滝を包むような鮮やかな広葉樹と、白い滝が美しいコントラストを描いています。

(写真左)美しいススキ野原が広がる千町原 (写真右)木道を歩いて、湿原内が散策できる霧ヶ谷湿原は約17haの広さを誇る

湿原や原生林など、独特の自然が残る中国山地

芸北聖湖畔リゾートからも望める臥龍山は、その名のとおり竜がひれ伏しているようななだらかな山容を見せています。山頂にかけて樹齢200年以上のブナの原生林が広がるほか、臥龍山北面は、日本の湿原分布のほぼ南限にあたる八幡湿原もあり、珍しい湿原植物や鳥類、昆虫が生息しています。
標高800m前後の高地に広がるこのあたりは、年平均気温も10℃前後と低く、年間降水量も中国地方では最も多い地域。点在する湿原の一つの霧ヶ谷湿原は、一時は牧場が造成され乾燥化が進みましたが、広島県による再生事業によってよみがえりました。

道の駅「ゆうひパーク浜田」から見える夕陽。弓形に続く浜田市の向こうに美しく沈む

北広島町から日本海に面した島根県の西部、ノドグロ、カレイ、アジなどの漁業がさかんな浜田市へ。国道9号線浜田道路沿いにある道の駅「ゆうひパーク浜田」は、石見の港町から日本海まで見下ろせるロケーション。日没時には、美しい夕景を楽しむ人々でにぎわいます。
浜田市の海岸沿いには、国指定天然記念物「石見畳ヶ浦(いわみたたみがうら)」が広がっています。細い隧道(ずいどう)を経て、広大な海岸が開けるとそこは、およそ49,000㎡もの千畳敷。これは約1600万年前に堆積した砂岩層で、滑らかな表面にある無数の亀裂(節理)が、畳を敷いたような形で伸びています。振り向くと、異なる地層が重なった礫岩(れきがん)が高さ約25mにわたって広がり、太古からの壮大な歴史を目の当たりにすることができます。

(写真左)外湯に出かける人でにぎわう夕刻の温泉津の温泉街
(写真右)石見畳ヶ浦。丸い石はノジュールと呼ばれ、貝の炭酸カルシウムなどが溶け出したところに化石や砂粒が固まり、侵食を受けながら残ったもの

いにしえの町並みが残る、海沿いの町

浜田市から東に走ると、石見銀山の玄関口として栄えた温泉津(ゆのつ)温泉があります。江戸時代の町割の景観が残る細い路地にある3軒の公衆浴場は、1300年以前には湧き出ていたという温泉と、ノスタルジックな空間が楽しめる「元湯」、町のシンボルともいえる木造洋館建築と、自然湧出の源泉掛け流し湯が魅力の「薬師湯」、銭湯のような外観ながら、豊富な泉質の「才市の湯」と、いずれも個性的。湯の町は今も、地元の人や観光客らでにぎわいます。

モダンな洋風建築や昔ながらの屋敷が軒を連ねる、江津本町甍(いらか)街道

温泉津から海沿いを西へ下り、江津(ごうつ)市へ。江戸時代には北前船の寄港地として、明治維新後も近隣地域の経済の中心として栄えた江津本町があります。この町の「天領江津本町甍(いらか)街道」を歩くと、かつて廻船問屋だった屋敷や旧役場の洋風建築、荷を積んだ牛や馬をつないだ「鼻ぐり石」など、往年の町の面影を味わうことができます。
石州瓦のメイン産地に近い波子(はし)町には、日本海に向かって石州瓦の屋根が連なる集落が広がっています。夕刻には日本海の夕陽が、鮮やかな赤茶色の屋根を照らし、この集落独特の美しさに染まります。

石見焼と石州瓦を全国的に広めた問屋や大仲買人を大勢輩出した波子町、石州瓦の民家が連なる町並み

取材撮影/2022年11月8日~10日

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