ロイヤルシティ裏磐梯リゾート
「森の暮らし」を支える/感じる
ロイヤルシティ裏磐梯リゾート/2024.09.27
磐梯朝日国立公園の一部、桧原湖や秋元湖をはじめとする裏磐梯湖沼群に近い森の中にあるロイヤルシティ裏磐梯リゾート。周囲は深い森に囲まれていますが、裏磐梯リゾート内は日当たりが良い広々とした敷地が多く、平たんな区画や傾斜のある区画、ゆるやかな川沿いの区画など、それぞれの特徴を生かした建物と庭が点在しています。
歩き始めると、道沿いでトリアシショウマが白い花を穂状につけていました。ヒヨドリバナも小さな白い花をまとめてつけています。この花には渡りをする蝶、アサギマダラが立ち寄るそうです。少し奥にはガクアジサイに似たノリウツギの花も。高木はカエデの仲間やヤナギの仲間、ヤマハンノキなど落葉樹が多く、中でも目を引いたのは、種子につく翼が花のように赤く色づいたカエデです。カエデの仲間は翼のある種子が2個ひと組でつきます。この翼の形や角度、葉の形などが種類の見分け方のポイント。大きな翼がほぼ平行につき、葉は掌状ではなく切れ込みが2カ所なのでカラコギカエデです。ミツバアケビやクルミも実をつけています。クルミの実は森に住む動物たちの好物。人も古くから食用としてきましたが、国内に自生しているオニグルミとヒメグルミは実が小さく堅いため、現在は大きく割りやすいカシグルミなどが多く流通しています。オニグルミとヒメグルミは葉や幹などでは区別が難しく、殻がハート型でしわが少なければヒメグルミです。
トリアシショウマ
夏に小さな白花を多数円錐状につける。ユキノシタ科。よく似るヤマブキショウマはバラ科
ヒヨドリバナ
形態に変異が多い。キク科でフジバカマと同属。花も似ている(フジバカマは葉が3裂)
ノリウツギ
アジサイの仲間で開花時期が遅い。装飾花はまばら。すべてが装飾花の園芸品種もある
カラコギカエデ
葉の縁は3〜7つに裂ける。名前は樹皮がまだらに剥がれる様子から「鹿子木(かのこぎ)」が変化
クルミ
川沿いなど湿った場所を好む落葉高木。種子はリスやネズミによって運ばれたり、川に浮かんで流されて拡散する
さらに進むと、裏磐梯湖沼群から猪苗代湖に流れ込む長瀬川の水音が聞こえてきました。谷底の流れは見えませんが、音だけでも涼を感じることができます。谷の先のすぐ近くに落葉樹に覆われた山肌が見えるので、秋には山を埋め尽くす紅葉が楽しめそうです。天気が良いと日本百名山に数えられる磐梯山も見え、素晴らしい景色が楽しめます。
ところどころで萼(がく)や茎の毛が目立つエビガライチゴがつる状に枝を伸ばし赤い実をつけていました。野性のキイチゴの1種です。つる性の植物は他にもあり、ボタンヅルは低木や草を覆うように伸び白い花を咲かせています。木々の幹を這い上っているのはツルアジサイとツタウルシです。クマヤナギはヤナギとついていますがクロウメモドキ科の植物。花と同時期に昨年咲いた花の実が赤から黒く熟します。よく見ると触覚が長いヒロオビヒゲナガがとまっていました。梅雨明け前の裏磐梯、風に揺れる木々の葉音と川の流れの音に包まれながら、ゆったりとした時間が流れていました。
エビガライチゴ
全体に赤紫色の毛がある。6〜7月に淡紅紫色の花をつけ、果実は夏に赤く熟す
ボタンヅル
クレマチスの仲間。他の木を覆うように花をつける
ツルアジサイ
つる性のアジサイ。装飾花は4枚、イワガラミは1枚。樹木の幹などに張りつき這い上がる
クマヤナギとヒロオビヒゲナガ
クロウメモドキ科のつる性植物。とまっているヒロオビヒゲナガの雄の触覚は、翅(はね)の3倍ほどの長さがある
関口 亮子
自然観察指導員/1級造園施工管理技士/グリーンアドバイザー
磐越自動車道「猪苗代磐梯高原IC」から車で約20分。 ロイヤルシティ裏磐梯リゾートは、福島県を代表する名峰、磐梯山の北側の麓に広がっています。磐梯朝日国立公園内に立地しているため、自然公園法の規制により一区画1,000m²以上という区割りを実現。森林住宅地内のどこにいてもダイナミックな山容の裏磐梯を間近に感じられ、大自然と一体になれる毎日を楽しむことができます。
取材撮影/2024年7月29日
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