霧島高千穂リゾートランド
「森の暮らし」を支える/感じる
霧島高千穂リゾートランド/2022.09.13
7月上旬、霧島高千穂リゾートランドを訪れると、ヒメハルゼミの大合唱が迎えてくれました。1匹鳴き始めると次々と続き、あっという間に林全体がセミの声に包まれます。やんでしばらくするとまた1匹から始まり大合唱に。これが繰り返されていました。
広大な分譲地の中は、傾斜地を生かした街区や林に溶け込むような街区、菜園やガーデニングに向いた平たんで日当たりの良い街区など変化に富んでいます。高千穂峰、霧島連山、そして桜島が望める場所もあり、さまざまな景色を楽しめるのも魅力のひとつです。
今回は「高千穂カントリー倶楽部」のコースの間に広がる、木々が多いV街区とR街区を歩いてみました。タブノキやカシの仲間などの常緑樹とクマノミズキ、カラスザンショウなどの落葉樹、アカマツ、ヒノキなどの針葉樹が混ざる林で見つけたのは、ブドウのように垂れ下がったキブシの果実です。近くには赤く熟したナワシロイチゴの果実も。足元では、ネジバナがらせん状に小さな花を付けていました。
キブシの果実
春葉が開く前に咲く淡黄色の花は房状に何本も下がり、暖簾やかんざしのように見える
ナワシロイチゴの果実
キイチゴの仲間。稲の苗づくり場(苗代)をつくる頃に果実が熟す。花弁は開かずガクだけ開く
ネジバナ
花をよく見るとラン科の植物だとわかる。
ねじれ方は右巻き左巻き両方ある
歩き進めると視界が開け、雲をかぶった桜島がうっすら見えました。天気が良ければ雄大な桜島の姿を望むことができる場所です。霧島は名前の通り霧の多い地域。そのためかシダ植物のマメヅタが幹にびっしり生えている木を多く目にします。他にも正月飾りに使われるウラジロやコシダ、ゼンマイなど多種のシダが見られます。側溝をのぞくとサワガニが。近くにある小さな滝から来たのかもしれません。さらに進むと何種類かのスミレが生えている場所がありました。シハイスミレ、ナガバタチツボスミレ、フイリフモトスミレなどでしょうか。スミレの葉を観察していると目の前にジャコウアゲハが。忙しく飛び回る後を追うと、幼虫の食草であるウマノスズクサの葉の裏側に卵を産み付けていました。葉の裏には、いろいろなものが隠れています。サルトリイバラの葉の裏側では、ルリタテハの幼虫が食事中。やがて瑠璃色の帯模様が入った黒褐色のチョウに変身します。帰り道の湿った場所ではメリケンムグラが群生し、小さな白い花を咲かせていました。
マメヅタ
常緑のシダ植物。樹木や岩に着生する。ヘラ状に伸びているのは胞子葉
メリケンムグラ
北米原産の帰化植物。湿った場所を好む。花は筒状で先端が4裂し、群落をつくる
ヤブカンゾウ
夏に八重咲きの花をつける。結実しない。ノカンゾウは小型で花は一重
サルトリイバラを食べるルリタテハの幼虫
幼虫の食草はサルトリイバラやユリ、ホトトギスなど。トゲは触れると軽く痛むことがある程度で無毒
最後にヒグラシの声を聞きながらオニユリのオレンジ色の蕾と、ヤブカンゾウのオレンジ色の花をカメラに収め霧島を後にしました。今回は分譲地のほんの一部しか歩けませんでしたが、花の少ない時期でもさまざまな自然に触れることができました。次回は違う街区の景色や自然を楽しみたいと思います。
関口 亮子
自然観察指導員/1級造園施工管理技士/グリーンアドバイザー
霧島高千穂リゾートランドに隣接するアクティブリゾーツ霧島(旧:霧島ロイヤルホテル)の敷地内に、2021年10月より「高千穂シェアサロン」がオープンしています。高千穂の景色を望む大きな窓をレイアウトした空間は、お散歩中の休憩に、ふらりと立ち寄っていただくこともできますし、施設内はフリーWi-Fiを完備しているので、テレワークやワーケーションの場としても自由にご利用いただけます。
オーナーさま主催のさまざまなイベントも行われており、絵画教室やビーズステッチなどは、地域の方も参加される人気イベント。奥の和室では(5室・予約制)、編み物教室やヨガ教室も行われています。森林住宅地の中でも歴史の長い霧島高千穂リゾートランドでは、オーナーさま同士でつくられたサークルや同好会活動も盛ん。訪れた日には、活動歴20年を超える囲碁クラブの皆さんが、午後のひとときを楽しまれていました。
これからも、趣味や特技を楽しみたいオーナーさまの活動拠点として、いきいきとした高千穂暮らしをサポートしていきます。
開放的な空間が広がる「高千穂シェアサロン」。今後はお茶会など、高千穂の景色を愛でる四季折々の集いも企画していく予定。オーナーさまが持ち寄られた貴重な書籍が並ぶ、図書コーナーも必見です
取材撮影/2022年7月7日
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