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清酒 西の関 醸造元 萱島酒造

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SLOWNER WEB MAGAZINE

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150年ひとすじ。国東の人と魚に合う地酒

ロイヤルシティ別府湾杵築リゾート/2023.08.30

清酒 西の関 醸造元 萱島酒造

九州の酒というと焼酎のイメージがありますが、もともとは清酒づくりのノウハウを使って焼酎が生まれたといわれています。ロイヤルシティ別府湾杵築リゾートが広がる国東(くにさき)半島には、1873年(明治6年)から150年の間、酒づくりを行っている「萱島(かやしま)酒造」があります。聞けば、明治時代半ばの日本には全国各地に12,000軒にも及ぶ造り酒屋が存在し、大分だけでも700軒以上あったといいます。時代は流れ、現在は国内でおよそ1,500軒が残り、ここ国東市では萱島酒造を含め3軒だけになりました。

当時の相撲の最高位が大関だったことから、西日本の代表酒を目指して名付けられた『西の関』。萱島酒造で育てた杜氏を中心に、15人の蔵人たちが酒づくりを担う

萱島酒造では、1894年(明治27年)築の貯蔵庫をはじめ、1914年(大正3年)築の吟醸造の仕込み蔵、1933年(昭和8年)築の母屋などの建物が、今も大切に使われています。
昔の風景を留めるだけでなく、酒づくりへの心意気もしっかり受け継がれています。豊後水道、伊予灘、周防灘に囲まれた国東地方は、アジ、タチウオ、サバなど流れの速い海で鍛えられて育った魚介に恵まれた土地です。萱島酒造では、「地の人と、地の魚を、地の酒で」という思いのもと、創業時から代表銘柄『西の関』を製造。1907年(明治40年)に初めて行われた清酒の品評会「全国品評会」で、最高峰の一等入賞を達成しました。地元の食や人の好みに合った地酒づくりは、今も手仕事で続けられています。

建物すべてが国登録有形文化財に登録。レンガから特注した八角形の煙突は戦時中、米軍の標的となり、その痕跡が残っている。古い仕込み蔵には松材が使われているほか、2階は柱が一切使われていないなど、当時の大工の技術の高さも垣間見ることができる

仕込みは、半島を見守る両子山ゆかりの水で

定番商品は、長年地元の人々に育まれた『西の関 上撰』です。これまでつくられてきた酒は、屋外の巨大タンクに貯蔵され、均一の温度下で保存。これらの貯蔵酒の中から社長が数種をブレンドし、今年の味を決めます。社長と杜氏が決めた味やブレンド比率を元に、工場長で「調合・ろ過師」の平野淳治さんが、市販化に向けて大量の販売量に合わせた調合を行います。こうしてできる『西の関』は、冷や・常温・お燗 どれでも美味しく楽しめます。
原材料は、国東半島の中心部にそびえる両子山(ふたごさん)から湧き出る豊かな伏流水。そして九州をはじめ、広島や兵庫などの酒米を使用し、五味(甘味・酸味・辛味・苦味・渋味)の調和を目指しています。洗米・蒸し・酒母づくり・本仕込み・搾りなど、出荷まで手仕事が続く、昔ながらの酒づくり。仕込み時期に入れば24時間体制で専念しますが、「仕込み前の掃除が一番大事」と工場長の平野さんはいいます。萱島酒造では、10月からの仕込みのために盆明けから準備がスタート。蔵の天井はすべて拭き上げ、道具の手入れはもちろん、熱湯消毒や天日干しも徹底。「ずっと同じことをしていると慣れが出てくるから」と、蔵のあちこちに『ちゃんとやってよ』と書かれたちょっとユーモラスで厳しいひとことが貼り紙してあります。

ノスタルジックな雰囲気に包まれたアンテナショップ「SAKE GALLERY 東西」

地元からも、食のプロからもお墨付きの味を、お土産に

敷地の一角に、アンテナショップ「SAKE GALLERY 東西」がオープンしています。昔の酒造りの道具を店舗什器として活用したおしゃれな空間で、看板商品の『手造り純米酒』、女性に人気の『にごり酒』、オンザロックがおすすめの 夏のお酒『ひや』などのほか、1988年(昭和63年)醸造の『超辛口古酒』や大吟醸『秘蔵酒』も購入することができます。また、お酒だけでなくいろんなグッズも販売されているほか、ショップで試飲も楽しむことができます。ちなみに『手造り純米酒』は、日本名門酒会による「プロが選んだ鰻に合う酒」の審査で11年連続ナンバーワン、12年目から殿堂入りを果たした逸品。地の人と地の魚に合う旨口の芳醇な味は、お酒のプロからもお墨付きです。

工場長で、調合・ろ過師の平野淳治さん。父も祖父も萱島酒造の蔵人だった。「最近は若い人が地元に戻ってきて、若い人に合う酒づくりが始まっています。私たちも昔ながらの酒づくりを守りながら、九州の地酒を盛り上げていきたいです」

取材撮影/2023年7月1日

清酒 西の関 醸造元 萱島酒造[現地から約25.3km~26.1km]

清酒 西の関 醸造元 萱島酒造[現地から約25.3km~26.1km]
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