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スタッフからの現地便り

静寂を聴く。雪の宮城蔵王を歩く

  • 更新日:2014年06月26日
  • カテゴリ:自然観察
静寂を聴く。雪の宮城蔵王を歩く

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 久しぶりの蔵王は私にとって初めての冬の取材でした。3月なので冬といっても終盤。年によっては現地の雪も融けている時期ですが、今年は2月の寒波で降った雪がたっぷり残っていました。取材中も雪が時々降るという天候で、好条件ではありませんでしたが、冬の東北を体験することができました。

 キーンと冷たい空気で身を引き締め、まずは宮城蔵王リゾートがある蔵王町のお隣、七ヶ宿町(しちかしゅくまち)にある七ヶ宿ダムに向かいました。七ヶ宿ダムは阿武隈川水系最大の支流である白石川に造られたダムで、満水時には東京ドーム約90杯分の水量になるそうです。ダムの構造や役割などわかりやすく紹介されたホームページを読むと、このダムが仙台市や多くの地域の水がめの働きを担い、蔵王町に供給されている水の約4割も(平成16年)七ヶ宿ダムから供給されているそうです。ダムの仕事や地域情報などを紹介したマンガなどもあり、楽しみながらダムのことを知ることができます。


■七ヶ宿湖(しちかしゅくこ)
阿武隈川水系最大の支流白石川に、洪水調節と水道・工業・かんがい用水の供給等のために建設された七ヶ宿ダム(コア型ロックフィルダム)により形成された人造湖。総貯水量は東京ドーム約90個分。宮城県民の水がめとしての役割が大きく、水質保全のために様々な取り組みがなされ、中でも大噴水は訪れる人達も楽しませてくれる。(大噴水は冬場運休)

 雪が積もった落葉樹の山々に囲まれたダム湖(七ヶ宿湖)沿いにはいくつかの施設がありますが、まずは道の駅「七ヶ宿ビューランドありや」で腹ごしらえを。1段下の湖畔にある公園からは春から秋に湖面に打ち上げられる大噴水を見る事ができるそうです。水際には釣り人が数人。ここではサクラマス、イワナ、ワカサギが釣れるようです。この時期のお目当てはワカサギでしょうか。
※「道の駅七ヶ宿」は2014年4月に山形県寄りの「七ヶ宿水と歴史館」の隣に移転しました。

 七ヶ宿湖の下流には「材木岩公園」があります。火山岩に柱状の割れ目が規則正しく入った柱状摂理という現象で、まさに無数の材木が垂直に立ったような岩壁が約100mにわたって続いています。高さはおよそ65m。対岸にいても岩が迫って来るような圧倒される景色です。公園内には七ヶ宿から移築復元された茅葺き屋根の検断屋敷や氷室などもあり、季節ごとに「検断屋敷まつり」が開催されます。春にはたくさんの鯉のぼりが川の上を泳ぐ姿も見られるそうです。


■小原の材木岩
デイサイト(火山岩)に柱状の割れ目が規則正しく入った柱状摂理。幅約100m・高さ約65m。国指定天然記念物。対岸には七ヶ宿から移築復元された茅葺き屋根の検断屋敷(検断とは宿場の伝馬人足など宿場の仕事一切を統括する職務)や、氷室(風穴を利用して蚕の卵を貯蔵した小屋)が復元されている。周辺はヨコグラノキ(クロウメモドキ科、落葉小高木)の北限地帯としても国の天然記念物に指定されている。

 七ヶ宿湖沿いの国道113号線を山形方面に進むと七ヶ宿町の中心地に入ります。七ヶ宿町はかつて7つの宿があり、江戸時代には羽州街道と奥州街道を結ぶ山中七ヶ宿街道の宿場として栄えたそうです。国道に沿うように流れる白石川にある「滑津大滝」の周辺には駐車場や売店などがあり、気軽に立ち寄ることができます。滝の間近まで下りることができるそうですが、今回は雪で断念。売店の裏から下を覗き込むと、「二階滝」と呼ばれる上の段は枝に隠れてよく見えませんでしたが、約30mの川幅いっぱいに流れ落ちる滝は一段だけでも迫力がありました。

■滑津大滝(なめつおおたき)
白石川の七ヶ宿湖より上流にある滝。高さ約10m幅約30mの二段滝。滝の横に階段があり、豊富な水量が川幅いっぱいに流れ落ちる豪快な滝を近くから見ることができる。周辺の滑津大滝公園は紅葉スポットとしても知られる。上流には滑津小滝がある。

 次に国道を少し戻り、七ヶ宿ダムの手前から横川渓谷公園へ進みました。七ヶ宿ダムに流れ込む横川渓谷に架かる「やまびこ吊り橋」は延長120m、東北一大きな吊り橋です。橋の上からは正面に蔵王連峰の不忘山(ふぼうざん)を望むことができます。周囲はブナやカエデなどの落葉樹に囲まれているので、春の新緑や夏の涼、秋の紅葉を求めて訪れる人が多いそうです。ここから「長老湖」へは約15分。この日も雪の上にストックの跡があったので、スノートレッキングを楽しんだ人がいたようですが、我々は車で移動。積雪のため県道から徒歩で湖に向かう途中、雪の上に可愛い足跡を発見しました。ウサギの足跡です。間隔が狭いのでピョコンピョコンと歩いていたようです。
 「長老湖」は湖面に不忘山が映る「逆さ不忘」も見ることができるそうですが、今回は湖面に雪が積もっていたので、残念ながらおあずけ。その代わりに、足跡ひとつない雪の原の先にそびえ立つ不忘山という、この時期ならではの景色を見ることができました。
   
■左:やまびこ吊り橋
七ヶ宿ダムに流れ込む横川渓谷に架かる延長120m幅2m水面からの高さ20mの吊り橋。修景型の横川砂防ダム(手前に見える石積み)の施工に伴い架けられた鋼桁吊り橋型式人道橋。周囲は横川砂防公園として整備されている。みやぎ蔵王三十六景。
■左中:やまびこ吊り橋から不忘山(ふぼうさん)
蔵王連峰南端にある1,705m 別名、御前岳。宮城県随一の花の山として知られ、『花の百名山』(NHK、山と渓谷社)に選ばれている。頂上からは360度のパノラマを楽しむことができる。蔵王連峰は古来からの「忘れずの山」と呼ばれてきた。この名前が不忘山に残ったといわれる。
■右中:ウサギの足跡
ウサギは前足を着き、跳び箱を飛ぶようにピョンと飛び後ろ足を着くので、これは奥から手前に歩いてきた足跡。前足は小さく前後に、後ろ足は細長く横に開くのが特徴。走ると間隔が広くなるので、この時は歩いていたと思われる 。 
■右:長老湖からの不忘山
標高約500mに位置する長老湖(みやぎ蔵王三十六景 )は周囲約2km。以前は今より小さく長老沼と呼ばれていたが、湖畔に横川発電所が作られたため拡張され、今の大きさになり長老湖と呼ばれるようになった。周囲は落葉樹に囲まれ新緑から紅葉まで美しく、シーズン中はボートで湖面からの景色を楽しむこともできる。

 2日目。冬の蔵王といったら、やはり樹氷を欠かすことはできません。樹氷のある蔵王山頂付近までは、宮城県側から雪上車に乗り向かうルートと、山形県側からロープウェイで向かうルートの2通りありますが、今回は雪上車を選びました。といっても、樹氷を見に「すみかわスノーパーク」に向かう組と、現地を歩く組に分かれ、私は現地を歩く組に。樹氷組によると、運行期間が残り1週間という終盤でありながら、遅く来た寒波のおかげで最盛期に近い好条件の樹氷を見ることができたそうです。私もアオモリトドマツなどに着雪してできたモンスターを見たかったな、と少し残念だったので、いつかきっと行ってみたいと思います。


■蔵王のホワイトモンスター(樹氷)

 現地組はまず第Ⅰ期を歩いてみました。宮城蔵王ロイヤルホテルの北西に広がる第Ⅰ期は年数が経っているので、樹々が大きく落ち着いた印象を受けます。気温が低いためか雪はさらさら。積もった雪が時々吹く強い風に飛ばされてきます。雪の森林住宅地は静かで、寒いながらも凜とした空気に包まれる心地よさを感じながらの散策です。

 この時期、草花は雪の下で冬眠中。樹々も?と枝をよく見ると、様々な形をした芽は春の準備を始めているようです。なかにはイワガラミのように去年の葉が落ちた痕(葉痕)が顔のように見えるユニークなものも。ツルアジサイとイワガラミは花の雰囲気がよく似ていますが、冬芽の形は違うので芽だけでも見分けられます。サルトリイバラは茎も芽も鮮やかな赤い色。去年の葉柄をかぶり守られているかのようです。一面雪に覆われた林の中、1本の樹のうろに生えたサルノコシカケの仲間の上にも雪が積もっていました。猿というよりはリスが乗ったらちょうど良いくらいの大きさ。リスがちょこんと座った様子を想像して思わず笑みが。低い位置にあるので、周りの低木や草が茂っている時期には見落としていたかもしれません。見通しが利く冬の林の中ではの発見でした。
   
■左:イワガラミ(岩絡み)の冬芽 アジサイ(ユキノシタ)科イワガラミ属
北海道から九州の山地の明るい林縁や岩場などに生育するつる性落葉樹。6~7月にガクアジサイに似た白い花をつける。花の固まりを取り巻く装飾花の萼片は1枚。葉の鋸歯(縁の切れ込み)は粗く片側に20個以下。岩や木に絡み付いて育つことからついた名。
■左中:ツルアジサイ(蔓紫陽花)の冬芽 別名:ゴトウヅル、ツルデマリ アジサイ(ユキノシタ)科アジサイ属
北海道から九州の山野に生育するつる性落葉樹。岩や木に絡みつき6~7月に白いガクアジサイに似た花をつける。装飾花の萼片は4枚。鋸歯は片側に30個以上。アジサイの仲間でつる性なのでついた名。

■右中:サルトリイバラ(猿捕茨)の芽 別名:ガンタチイバラ、カカラ、サンキライ サルトリイバラ(ユリ)科シオデ属
北海道から沖縄に生育するつる性落葉樹。雌雄異株、刺と葉の元にある巻きひげで近くの木などに絡んで伸びる。春に咲く淡黄緑色の花より、秋からつき冬になっても落ちない赤い実のほうが目立つ。猿も捕えられてしまうほどの鋭い刺が生えていることからついた名。実が美しいのでサンキライの名で花材として使われる。

■右:サルノコシカケ(猿の腰掛け)の仲間
半円形や扇型の傘を持ち、木質で硬くなるキノコの総称。主に枯れ木や倒木に発生するが、生きた樹に発生することもあり、樹を枯らしたり腐らせたりしてしまうこともある。一般的なキノコは発生時期が限られ一年で消滅するが、サルノコシカケの仲間は周年見ることができ、多年にわたって成長するため巨大化することもある。漢方薬として用いられる種類もある。

 「雪の回廊」で知られる蔵王エコーラインへ続く道沿いに位置する第Ⅱ期は、「あかまつ平」と「みずき平」、道を隔てたところにある「もみじ平」で構成されています。宮城蔵王リゾートの中では一番標高が高いため積雪も少し多かったので、静かな林の中を一回りし第Ⅲ期に向かいました。
 第Ⅲ期の「カッコウの丘」「オオルリの丘」は宮城蔵王カントリークラブに続く道沿いにあります。樹々が少なく開けた明るいエリアなので、野菜や草花を育てているお宅が多くありますが、こちらの庭も雪景色。そんな中、道沿いの雪の上に黄緑色をしたウスタビガの繭が落ちていました。風に飛ばされたようです。でも、ウスタビガは卵で越冬するので既に中は空っぽ。ご安心ください。

 そして前回訪れた時にはまだ分譲されていなかった「水音の杜(第Ⅳ期)」へ。太い木はあまりありませんが、綺麗な落葉樹の林です。この第Ⅳ期の一番の魅力は、エリアの名前にもあるように水の音が聞こえることでしょう。下流で松川に合流する濁川沿いに敷地があるため、川のせせらぎが心地よく響いてきます。川に下りる道もあるので、水辺の植物も楽しめそうです。林の縁でタラノキに似た刺のある枝をみつけました。タラノキ同様に春の山菜としても知られるハリギリですが、芽はまだ硬い帽子をかぶっているような姿です。雪に覆われた中、側溝に近い一部分だけ雪が融け枯れ葉がのぞいていました。コンクリートが日に当たって暖められたためでしょうか。何か芽吹いていないかと近づいてみると、フキノトウが顔を出していました。墨絵のような景色の中、春の息吹を感じさせてくれる鮮やかな黄緑色です。樹々の足元でも春の訪れが近いことを告げる現象が見られました。幹の周りの雪がすり鉢状に溶ける「雪根開き(ゆきねびらき)」、春の季語にもなっている現象です。この日は時々雪が降る寒い日でしたが、春はすぐそこまで近づいているのだなぁと心が温かくなりました。
   
■左:水音の杜(第Ⅳ期)の林
若い林なので細い樹が多いが、林を育て成長を見守るのも森林住宅地に住む魅力のひとつ。
■左中:ハリギリ(針桐)の冬芽 別名:センノキ ウコギ科ハリギリ属
北海道から九州の山地に生育する落葉高木。7~8月に黄緑色の小さな花を球状につける。葉は掌状に5~9裂する。若い枝には鋭い刺があるが大きく育つと脱落し、老木になると樹皮に深い割れ目が入る。刺があり材がキリに似ていることからついた名。
右中:フキ(蕗)の蕾「雄花」 キク科フキ属
本州から九州の山野に生育する多年草。雌雄異株。3~5月に小さな花をまとめてつける。雌花は白っぽく細い糸状、雄花は雌花に比べ太く黄色。写真は雄花。雌花は花後タンポポのような綿毛のあるタネをつける。苞に包まれた蕾や茎をフキノトウ、葉柄はキャラブキとして食用にされる。名前は古名から。布布岐(ふふき)、冬葱(ふゆき)、冬黄(ふゆき)、山生吹(やまふぶき)などがあったといわれている。
■右:雪根開き
「木の根開き」、「根周り」とも呼ばれる。春の季語。樹の根本の周りの雪がすり鉢状に融ける現象で、雪国の春の訪れを知らせてくれる。幹が太陽光を受けて光を吸収し温度が上がるからとか、春に備え水を吸って樹の内部が温かくなるから、太陽光が幹に当たって周囲の雪に反射するから、などいくつかの要因があげられている。

 この日の最後は少し北上して伊達家の御殿湯だった青根温泉へ。雪が降り始める中、温泉街に入ると洋館が目に留まりました。看板を見ると「青根洋館 古賀政男記念館」とあります。古賀政男の代表曲である「影を慕いて」はこの温泉地で曲想を得たといわれているのだとか。近くにある足湯の「停車場の湯」は故障中でしたが、青根洋館の向いにある日帰り温泉「じゃっぽの湯」からは楽しそうな声が聞こえてきました。「じゃっぽ」とは幼児語で「風呂」のことだそうです。

 3日目。まずは仙台市民の台所として親しまれている仙台朝市をのぞいてみました。仙台駅から徒歩で約5分という好立地にあります。朝市といっても営業時間は7時頃から夕方まで。道の両側には美味しそうな魚介類や野菜、果物などが並んでいました。朝食前だったら仕事ということを忘れて買い物に夢中になってしまいそうです。
 
■左:青根洋館 古賀政男記念館
来日した宣教師達の住居として明治末期に仙台市青葉区に建てられた物を、大学がセミナーハウスとして青根温泉地内に解体移築し、その後今の場所に再移築復元された。1階は観光案内所と喫茶室。2階の古賀政男記念館は愛用の楽器や楽譜などの遺品が展示されている。古賀政男は学生時代に青根温泉に逗留し、この時に『影を慕いて』の曲想を得たといわれている。
■右:仙台朝市
仙台駅より徒歩5分。長年に渡り仙台市民の台所を支えてきた常設市場。約100mの朝市通り沿いを中心に八百屋や鮮魚店、乾物店など70店舗が連なる。朝市だが早朝から夕方まで営業する店が多い。空襲の後に、多くの露店が集まった青空市場が起源といわれる。

 次に向かった松島は津波に遭いながらも260あまりの島々に守られ、他の沿岸部に比べ被害が奇跡的に少なかった地域といわれています。多くの方々の努力により復興が進み、観光客も震災前の8割まで回復しているそうです。その松島を通り過ぎ、さらに奥松島パークラインを進むと、津波の爪痕が深く残る東名、野蒜地区に入ります。きれいな海水浴場だったという野蒜(のびる)海岸沿いを大高森のある宮戸島へ向かいました。

 大高森は「松島四大観」のひとつで、松島を箱庭のように見られることから「壮観」と称されたそうです。岩に張りつくように生えたミツデウラボシなどを見ながら坂道を登ると、約15分で頂上に。松島湾を一望できるここからは、遠くに仙台市や男鹿半島、蔵王連峰なども望むことができます。青い海に緑の島々と何隻もの漁船が浮かぶ様子は穏やかですが、目を北に向けると津波で地面がむき出しになった野蒜、東名(とうな)地区が見え、複雑な思いがしました。3年経っても復興どころか復旧もまだまだ途上の現状を目に焼き付け、対岸から松島湾を見渡す事のできる「西行戻しの松公園」へ向かいました。
 
■左:ミツデウラボシ(三手裏星) ウラボシ科ミツデウラボシ属
北海道から九州の低地から低山地のやや日当たりのよい岩や崖に生育する常緑シダ植物。葉は普通3裂するが変異が多く単葉になることもある。葉裏の脈の両側に胞子嚢群が並ぶ。これを裏星、3裂する葉から三手とついた。
■右:大高森から松島湾方面
大高森は松島の対岸に位置する松島湾最大の島、宮戸島(東松島市)のほぼ中央にある標高160mの山。江戸時代の儒学者舟山万年が「東に大高森の壮観、西に扇谷の幽観、南に多聞山の偉観、北に富士の麓観」と称した「松島四大観」のひとつ。日本三景の松島を箱庭のように見られることから「壮観」と称された。展望台からは西に松島湾、仙台市街地、蔵王連峰、北東に野蒜海岸、東に石巻湾、男鹿半島、南には嵯峨渓などを望むことができる。

 ここは桜の季節には約260本の桜と松島の絶景を見る事ができる桜の名所です。足元ではオオイヌノフグリが小さな花をつけていましたが、桜の蕾は小さく硬く、開花はまだまだ先。4月中旬頃には満開の桜と青い海に浮かぶ島々、想像しただけでもうっとりしてしまうような景色が多くの人の目を楽しませたことと思います。
 
■左:西行戻しの松公園から
約260本のソメイヨシノが咲く桜の名所。満開の桜の先に浮かぶ島々を見ることができる。日の出の絶景ポイントとしても知られる。『西行戻し松』は諸国遍歴中の西行法師が松の下で山王権現の化身である童子と問答し敗れたので、松島に行くのを諦めたという話が残る事に由来する。松は現存していない。
■右:オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢) オオバコ(ゴマノハグサ)科クワガタソウ属
ユーラシア、アフリカ原産で日本各地の日当たりのよい田のあぜや空き地などに生育する2年草。3~5月に瑠璃色の小さな花を茎の上部につける。日本に自生していたイヌノフグリ(小型で花は淡紅白色)より大きいのでついた名。イヌノフグリは果実の形が犬の陰嚢(フグリともいわれる)に似てていることから


 今回の旅の最後は仙台市内に戻り大崎八幡宮へ。伊達政宗によって創建され、仙台藩の総鎮守だったという歴史ある神社です。社殿は安土桃山時代に建築された日本最古の権現造りとして国宝に指定されています。黒漆塗りの社殿に金色や極彩色の彫刻などが映え、重厚さと優美さを兼ね備えた姿に目を奪われました。今も多くの人の信仰を集め、この日も次々と参拝の人が訪れていました。

■大崎八幡宮
慶長12年(1607年)に伊達政宗によって創建された伊達藩の総鎮守。京都の北野天満宮とともに権現造り(本殿と拝殿を石の間で繋いだ神社建築様式)の最古の建築物として国宝に指定されている。本殿の前にある長床(ながとこ、拝殿の役割を担う)は簡素な素木造りで、社殿とは対照的的に素朴な印象を受ける。1660年代の建築とみられ、国の重要文化財に指定されている。正月送りの松焚祭(まつたきまつり)は三百年続く。例大祭では勇壮な流鏑馬(やぶさめ)や伊達家ゆかりの神楽能などが奉納される。

 宮城蔵王リゾートからは仙台市内はもちろん、松島も日帰り圏内。「明日は山に行こうか、それとも海にしようか?」と、なんとも羨ましい会話が聞こえて来るようです。
※上記写真はすべて平成26年3月撮影

ロイヤルシティリゾート宮城蔵王リゾートHPはこちら
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担当スタッフ紹介

ガイド写真

自然観察指導員1級造園施工管理技士
グリーンアドバイザー

関口 亮子

群馬県前橋市出身、恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒業、現在「むろたに園芸研究所」勤務、設計、草花植栽、園芸講座講師を担当、特に自然風の庭造りを得意とする。

 

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