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スタッフからの現地便り

名水の郷、大山で楽しむ山菜採り

  • 更新日:2013年07月02日
  • カテゴリ:自然観察
名水の郷、大山で楽しむ山菜採り

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 今回の大山の取材テーマは山菜。今年の春は早足で通り過ぎそうな気配だったので、時期的に遅いのでは?と不安を感じながら特急「やくも」に乗り込みました。車窓から鯉のぼりが泳ぐ田園風景や山の縁に咲くフジやミツバツツジなどを楽しんでいると、大山を紹介する車内放送が聞こえてきました。残念ながら大山は霞んでいましたが、しばらくすると境港の説明が。そろそろ米子駅です。
 米子駅から約30分車を走らせるとロイヤルシティ大山リゾートに到着します。さっそく「今朝、ハナイカダをごちそうになりました」と現地スタッフに案内されたのは、前回建物の取材でうかがったお宅でした。その時はツルリンドウの花と実の写真を撮らせていただきましたが、今回は小さな花を葉の上に乗せたハナイカダがたくさん。オーナーさまから「なるべく手を加えない庭を楽しんでいる」というお話しも聞かせていただきました。道沿いの芽生えたばかりのカエデは、タネからの成長を楽しみにされているのだそうです。
 次にうかがったのはブナの育成活動をされているオーナーさまのお宅。庭ではタネから育てたブナの苗木が元気に育っていました。ちょうどシュンランやイカリソウ、ミツバアケビなどが花をつけていたので、山菜の種類や採取の仕方、大山の豊富な水のことなどに話が弾みました


 
■左:ハナイカダ(花筏) ミズキ科ハナイカダ属
北海道南部から九州の湿り気のある林内に生育する落葉低木。雌雄異株。5~6月、葉の中央付近に黄緑色の花をつけるのが特徴。雄花は3~5個、雌花は1個、ときに2~3個ずつつく。果実は8~10月に黒く熟す。花が葉の上に乗った姿を筏にたとえた名。写真は雄花。
■右:シュンラン(春蘭)別名:ホクロ ラン科シュンラン属
北海道から九州の乾燥した落葉樹林内に生育する多年草。3~4月に花をつける。外側の長い3枚の萼片と内側の上2枚の側花弁は緑色から黄緑色、唇弁(下の1枚の花弁)は白色で濃紅紫色の斑点がある。別名はこの斑点からついた。冬に咲く寒蘭(カンラン)に対し春に咲くことからついた名。

 途中、西洋シャクナゲの大木が株一面に鮮やかなピンク色の花をつけているお宅があり、庭作業中にお邪魔してしばらく立ち話を。その間にも花に誘われた方々が訪れ、大きさと花の見事さに驚かれていました。近くにはもう1件、日本産のシャクナゲや台湾産のシャクナゲの品種と思われる白から薄いピンクのシャクナゲ数本が満開のお宅がありました。こちらは先程の鮮やかな西洋シャクナゲとは対照的に清楚な雰囲気です。ホソバシャクナゲはつぼみだったので、まだしばらくは花を楽しめるようでした。どちらのお宅も散歩される方の目の保養になりますね。
 食べ頃のワラビやタラノキの芽の写真を撮ることができて大きな課題はクリアしたので、私は植物観察に専念することに。すると枯れ草の間にムラサキケマンの花やヤマネコノメソウがタネをつけているのをみつけました。この時期はウワミズザクラの白い花穂が風に揺れているのを林のあちらこちらで目にすることもできます。白い小さな花がブラシ状につくので、サクラとは知らずにご覧になっている方も多いのではないでしょうか。
  
■左:ワラビ(蕨) コバノイシカグマ(イノモトソウ)科ワラビ属 
日本各地の日当たりのよい草原などに生育する多年生シダ植物。葉がまだ開かない若芽をアク抜きして煮ものやおひたしなどにする。乾燥させて保存も可能。根から採ったでんぷんはわらび餅を作るわらび粉。成葉は大きくなると1mを超えることもある。名は古くからワラビの若芽のことを早蕨(さわらび)と呼んでいたことから、という説や童菜(わらべな)から転訛したという説がある。
■中:タラノキ(楤木)別名:タランボ ウコギ科タラノキ属
北海道から九州の日当たりのよい山野の荒れ地などに生育する落葉低木。ときに10mになることもある。8~9月、幹の先端に淡緑白色の多数の小さな花を放射状につける。刺のある幹はほとんど分枝せずまっすぐ伸びる。長さ1mにもなる長い柄に刺のある葉をつける。若芽を天ぷらや和え物にする。枝ごと切ったり、芽を全て採ってしまうと枯れてしまう。刺のないメダラとよばれる品種もある。名前は刺を意味する古語『刺の木』が由来という説がある。
■右:ムラサキケマン(紫華蔓) ケシ科キケマン属 
全国のやや湿った林縁などに生育する越年草。4~6月、紅紫色の花を枝先に多数つける。葉は羽状に細かく裂ける。華蔓は仏前を飾る仏具で、これに花の形が似ていて、紫色をしていることからついた名。
 
■左:ヤマネコノメソウ(山猫の目草) ユキノシタ科ネコノメソウ属
北海道から九州の湿った林内に生育する多年草。3~4月、花茎の先に花をつけるが、花弁に見えるのは萼。全体に毛がまばらにある。果実が熟して2つに裂けた形が猫の目の瞳孔のように見えることからついた名。ヤマとつくがそれほど山でなくても見られる。写真は盃状の果実にタネが入っている。この果実に雨の雫が当ったり、溜まった雨水があふれ出すことによりタネを拡散させる。
■右:ウワミズザクラ(上溝桜) バラ科ウワズミザクラ属
北海道西南部から九州の沢沿いなどに生育する落葉高木。4~5月に房状に白い花を咲かせる。果実は黄色から赤色になり9月頃黒色に熟す。樹皮を傷つけると強い臭気がする。この材の表面に溝を彫り、焼いて亀甲占いに使ったことからついた名。

■大山リゾート内にある大成池(日本のため池百選)

 大成池の畔にある公園からは天気がよければ池に映る逆さ大山を見ることができます。今回は曇り空だったので大山は映り込んでいませんでしたが、静かな水面の先にアカマツの濃い緑、そしてその後方に頭をのぞかせている大山という景色は一幅の絵のようで、いつ訪れても見入ってしまいます。アカマツ林ではニョイスミレが小さな花をつけていました。近くには花の大きさがニョイスミレの2倍以上もあるスミレが。こちらの葉はまだ丸まっていて開ききっていません。これが特徴のひとつであるアケボノスミレで、ピンク色の大きな花が目を引きます。近くにはルイヨウショウマも白い花を穂状につけていました。
 大山周辺は湧き水が豊富なことでも知られていますが、敷地内でも水が音をたてて流れている側溝があります。その脇で白い小さな花をつけているのはオオバタネツケバナです。水辺を好むので大成池の近くなどでも見かけました。
 視界の隅を何かが横切ったので顔を上げると、可愛い絵が描かれた巣箱にヤマガラが入るところでした。子育て中なのでしょうか。樹々の多い森林住宅地は鳥にとってもすごしやすい環境のようです。道沿いの樹を覆うように咲いていたヤマフジの写真を最後に、現地を後にしました。
  
■左:ニョイスミレ(如意菫)別名:ツボスミレ スミレ科スミレ属
北海道から九州(屋久島以北)の平地から山地のやや湿った場所に生育する多年草。4~6月に白色で中心部に紫色の筋がある小さな花をつける。葉はハート型で、茎は柔らかく倒れやすい。僧侶が持つ仏具の如意(孫の手のような形)にカーブした花柄が似ていることからついた名。別名のツボ(坪)は塀で囲まれた狭い庭のこと。
■中:アケボノスミレ(曙菫) スミレ科スミレ属
北海道南部から九州の主に太平洋よりの山地に生育する多年草。3~5月に淡紅紫色の大型の花をつける。葉の展開は遅く、開花時には全く出ていないか、出ていても巻いている。地上茎はなく葉柄花柄は地面から立ち上がる。曙は花の色から。
■右:ルイヨウショウマ(類葉升麻) キンポウゲ科ルイヨウショウマ属
北海道から九州の山地の林内に生育する多年草。5~6月に白色の花を穂状につける。花弁は細いヘラ状。果実は直径約6mmで黒色に熟し、柄が赤くなる。升麻はサラシナショウマの漢名で、葉が似ていることからついた名。サラシナショウマは花期が8~10月と遅く、花穂が15~30cmと長い。


  
■左:オオバタネツケバナ(大葉種漬花) アブラナ科タネツケバナ属
北海道から九州の渓谷沿いや湿った林縁に生育する多年草。3~4月に白色4弁の花をまとめてつける。よく似るタネツケバナは乾いた場所に生育する。どちらも食用になるが、オオバタネツケバナの方が柔らかく辛みが少ない。タネツケバナは稲の種籾を漬け苗代の準備をする頃に咲くことからついた名。大葉はタネツケバナに比べ葉が大きいことから。
■中:ヤマガラ(山雀) スズメ目シジュウカラ科
全国の林に生息する留鳥または漂鳥。一年中見ることができる。大きさはスズメと同じくらいで腹と背は茶色、翼は暗青灰色、頭は黒く頭頂から後頭部にかけて淡黄色の線が入る。雌雄同色。木の実や昆虫を食べる。木の実を樹皮の隙間や土中に貯える。繁殖期は3~6月で樹洞や巣箱で営巣する。地鳴きはツッツッ、ニィーニィーなど。さえずりはツツピーツツピーツツピー。学習能力が高くかつてはおみくじをひく芸などの見せ物があったが、現在は鳥類保護法などで保護されているため姿を消した。
右:ヤマフジ(山藤)別名:ノフジ マメ科フジ属
近畿地方以西から九州の低山に分布するつる性落葉植物。フジに比べると房が短い。つるの巻き方も違い、下から見るとフジは左巻き(時計と反対)、ヤマフジは右巻き。古くはフジのつるを鞭に使っていたことからブチ(鞭)から、吹き流れを意味するフキキリ(吹散)からなど名の由来は諸説ある。
 大山寺方面に向かうと進むにつれ樹々の緑が淡くなり、所々にヤマザクラの花も見えてきました。季節を遡っているかのようです。豪円山からはまだ雪の残るダイナミックな大山の北壁を望むことができました。大山は西に位置する米子方面から見るとなだらかな稜線を描き伯耆富士(ほうきふじ)と呼ばれていますが、南壁と北壁は荒々しい姿をしているので、違う山を見ているようです。

 振り返ると弓ヶ浜も見え、海の近さを実感することができます。他の取材陣が遠景を撮っている時に、私だけ足元をキョロキョロ。枯れ草の間から芽吹き始めた植物を探していると、タチツボスミレ(距が白く、花茎が全て茎から出ていたのでオオタチツボスミレか?)、鮮やかな紅色をしたシハイスミレ、森林住宅地でも咲いていたアケボノスミレが花をつけていました。やはりスミレは春を告げる花のひとつですね。
 
■左:豪円山から大山北壁
■右:シハイスミレ(紫背菫) スミレ科スミレ属
本州中部以西から九州のあかまつ林や落葉樹林に生育する多年草。3月下旬から5月上旬に淡紅紫色~濃紅紫色の花をつける。葉は細長いハート型。花葉共に異変が多い。葉の裏が赤紫色を帯びるので紫背とついた。東北から近畿地方にはよく似ていて葉が細長く垂直に立ち上がるマキノスミレがある。
 
大山に来たら大神山神社と大山寺はぜひとも訪れたい場所です。駐車場から大山寺に向かう参道沿いではイカリソウ、イチリンソウ、ヤマエンゴサク、キンシベボタンネコノメソウが花をつけていました。石段の先に大山寺の山門が見えてきたところで今回はまず大神山神社奥宮へ向かうことに。
 ひんやりとした空気の中、日本一長い自然石の参道を足元に注意しながら、一歩一歩進むと、次第に心が落ち着いてきます。時々立ち止まり周囲を見渡すと林の中にはミヤマキケマンやコチャルメルソウ、スミレサイシン、エンレイソウなどが点々と花を咲かせていました。ネコノメソウは黄緑色のやわらかいマットのようです。
   
■左:イチリンソウ(一輪草)キンポウゲ科イチリンソウ属
北海道から九州の山地や山麓の林などに生育する多年草。4~5月に白い花をつける。3つに分かれた羽状の葉が3枚輪生してつく。5 ~6枚の花弁に見えるのは萼片で裏側は紅紫色~淡紫色を帯びる。葉は細かく裂け葉柄があり花が1個だけつく点がニリンソウと大きく違う点。イチリンソウやカタクリなどは夏まで結実し、その後は地上部が枯れるので、スプリング・エフェメラル、春の妖精とも呼ばれる。
■左中:ヤマエンゴサク(山延胡索)別名:ヤブエンゴサク ケシ科キケマン属
本州から九州の山野や林に生育する多年草。4~5月筒状で淡紅紫色から青紫の花を数個まとめてつける。葉は細いタイプと丸いタイプがある。花の下の葉に切れ込みが入る。延胡索は漢方名。
:コチャルメルソウ(小哨昞草) ユキノシタ科チャルメルソウ属
本州から九州の山地の渓流沿いなどの湿った林に生育する多年草。4~6月に立ち上がった花茎に2~10個の花をつける。花弁は紅紫色または黄緑色で羽状に細かく7~9裂する。葉は浅く5裂し粗い毛がある。花を横から見るとラッパのチャルメラに似ていることから、これがなまってチャルメルとついた。
■右:ミヤマキケマン(深山黄華蔓) ケシ科キケマン属
本州の近畿以東の山野に生育する越年草。フウロケマンの変種。4~6月に黄色い花を多数つける。フウロケマンより大きく、花の数も多く密につく。よく似るキケマンは花の後方の距が短い。

   
■右中:キンシベボタンネコノメソウ(金蘂牡丹猫の目草) ユキノシタ科ネコノメソウ属
本州岐阜県以西の日本海側の山地谷沿いに生育する多年草。4~5月に花弁のない花をつける。黄緑色をした4個の花弁のように見えるのは萼。葯は黄色。ボタンネコノメソウの萼が黄色いタイプ。ボタンネコノメソウは萼が暗赤褐色。重なった根生葉(株元の葉)の様子から牡丹とついたという説がある。
■左中:スミレサイシン(菫細辛) スミレ科スミレ属
北海道南部から本州の日本海側の山地に生育する多年草。北日本の太平洋側や四国の一部にも生育する。3~5月に淡い紫色の花をつける。地上には茎がなく葉柄花柄は地面から立ち上がる。根は長く太くワサビのようになり、これをトロロにして食用にされるためトロロスミレと呼ぶ地域もある。葉がウスバサイシンに似ていることからついた名。
右中:エンレイソウ(延齢草) ユリ科エンレイソウ属
北海道から九州の林内の湿った場所に生育する多年草。3枚の大きな葉の中央に花をつける。緑色から褐紫色をした3枚の花弁のように見えるのは萼。同じ仲間で白い花のシロバナエンレイソウ、白く大きい花のオオバナノエンレイソウなどに比べると花は地味。根を薬草に用いた事からついた名と言われる。
■右:ネコノメソウ(猫の目草) ユキノシタ科ネコノメソウ属
北海道から九州の山地の湿った所に生育する多年草。4~5月に花茎の先に花をつけるが、花弁はなく淡い緑色で花弁のように見えるのは萼。ヤマネコノメソウによく似るが、葉が対性する点で見分けることができる。果実が熟して2つに裂けた形が猫の目の瞳孔のように見えることからついた名。

 『金門』と書かれた道しるべから横道に入ると『賽の河原』が目の前に広がりました。ここからも荒々しい大山の姿を見ることができます。振り向くと岩を2つに割ったように切り立つ岩壁の間を佐陀川が流れる景色に圧倒されました。これが『金門』で、かつて僧兵達が修行に励んだ場所だそうです。きれいな水に手を浸けるとキーンと冷たく、身の引き締まる思いがしました。
 

■賽の河原と大山北壁
 参道に戻り、本殿前のヤマザクラがちょうど見頃の大神山神社に参拝したあと大山寺へ。道沿いのミヤマカタバミはどれも花を閉じてうつむいていました。曇りなので光が足りないようです。周辺の林の中ではキブシ、クロモジ、ムシカリなどの花が平地より遅い春の訪れを知らせていました。
 大山にはダイセンキャラボク、ダイセンミツバツツジ、ダイセンクワガタなど、名前にダイセンとつく植物がいくつかありますが、大山寺ではその中のひとつ、ダイセンキスミレに出会うことができました。
 
  
■左:ミヤマカタバミ(深山傍食、深山片喰、深山酢漿草) カタバミ科カタバミ属
東北地方南部から中部地方と四国の山地の林内に生育する多年草。3~4月、5弁の白い花をつける。花弁に紫色の筋が入る個体もある。葉はクローバーに似て大きい。葉の片側が欠けている形から名がついたカタバミが道端や畑など平地に多く見られるのに対して山地で見られることからついた名。
■中:ムシカリ(虫喰、虫狩)別名:オオカメノキ スイカズラ科ガマズミ属
北海道から九州の山地に生育する落葉小高木。4~6月、ガクアジサイのような白色の花のかたまりを枝先につける。周囲の装飾花は5弁。果実は赤色になり熟すと黒色になる。葉は葉脈が目立ち付け根はハート型。葉がよく虫に食べられるので「虫くわれ」が名の由来という説がある。別名は葉の形が亀の甲羅に似ていることからついた。
■右:ダイセンキスミレ(大山黄菫) スミレ科スミレ属
本州の中国地方の山地に生育する多年草。オオバキスミレの変種。4月中旬~6月に黄色い花をつける。花弁の裏側は紅紫色を帯びる。根茎はあまりのびない。大山火山帯に分布することからついた名。


 
■左:キブシ(木五倍子) キブシ科キブシ属
北海道南西部から九州の山地に生育する日本固有の落葉低木または小高木。雌雄異株。3~5月、葉が展開する前に花を紐状に吊り下げる。雌花は黄色で雄しべが退化している。雄花は黄緑色で房が長い。写真は雄しべが見えるので雄花。果実を五倍子(ゴバイシ)あるいは付子(フシ)と呼ばれる生薬の代用として使われることからついた名。
■右:クロモジ(黒文字) クスノキ科クロモジ属
東北地方南部以西から九州の雑木林などに生育する落葉低木。雌雄異株。3~4月、葉が開くのと同時に黄緑色の小さな花を10個ほどまとめてつける。雌株は秋に黒い実をつける。香りが良いので樹皮を残して爪楊枝にする。樹皮にある黒い斑点を、文字に見立ててついた名。

 
最後に大山寺から芽吹き始めたブナの林を抜け、桝水高原を通り、海へと向かいました。淀江漁港や夢みなと公園では風の強い中、たくさんの人が釣りを楽しんでいました。淀江漁港で釣り糸を垂れている方にうかがうと、アジやキスなどが釣れるそうですが、この日はまだアタリがないとか。夢みなと公園ではコウイカなども釣れるそうなので、挑戦してみたくなりました。
 日野川河口の砂地ではハマダイコンの花がちょうど満開。防波堤の隙間に根付いたヘラオオバコの花も見ることができました。
 
 
■左:ハマダイコン(浜大根) アブラナ科ダイコン属
日本全土の海岸の砂地に生育する越年草。4~6月、淡紅紫色の4弁の花をつける。花の時期に海沿いの道を走ると群生しているのをよく目にする。大根が野生化したものといわれているが、根は大根のようには太くならずに硬い。浜辺に生えるダイコンということからついた名。
■右:ヘラオオバコ(箆大葉子) オオバコ科オオバコ属
ヨーロッパ原産の帰化植物で全国の道ばたや荒れ地などに生育する1年草。6~8月に花茎をのばし先端に花弁のない小さな花を多数穂状につける。花は下から上に咲き進み、まず雌しべが出て受精したあとに雄しべがのびる。ヘラオオバコは雄しべが長くのびるのが特徴のひとつ。オオバコは葉が大きいことから、ヘラは葉の形からついた。

  山と海、どちらへも1時間かからずに移動できるロイヤルシティ大山リゾートは、朝その日の天気を確認してから出かけても、たっぷり楽しむことができる場所に位置しています。
 登山、ハイキング、スキー、釣り、海水浴など、一年を通して山と海の楽しみ満載の大山、1度体験してみませんか。きっと他の季節にも訪れたくなると思います。

※上記写真は全て平成25年6月撮影

担当スタッフ紹介

ガイド写真

自然観察指導員1級造園施工管理技士
グリーンアドバイザー

関口 亮子

群馬県前橋市出身、恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒業、現在「むろたに園芸研究所」勤務、設計、草花植栽、園芸講座講師を担当、特に自然風の庭造りを得意とする。

 

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