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スタッフからの現地便り

陽光降りそそぐ、開放的な森林住宅地「霧島妙見台」

  • 更新日:2011年07月06日
  • カテゴリ:自然観察
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ロイヤルシティ霧島妙見台は、新しい森林住宅地ということもあり、初めて訪れた時は、林に囲まれた里山の住宅地という印象を受けました。そのため、家が増え、景色が変わる過程を見るのが、妙見台を訪れる際の楽しみのひとつとなっています。今回も新しいプロジェクトが進行していました。
 
■分譲地の街並み(平成22年8月撮影)
まずは、昨日現場スタッフの方に教えていただいた裏山プロジェクト現場に行ってみました。舗装道路から林の中に入っていく途中、ハナイカダが花をつけていました。葉の上に薄緑色の花をちょこんと1つ乗せているのが雌花、乗合船のように数個の花を乗せているのが雄木です。サクラの花びらが川面に浮かび流れる様も花筏と呼ばれますが、どちらも日本語の美しさを感じますね。
さらに進むと、少し薄暗い林の中でヒトヨシテンナンショウが何本も立っていました。近くにはムサシアブミも。秋には林のあちらこちらで、赤い実をつけたこん棒のような姿が見られるでしょう。裏山プロジェクトは、樹上小屋のような休息所もあり、新しい秘密基地になりそうです。

  
■左:ハナイカダ(花筏)雌木 ミズキ科ハナイカダ属
北海道南部から九州の湿り気のある林内に生育する落葉低木。雌雄異株。5~6月、葉の中央付近に黄緑色の花をつけるのが特徴。雄花は3~5個、雌花は1個ずつつく。果実は8~10月に黒く熟す。花が葉の上に乗った姿を筏にたとえた名。
■中:ムサシアブミ(武蔵鐙) サトイモ科テンナンショウ属
関東地方以西から沖縄の沿岸や谷沿いなど湿った林内に生育する多年草。3~5月に3枚の小葉がセットになった葉を2個つけ、葉より下に緑色から暗紫色の仏炎苞(仏像の後方にある光背にみたてた)に包まれた花をつける。仏炎苞の先端は巻き込む。武蔵の国で使われた鐙の形に仏炎苞が似ていることからついた名。
■右:ヒトヨシテンナンショウ(人吉天南星) サトイモ科テンナンショウ属
鹿児島県、熊本県、宮崎県の湿った林内に生育する多年草。4~5月に濃い紫、あるいは帯紫色の花に見える仏炎苞の中に花をつける。この仲間は秋に朱赤の果実を多数つけ、よく目立つ。偽茎の模様がマムシに似ていることから名前がついたマムシグサの変種。天南星は漢方生薬名。

 林床に注意しながら戻りかけると、小さなリンドウが1輪だけ咲いていました。コケリンドウです。リンドウというと秋のイメージですが、春に咲く種類もあります。その中でも小さく、萼片が反り返るのがコケリンドウの特徴です。さらに下り、少し明るい栗の広場や木漏れ日坂沿いにはキランソウがところどころで地面に這いつくばるように広がり、紫色の花をたくさんつけていました。

 
■左:コケリンドウ(苔竜胆) リンドウ科リンドウ属
本州から九州の日当たりのよい山地に生育する二年草。3~5月、枝先に淡青紫の小さな花をつける。春に咲くリンドウの中でもっとも小さい。フデリンドウによく似るが、株元にロゼット葉があること、萼片が反り返ることなどが違う。ハルリンドウは葉が細かい。冬の葉が苔のように小さいことからついた名。リンドウは漢名から。
■右:キランソウ(金瘡小草)別名:ジゴクノカマノフタ シソ科キンランソウ属
本州から九州の草地や道端などに生育する多年草。3~5月に濃紫色の唇形花と呼ばれる形の花をつける。金瘡小草は漢名から。張り付くように葉を広げることから別名がついた。薬効があることから地獄の釜に蓋をするという由来もある。

 舗装道路と合流する近くでは一株だけヒメハギがありました。名前にハギとつきますが、ハギの仲間ではないのが花の形を見るとわかります。この辺りには植栽して間もない果樹園がありますが、主変の緑縁ではクサイチゴの白い花がたくさん咲いているので、一番早くに食べられるのは天然の果実のようです。

 
■左:ヒメハギ(姫萩) ヒメハギ科ヒメハギ属
北海道から九州の日当たりのよい山野に生育する多年草。4~7月に淡赤紫色の花をつける。花弁に見える左右の2枚は萼片。茎はかたく横に這う。萩に似た花で小さいことからついた名。
■右:クサイチゴ(草苺)別名:ワセイチゴ ナベイチゴ バラ科キイチゴ属
本州から九州の山野に生育する落葉小低木。4~5月に5弁の白い花をつけ、5~6月に果実が赤く熟す。樹高が草のように低いことからついた名。別名は、果期が早いこと、果実をとると鍋のような形に見えることから。

 果樹といえば法面にムベが咲いていたことを思い出し、次は高台の街区に向かいました。坂道を歩いていると、ムベの仲間のミツバアケビが花をつけているのを見つけました。食用としては、こちらの方が有名ですね。ムベも花をたくさんつけていたので、秋には実が熟しても割れないというアケビとの違いを見比べることができそうです。
 そろそろ時間がなくなってきたので、以前コガクウツギを見た現地案内所の近くに戻ってみました。残念ながら、コガクウツギは萼が開き始めたところでしたが、マルバウツギの花がいくつか咲いているのを見る事ができました。
近くではアキグミが満開。グレイがかった葉と白い花で、樹全体が白っぽく見えます。

   
■左:ムベ(郁子)別名:トキワアケビ ウベ アケビ科ムベ属
関東地方南部から沖縄の山地に生育するつる性常緑樹。4~5月、花弁に見える淡黄緑色の萼をもつ花をつける。果実は10~11月に紫色に熟すがアケビとは違い割れない。名前は大贄(おおにえ:朝廷に献上した物)から転訛した。
■左中:コガクウツギ(小額空木) ユキノシタ科アジサイ属
本州の伊豆諸島以西から九州の山地に生育する日本固有の落葉低木。5~7月、枝先に両性花と3~4枚の白い萼片をもつ装飾花をつける。装飾花の数は少ない。雰囲気がウツギに似ているのでこの名がついた。ガクウツギより全体に小型。ウツギとつくがウツギ属ではなくアジサイ属。花の雰囲気はガクアジサイに似る。写真は咲き始め。
中:マルバウツギ(丸葉空木)別名:ツクシウツギ ユキノシタ科ウツギ属
関東以西から九州の山野に生育する落葉低木。日本固有種。4~5月に白い花を上向きに円錐状につける。他のウツギの仲間とは花のすぐ下の葉に葉柄がなく茎を抱くようにつくなどの違いがある。茎が空洞になることから空木、葉が丸みを帯びているので丸葉とついた。
左:アキグミ(秋茱萸) グミ科グミ属
北海道から九州の日当たりのよい原野や河原などに生育する落葉低木。4~6月甘い香りのある白から淡い黄色の花を葉の元にびっしりつける。秋に丸い果実が赤く熟す。葉は表面に白い点々があり、裏面は銀色の毛で覆われる。グミは秋咲きと春咲きの種類があるが、アキグミは春咲きの代表種。秋に果実が熟すのでついた名。

 ちょうどこの時期はスミレの季節だったので、歩いていると広場や道沿いなど明るい場所のあちらこちらで、濃い赤紫色をしたアカネスミレ、香りのするニオイタチツボスミレ、小さな花のニョイスミレ、そして、濃い紫色のスミレなどが花を咲かせていました。丁寧に探すと他の種類も見つける事ができるかもしれません。

   
■左:アカネスミレ(茜菫) スミレ科スミレ属
北海道から九州の日当たりのよい山野に生育する多年草。4~5月に淡紅紫から紅紫色の花をつける。全体に毛が多い。花の色からついた名。
■左中:ニオイタチツボスミレ(匂立坪菫) スミレ科スミレ属
北海道南部から九州の日当たりのよい草地に生育する多年草。4~5月濃紅紫色で中心が白く、芳香がある花をつける。タネをつける頃には30cmほどに立ち上がる。坪(庭や道端)で多く見られ。芳香のある花が盛りを過ぎると立ち上がることからついた名。
■右中:ニョイスミレ(如意菫)別名:ツボスミレ スミレ科スミレ属
北海道から九州(屋久島以北)の平地から山地のやや湿った場所に生育する多年草。4~6月に白色で中心部に紫色の筋がある小さな花をつける。葉はハート型で、茎は柔らかく倒れやすい。僧侶が持つ仏具の如意(孫の手のような形)にカーブした花柄が似ていることからついた名。
■右:スミレ(菫) スミレ科スミレ属
日本全土の日当たりのよい人家周辺から丘陵地に生育する多年草。4~5月に濃い紫色の花をつける。葉はへら状。一般的にスミレというと仲間の総称で使われるが、本来のスミレはこの種。名前は花の後にある距の形が大工の墨入れ壺に似ていることからついた。

 変化を続けるロイヤルシティ霧島妙見台。次に訪れた時にはどのように変わっているのでしょうか。楽しみです。

※上記写真は一部を除き平成23年4月撮影

担当スタッフ紹介

ガイド写真

自然観察指導員1級造園施工管理技士
グリーンアドバイザー

関口 亮子

群馬県前橋市出身、恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒業、現在「むろたに園芸研究所」勤務、設計、草花植栽、園芸講座講師を担当、特に自然風の庭造りを得意とする。

 

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