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スタッフからの現地便り

波の音と鳥の声を聞きながら歩くと・・・

  • 更新日:2009年01月14日
  • カテゴリ:四季だより
■海に面しているロイヤルシティ別府湾杵築リゾート
  
           波の音と鳥の声を聞きながら歩くと・・・

 
杵築リゾートは海に面しているため、潮風に強い植物を見ることができます。
砂浜沿いの垂直に切り立つ岩場に張り付くようにツワブキが丸い葉を広げ、熟したトベラの果実からは赤い種子が顔を出し始めていました。
砂に埋まってしまいそうな足元では。海浜植物の特徴である肉厚の葉をもつハマナデシコやハマボッスなどの花も見ることができます。

■左:トベラ(扉)別名トビラノキ、トビラ トベラ科トベラ属
本州から沖縄の海岸に生育する常緑低木または小高木。雌雄異株。4~6月に5弁の芳香のある白い花を多数つける。葉はやや裏側に反る。果実は11~12月に熟し、3つに割れて赤い種子を出す。枝や葉に臭気があり節分に鬼除けとして戸口にさしたことから『扉の木』『扉』と呼ばれ、これが変化してトベラになった。
■中:ツワブキ(石蕗)キク科ツワブキ属
本州(日本海側は石川、太平洋側は福島以西)から沖縄の海岸付近に生育する多年草。庭にもよく植えられる。葉はフキに似ているが、肉厚で光沢があり常緑。10~12月に長い花茎の先に黄色い花を多数つける。名は葉につやがある(艶蕗)がなまったといわれる。若い葉柄は『きゃらぶき』として食用にされる。
■右:ハマナデシコ(浜撫子)別名フジナデシコ ナデシコ科ナデシコ属
本州から沖縄の海岸付近に生育する多年草。葉は肉厚でつやがあり、カワラナデシコなどに比べ幅広い。7~10月、茎の先端に紅紫色の花を多数まとまってつける。浜に生えるナデシコ(花姿が子のように撫でたいくらい可愛い)の意味。
樹のてっぺんにとまったジョウビタキの『ヒッヒッ』という声を聞きながら海辺を離れると、薄暗い林の縁でヤマハッカ、ツルソバ、ナンテンハギなどの花が咲いていました。
明るい草原ではシロノセンダングサの花も。さらにナンバンギセルの花を見ることができ、今回はちょっと変わった植物を紹介できるな、と喜びながら散策を終わりにしました。 

■左:ツルソバ(蔓蕎麦)タデ科イヌタデ属
本州紀伊半島から九州の海岸近くの林などに生育する多年草。茎はよく分枝し、つる状にのびて広がる。葉には逆V字の斑が入る。5~11月、枝先に白い小さな花を多数まとまってつける。実は黒い。枝がつる状になり、花がソバに似ていることからついた名。
■右:ナンバンギセル(南蛮煙管)別名オモイグサ ハマウツボ科ナンバンギセル属
全国の日当たりのよい草地や林縁などに生育する1年草。ススキ、サトウキビ、ミョウガなどの根に寄生する。7~9月、長い柄の先に淡紅紫色の花を横向きにつける。この形が南蛮人がタバコを吸う煙管に似ていることからついた名。葉は鱗片状で、花茎以外の茎はほとんど地上に出ない。
山地には大型のオオナンバンギセルが生える。別名は万葉集から。
                   ★写真集

■左:ハマボッス(浜払子)サクラソウ科オカトラノオ属
全国の海岸に生育する多年草。5~6月に白い5弁の小さな花を茎の先につける。厚くて光沢のある葉が密集して重なりあう。姿が仏具の払子(ほっす)に似て海岸に生えることからついた名。写真の茶色くのびた枝は花が終わったあとにのびたもので、丸い果実がたくさんついている。
■中:コマツヨイグサ(小待宵草)アカバナ科マツヨイグサ属
関東以西の荒地などに生育し、特に海辺に多い2年草。北米原産の帰化植物。地面をはうことが多く、あまり立ち上がらない。葉の縁は波状に切れ込むことが多い。春から淡黄色花をつける。花弁はハート型で4弁だが、重なることが多い。昼開花する。マツヨイグサの中で小型なのでついた名。
■右:ヤマハッカ(山薄荷)シソ科ヤマハッカ属
北海道から九州の山野に生育する多年草。9~10月に青紫色の花を段状につける。上唇は4列し、線状の斑点があるが、よく似るイヌヤマハッカにはない。縁が内側に巻いた下唇は尖ったように見える。萼は紫色を帯び花後も残る。ハッカとつくがほとんど香りはしない。山に生えハッカに似ていることからついた名。

■左:ナンテンハギ(南天萩)別名フタバハギ マメ科ソラマメ属
北海道から九州の山野に生育する多年草。葉は2枚ずつつき、これが別名の由来。6~10月にハギの花に似た紅紫色の花を数個ずつつける。巻きひげはなく茎は直立する。葉がナンテンに、花が萩に似ていることからついた名。
■右:シロノセンダングサ(白の栴檀草)別名シロバナセンダングサ、コシロノセンダングサ キク科センダングサ属
幕末に渡来した帰化植物。暖地に生育する。9~11月に白色の花弁に見える舌状花を4~7個もつ花を枝先につける。よく似てて舌状花が丸く大きなタチアワユキセンダングサなどもある。センダングサの名は、葉が樹木のセンダンに似ていることからついた。





 

担当スタッフ紹介

ガイド写真

自然観察指導員1級造園施工管理技士
グリーンアドバイザー

関口 亮子

群馬県前橋市出身、恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒業、現在「むろたに園芸研究所」勤務、設計、草花植栽、園芸講座講師を担当、特に自然風の庭造りを得意とする。

 

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