「ホラあれ誰だっけ?」が、夫婦の差し障りない話題となる
イリコ世代には格好の、昭和の記憶をたどるノスタルジックな町が、
国東半島の北部、豊後高田市にあります。
いつの日か訪ねてみようと思いつつも、お魚さんとのやりとりの方が
忙しく、先延ばししていましたが、昨年秋、初めて足を踏み入れて
みましたのです。
昭和の30年代には、総延長約550mの国東半島一の賑わいを
みせていた商店街も、大都市近郊集中型生活様式による人口流出と、
車利用の郊外型商業集積への移行で、いずことも同じ衰退化の
一途でした。
21世紀にはいって、さびれていく店舗を逆手にとって、観光に
活用できないかと、商店や商工会議所、豊後高田市の観光協会が
知恵を出し合ったのが、あらたな町おこしの発端だったようです
『昭和の町』というネーミングが、全国的に知られるようになって、
10年くらいでしょうか、年々観光客も増え、今では年間、
約40万人を集客しているのだそうです。
街づくり景観条例などにより、昭和の趣を維持するよう、
建築物の保全と共に、各商店街には、大分お得意の、
『一村一品』になぞらえて、『一店一宝』として、その店の歴史を
語るお宝の展示だったり、先だって紹介された伯剌西爾(ブラジル)
珈琲舎の『ハヤシライス』のように、その店自慢の昭和の商品を
提供する、『一店一品』運動をすすめて、かなりの店舗で
根付いてきています。
面白いのは、そのような店づくりに積極的なのは、
昭和を知らずに育ってきた若者が多いということでしょうか。
◆『悠遊館』の『一店一宝』の足踏みオルガン、メーカー名が
浜松楽器とあり、 若いオーナーさんに聞きますと、
ヤマハの社史からも、貴重なオルガンらしい。
往時の車の展示に、過ぎにし昔を思いおこす方も多いことでしょう。
◆ダットサンオート三輪ですう!ハンドルがバイク型になると、
もっと古い?
昭和32年式のボンネットバスは、土・日・祝祭日には、商店街を
無料運行、車掌さんの案内も楽しいとのことです。
◆バリバリ現役のボンネットバスです。この日は水曜日でしたので、休養中?です。
◆左側が「昭和の町づくり株式会社」で、その向こうが
『昭和ロマン蔵』です。
商店街を巡る散策のほか、『昭和ロマン蔵』を楽しむのも
おススメです。
ここは、大分きっての金持ちといわれた「野村財閥」の米蔵として
満州事変の頃くらいに建てられたもので、近年は「旧高田農業倉庫」
だったのだそうです。
北蔵が『昭和の夢町3丁目館』となり、東蔵が『駄菓子屋の夢博物館』
及び『昭和の絵本美術館』になり、南蔵が『レストラン旬彩「南蔵」』
となっています。
この近くに大型の駐車場も、観光バスの専用駐車場も完備し、
受け入れ態勢も整っています。
ただ、JRで集客を図るとなると、宇佐駅から4km強離れているので、
何かしらの交通機関の整備拡充は今後の課題の一つかもでしょうか。
◆夢町3丁目のエントランスです。スバル360クーペですねえ!
◆『駄菓子屋の博物館』2Fの回廊からパチリ!
◆暮らしを伝える家電製品、左の電蓄が懐かしいですねえ!
オヤジは、美空ひばりと 三橋美智也のLPを一緒に買って
きましたヨ。『佐渡情話』とか『港町十三番地』、
『哀愁列車』に♪トンビがクルリと輪を描いた…なんかいう歌、
思い出します。
壁のあちこちに、ホーローの看板があり、大村崑さんや、南利明さん、
浪花千栄子さん、由美かおるさん、それに、ホラあの琴姫七変化の…、
誰だっけえ?…そう!松山容子さん!みたいな会話が、
聞こえてきそうな街歩きでございました
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昭和の町:杵築リゾートより約38km
豊後高田市観光まちづくり株式会社:電話:0978-23-1860
http://www.showanomachi.com/
(平成28年10月撮影】