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スタッフからの現地便り

一夜建立の伝説を持つ第70番札所・七宝山 持宝院 本山寺

  • 更新日:2015年03月23日
  • カテゴリ:歴史
一面に田んぼがひろがるのどかな田園風景の中に、
遠くからでもはっきりと見える美しい五重塔がシンボルの本山寺。


正面にはどっしりした八脚の仁王門、国宝に指定されている
屋根のカーブが美しい寄せ棟造・本瓦葺きの本堂、
昭和59年から平成元年にかけて大修理が行われた大師堂、
室町時代末期の建築様式を今に伝える鎮守堂など、
広い境内には見所がたくさんあります。


特に本堂は、外観は京都風、内部は奈良風で、
鎌倉時代の折衷様式の傑作とされています。
戦国時代以降の建築様式が多い讃岐の札所の中で貴重な寺でもあるのです。
 
大同2(807)年に平城天皇の勅願によって弘法大師が
一夜のうちに建立したとい伝えられるこの寺は、
八十八ヶ所で唯一馬頭観音を本尊にいただいています。


馬が盛んに草を食べるように、人間の悪心や欲心、
怒りや悩みなどの煩悩をなくしてくれるというご利益があるそうです。

脇士には薬師如来と阿弥陀如来を控えていて、
この阿弥陀如来には「太刀受けの弥陀」と呼ばれる所以となった伝説を持っています。

戦国時代に長宗我部元親の軍勢が寺に押し入ろうとしたとき、
立ちふさがった住職が斬られてしまう。


兵が境内に入ると阿弥陀如来の右肘から血が滴り落ちていて、
それを見て驚いた兵は退き、寺は戦禍から逃れることができたそうです。
 
近くには本山寺建立の大師伝説と結びついた
「枯木の地蔵さん」と呼ばれる古柱が祀られている小さなお堂があるので、
あわせてお参りしてみたいものです。

香川県三豊市・『第70番札所 七宝山 持宝院 本山寺』
当分譲地より約190km・車で約3時間
写真は平成26年10月撮影
※写真の掲載につきましては
“四国八十八箇所霊場会”から使用の承諾を頂いております。
 

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