西日本最高峰の石鎚山（1,982m）に次いで、
西日本第二の高峰が徳島県の剣山（つるぎさん・1,955m）です。

険しくてゴツゴツした山形の石鎚山が「男岳」と称されるのに対し、
剣山はなだらかで丸みのある形をしていることから「女岳」とも呼ばれているんだそうです。

日本百名山の一つであり、祖谷渓や大歩危、小歩危を中心とした渓谷などを含む一帯は
剣山国定公園に指定されている景勝地です。

 

 

登山口の見ノ越駅（標高1420m）から登山道中央付近の西島駅（標高1750m）までの
全長830mを、約15分で結ぶ登山リフトが運行されているため、
日本百名山の中でも最も登りやすい山とも言われています。

実際、登山道は緩やかで歩きやすく、山頂付近からの眺めはまるで高原のよう。

 

春から秋にかけてはさまざまな高山性の花が咲き乱れることもあり、
たくさんの人が登山に訪れます。

特に、高知県出身の作家・宮尾登美子の小説の影響で、
7月下旬から8月にかけて咲く可憐なキレンゲショウマが人気だそうです。

その他にも春から初夏にかけてはサイゴクミツバツツジやニシキウツギ、
初夏のニシマンネングサやシコクフウロ、キツリフネ、
秋のミヤマアキノキリンソウ、シコクブシ、ナギナタコウジュなど枚挙にいとまがありません。

 

安徳天皇ゆかりの剣を山頂付近に埋めたとか、
平家の再興のために財宝を宝蔵石の下に納めたなどの伝説を持ち、
巨石信仰の対象ともなっていたとか、人工のピラミッドだと主張する人もいるという、
人を惹き付ける不思議な魅力を持つ山なのです。
 

徳島県・“剣山”
ロイヤルシティ佐田岬リゾートより車で約250km・約4時間30分
写真は平成25年7月撮影