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伝統的な武芸のお話 流鏑馬(やぶさめ) 流鏑馬とは、疾走する馬上から的に矢を射る日本の伝統的な武芸です。 馬を馳せながら矢を射ることから、 「矢馳せ馬(やばせうま)」と呼んでいたようですが、 時代が移ると「やぶさめ」と呼ばれるようになったそうです。
鹿児島県内では、 肝付町の四十九所(しじゅうくしょ)神社、 日置市の大汝牟遅(おおなむち)神社、 曽於市の住吉神社の三カ所の宮で 奉納されています。 今回は、11月23日、 住吉神社の「豊祭」で奉納される 流鏑馬に行ってきました。
流鏑馬は、 五穀豊穣や国家安泰など年占いの性格を持ち、 的の数を射抜くほどその年は豊作になると言い伝えられている 伝統行事です。 鎌倉時代の煌びやかな狩姿の騎手が、 参道を鳥居から神社へ向かって約300メートルの馬場を駆け抜け、 馬上から3ヵ所の的を狙います。 それを3回繰り返し、 当たった矢の数が多いほど翌年は豊年になり、 当たり的を持ち帰って家を葺(ふ)けば その家は栄えると言われているそうです。
ここ住吉神社の流鏑馬の起源は不明ですが、 薩摩藩が江戸時代に編さんした「三国名勝図会」に記録がみられ、 少なくともこの頃には行われていたようです。 流派もあるようで、宮崎神宮の小笠原流を取り入れているそうです。
今年の射手は 20代の女性と男子高校生、小学4年生の男の子、 そして射手見習いということで小学3年生の男の子でした。 射手見習いも馬場を走りますが弓は引きません。 来年に向けての練習です。 神殿で神事を終え、世話人に先導されて登場した彼らは、 狩姿とはいえ普通の子どもたち。 この子らが大きな馬に騎乗するだけでなく、 両手を広げて300メートルの参道を疾走する姿は迫力があり 感動すらします。 馬上から放たれた矢が的に当たると、 「カーン」と乾いた音がして 見物人からどよめきと拍手が湧きあがります。 三本の矢を射て帰ってゆく姿は、 若武者のように凛々しい顔つきで堂々としていました。
「毎年、決まった射手は居なく、連続で騎乗する人や地域で運動神経のよさそうな子どもを見つけてくるんです。」と 流鏑馬保存会の関係者がおっしゃっていました。 射手を見つけるのも大変そうです。
この日の住吉神社は 大勢の人で賑わっていました。 いつまでも続いて欲しい 伝統芸能です。 住吉神社「流鏑馬」は 昭和56年、県無形民俗文化財に指定されています。
住吉神社流鏑馬 毎年11月23日開催 曽於市末吉町二之方3995-1 お問合せ 曽於市観光協会 電話 0995-76-8808 ■撮影年月日/全て平成26年11月 ■交通アクセス/霧島高千穂リゾートランドより約38㎞(車で約57分)
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霧島は山・川・海が身近にあり、また温泉にも恵まれた自然豊かなところです。霧島はもちろん、鹿児島全体の魅力もお届けしていきます。
石垣 潤
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