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スタッフからの現地便り

【歴史】函館の復興に大きく関わった建築家

  • 更新日:2012年09月26日
  • カテゴリ:周辺情報




北海道建築士会函館支部60周年の記念企画として、大正末期から昭和にかけて活躍した大建築家小南武一(ぶいち)の功績を振り返る展示会が函館市内で開かれました。
 





小南武一の名前は一般にはそれほど知られているというわけではありませんが、建築に携わる方々の中では相当な有名人物とのこと。大火からの函館の復興を大きく支えたと聞いて興味を持ち、見学してきました。
 





まず目に入ったのは、小南武一の手による小学校の設計図。精密かつ整然と記された設計図は、素人の我々が見ても美しいと感じます。彼が設計を手がけた函館の小中学校は5校にも上るとのことで、その膨大な作業量は想像すら及びません。
 










実は小南武一は函館の出身ではなく、当初は東京で活動し、東京で関東大震災後の復旧事業に携わっていたとのこと。その後、大火建築を進めていた函館市の招きを受けて移住。今も函館公園に現存する旧図書館本館や護国神社下の函館市公民館などを設計したそうです。しかしながらそんな時に函館最大の大火として知られる昭和9年の大火が発生、当時の市街地の3分の1が焼失しました。

 





小南武一が5つの小中学校を設計したのは、この昭和9年の大火の直後。復興を急いで成し遂げるために小南は猛烈なスピードで設計に携わったようで、これらの5校は大火後わずか3年のうちにすべて完成しています。

一部の学校は改築されてしまいましたが、小南武一が設計した学校のうちの幾つかは現役で今も子どもたちの学び舎として使用されています。
 





ちなみにこの写真は、以前私が撮影した旧図書館本館。素敵な趣のある建物だと思っていましたが、そんな大建築家の手によるものだとは知りませんでした。歴史を知ると、またあらためて現地でじっくりと鑑賞してみたくなりました。

上記写真は当分譲地から約48km、
函館市若松町にて平成24年8月撮影。



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